【選手会とフロントの衝突
週末のアトレティコ・マドリード戦を前に、チーム内ではピッチ外の緊迫した空気が漂っています。
勝利を収めたセルタ戦での良好なムードとは裏腹に、選手一同とジョン・ウリアテ会長率いるクラブ経営陣との間には深刻な意見の相違と感情的な対立が続いています。
この問題の引き金となったのは、かねてより予定されていたウリアテ会長と選手たちとの直接対話(ミーティング)が未だに実現していない点です。
選手たちはバルセロナ戦の前にこの対談を行うことを望んでいましたが、会長側からの返答や日程調整の連絡は一切ありませんでした。
これに憤慨した選手たちは、フロントに対する明確な「警告(シグナル)」として、バルセロナ戦後にメディアの取材に応じないという完全なボイコット行動を決行しました。
このインタビュー拒否という決断は、ラ・リーガが定める放映権関連規定に抵触するため、シーズン終了時にアスレティックへ支給されるはずの放映権分配ボーナスがペナルティとして減額されることが確定しています。
守護神のウナイ・シモンは、セルタ戦後にこの抗議行動について語り、
『あれは経営陣と会長へ強いメッセージを送るための手段であり、十分に機能した』
と、あえてリーグからの罰金リスクを冒してでも意思表示をする必要があったと認めています。
今週中にはキャプテン陣とウリアテ会長の間でこの不和について直接話し合いの席が設けられる予定ですが、シモンは
『これは昨日今日始まったことではなく、この4年間の間に小さなディテールや不満が少しずつ積み重なり、雪だるま式に膨れ上がってしまった結果だ』
と問題の根深さを明かしています。
ウリアテ会長は直近のバルセロナ遠征やヴィーゴ(セルタ)遠征に一切同行しておらず、もし今週の会合を再び回避するようなことがあれば、選手たちがさらなる強硬手段に打って出る可能性も囁かれています。
(via MARCA)
【歴代元会長たちが緊急会合へ
アスレティック・ビルバオの伝統と格式が、歴史的な危機に直面しています。
ホス・ウルティア氏を除く、現在生存しているクラブの歴代元会長全員が、今週木曜日に緊急会合を開くことが判明しました。
この異例の集まりの最大の議題は、現ジョン・ウリアテ体制が決定した「サン・マメスでの元会長向け招待席(招待券)の完全撤廃」に対する抗議と、クラブ経営に対する強い危機感です。
このクラブの内紛劇に対し、前会長であるエトール・エリセギ氏は自身のソーシャルメディア(Instagram)上で、痛烈な声明を発表しました。
エリセギ氏は、
『私たちは数年前から年に数回集まっており、これからもそれは続く。これはアスレティックを愛する者として至極普通であり、推奨されるべき定期的な集まりだ。この元会長たちとはそれぞれ意見の違いもあるが、何の問題もなく共有し議論を交わすことができる。彼らのアスレティックへの長年の熱意に連帯感を覚えるし、彼らはクラブへの忠誠と格式の模範であり、私は常に感謝している。彼らの多大なる協力がなければ、現在の素晴らしい新しいサン・マメススタジアムの建設も、熱狂的なスタンドの創設も、そしてクラブを成長させ続けるための現行のクラブ規約の成立も、決して実現しなかっただろう』
と、歴代会長たちの貢献を称えました。
その上で、問題となっている招待席の廃止については、
『サン・マメスの招待について言えば、私には誰の招待も必要ない。私は30年前から自分でお金を払い、自分の席で試合を観戦している。ただ、これまでのクラブは、過去の多大な仕事と多大な貢献を認めてその席を用意してくれているのだと思っていた。しかし、一部の者たちにとっては、それだけでは十分ではなかったのだろう。これこそが、彼らの言う新しい時代なのだろう』
と、伝統や過去の功績を軽視する現体制への強い不快感と皮肉を指示しています。
(via Mundo Deportivo)
【テルジッチ監督による「左利き粛清」
エディン・テルジッチ監督がこの夏に行った大改革により、アスレティックのスカッド構造に驚くべき偏りが発生しています。
過酷な夏の移籍市場が閉幕した結果、トップチームに残された左利きの選手はわずか「3名」のみという、極端な右足重視(右利きだらけ)の陣容となりました。
現在、チームに在籍する純粋な左利きはアイメリク・ラポルテ、ユーリ・ベルチチェ、そしてニコ・セラーノの3名のみ。
このうちラポルテとユーリはチームの「絶対的スタメン」として確固たる地位を築いていますが、3人目の左利きであるニコ・セラーノについては、テルジッチ監督の構想外となっています。
この偏ったスカッドは、夏の市場における意図的な「左利きの大放出」の結果です。
この数ヶ月だけで、アスレティックは実に8名もの有望な左利き選手を放出しました。
まず、ウナイ・ゴメスがイタリアのウディネーゼへ、ミケル・ベスガがアルメリアへそれぞれ完全移籍で旅立ち、さらに守護神のジュレン・アギレサバラはラシン・サンタンデールへと完全移籍。
さらに移籍最終日に急遽ウエストハムへのローン移籍が決定した若き左SBアダマ・ボイロに留まらず、イボン・サンチェスがカディス、快速アタッカーのエリヤ・ギフトがエイバル、デ・ルイスがギリシャのAEキフィシア、ブジャンがフェロルへと、軒並みチームを去っていきました。
この結果、左サイドバックのバックアップすら実質的に右利きがカバーせざるを得ないなど、ピッチの各エリアで極端な右足依存のプレースタイルが求められるという、戦術的な課題も浮き彫りになっています。
(via Mundo Deportivo)
【ニコ・セラーノの逆境と奇妙な希望
チームに残された数少ない左利きでありながら、エディン・テルジッチ監督の構想から完全に外れてしまっているニコ・セラーノ。
スペイン国内の移籍市場はすでにシャッターを下ろしたため、彼は少なくとも来年1月まではアスレティックで飼い殺し状態になるかと思われました。
しかし、彼にはまだギリギリのところで新天地への脱出ルートが残されています。
ラ・リーガの選手登録ウインドウは閉じたものの、ポルトガル、トルコ、ギリシャなど一部の欧州リーグではまだ移籍市場が開いています。
これらの国々のクラブがニコ・セラーノを再びレンタルで獲得するために、最後の獲得交渉を仕掛けてくる可能性が残されています。
選手本人は、移籍が不調に終わったことでアスレティックに留まり、
『テルジッチ監督のこれまでの考えを覆し、自分の実力を認めさせてみせる』
という強いモチベーションを抱いていますが、そのハードルは極めて高いのが現実です。
市場閉鎖間際までチャンスをうかがう他国のクラブからのアプローチが実を結ぶか、セラーノの去就は本当に最後の瞬間まで予断を許しません。
(via ElDesmarque)
【週末のアトレティコ戦への最新練習レポート
アスレティック・ビルバオは水曜日、サン・マメスにアトレティコ・マドリードを迎える大一番に向けて、今週2回目となる練習セッションを実施しました。
怪我人の発生で中盤のやり繰りが懸念されていたテルジッチ監督ですが、朗報が届いています。
前節を軽い筋肉トラブルのために欠場していたベニャト・プラドスが、無事に完全復活を果たし、全体練習のグループへ合流しました。
プラドスはバルセロナ戦とセルタ戦を欠場していたため、彼の復帰は中盤の守備強度を大きく高めるはずです。
また、有望株のペイオ・カナレスが左足のヒラメ筋に中度の負傷を負い、約1ヶ月の戦線離脱を余儀なくされたことを受け、テルジッチ監督はすぐさまカンテラ(Bチーム)から有能な司令塔セルトン・サンチェスをトップチームへと再昇格させ、練習に参加させています。
一方、守備陣では懸念が続いています。
不動のセンターバックであるダニ・ビビアンは、プレシーズン初頭に発症した右脚の長内転筋における腱付着部負傷の痛みが引かず、いまだに別メニューでの調整が続いており、アトレティコ戦の欠場がほぼ確実視されています。
それでも、前日の練習で負荷を調整していたアイメリク・ラポルテとアレックス・ベレンゲルの2人は、水曜日には通常通りの強度で完全にセッションを消化。
さらに先週に引き続き、BチームのDFイケル・モンレアルも練習に帯同しており、守備のバックアップ要員としていつでもスクランブル発進できる構えを見せています。
(via ElDesmarque)
【2026-27シーズン(1月まで)の確定25名スカッド
夏の慌ただしい移籍市場が完全に幕を閉じ、エディン・テルジッチ監督が2027年1月の冬の市場が開幕するまでの間、運命を共にするアスレティック・ビルバオの「最終登録メンバー25名」が確定しました。
監督の本来の好みからするとやや大所帯なスカッドとなったものの、ほとんどのポジションで健全な競争が行われる、質の高い陣容となっています。
その全貌は以下の通りです。
【ゴールキーパー(GK)】
ウナイ・シモン、アレックス・パディージャ
【右サイドバック(RSB)】
イエス・アレソ、ウーゴ・リンコン。さらにヨハネコもこの位置で起用可能です。
【センターバック(CB)】
イェライ・アルバレス、アイメリク・ラポルテ、ダニ・ビビアン、アイトール・パレデス
【左サイドバック(LSB)】
ユーリ・ベルチチェ、ヨハネコ・ルイ=ズバジャル(バヨンヌ出身の、今季唯一トップチームに残留したBチーム出身選手)
【セントラルミッドフィルダー(ボランチ)】
ベニャト・プラドス、イニゴ・ルイス・デ・ガラレタ、ミケル・ハウレギサール、ウナイ・レゴ、ベニャト・ヘレ。さらに、ここに怪我からの復活を目指す若きペイオ・カナレスが加わります。
【右ウイング/アタッカー】
イニャキ・ウィリアムズ、ロベルト・ナバロ、そして昨季カタールのアル・ガラファからレンタル復帰したアルバロ・ジャロ。
【左ウイング/アタッカー】
ニコ・ウィリアムズ、アレックス・ベレンゲル、そしてニコ・セラーノ。なお、前線の2列目の選手たちは、両サイドのポジションを状況に応じて自在に入れ替えることが可能です。
【フォワード(トップ)】
ゴルカ・グルセタ、マロアン・サハル。また、テルジッチ監督は、先日のセルタ戦で見せたように、キャプテンをこのトップの位置へコンバートして戦う戦術オプションも持っています。
さらに、不測の事態に備えて、ラ・リーガに「トップチーム特別枠」として事前登録されたBチームの有望株4名(GKミケル・サントス、DFイケル・モンレアル、MFセルトン・サンチェス、FWイェライ・ヒエロ)も、いつでもトップチームのピッチへ送り出す準備が整っています。
(via Mundo Deportivo)
【新天地で闘志を燃やす若き獅子たち
アスレティック・ビルバオの選手層スリム化に伴い、急展開で新天地へと旅立っていった選手たちが、それぞれのクラブで第一歩を踏出し、熱い決意を語っています。
特に大きな衝撃を与えたのが、移籍最終日に急転直下でイングランド2部チャンピオンシップのウエストハムへのローン移籍が決定した左サイドバックのアダマ・ボイロです。
背番号18を背負うことになった24歳のセネガル生まれパンプローナ育ちの若武者は、入団発表の場で、
『私はここにいられることに本当に興奮しており、とても幸せです!素晴らしい名門クラブに加わることができたので、早く試合に出たくてたまりません。目の前にある挑戦をとても楽しみにしています。ウエストハムはプレミアリーグへの昇格を本気で狙う素晴らしい野心的なチームであり、私の強いメンタリティ、燃え盛る闘志、そして懸命なハードワークが、チームメイトを助け、クラブの目標達成に大きく貢献できると信じています』
と、並々ならぬ情熱を語っています。ウエストハム側も、
『我々は彼の動向を以前から非常に注意深くスカウティングしており、チームの守備構造に完璧にフィットする才能だと確信している』
と、大きな期待を寄せています。
また、同じくエスパニョールへのローン移籍(一定の条件達成で義務化される買取オプション付き)が発表されたDFアンドニ・ゴロサベルは、
『とにかく早くエスパニョールのユニフォームを着てデビューを飾りたい。新天地のために自分の持てる力すべてをピッチに捧げるつもりだ』
と意気込みを口にしており、彼自身の挑戦に向けた姿勢を見せています。
さらに、2部エイバルへとローン移籍した20歳の快速左ウイング、エリヤ・ギフトは、
『エイバルはとても健全で大きく、強烈な野心を持ったクラブだ。その野心に一人のフットボーラーとして非常に強く惹きつけられた。それがここを選ぶ決定打になった。エイバルでは、自分のスピードと力強さを生かし、試合の流れを一人で変えられるような決定的な仕事をする選手になりたい』
と、力強く意欲を語りました。ギフトにとっては、昨季までビルバオ・アスレティックで信頼を寄せていたジョキン・アランバリ監督と再会できたことも、新天地で輝く大きな後押しとなっています。
なお、ウナイ・ベンセドールについては、他メンバーのようなローンではなく、「アスレティックとの契約を双方合意で正式に解除」した上で、ブルゴスへと完全移籍していることが明らかになっています。
(via Mundo Deportivo)
【本日の総括】
移籍市場の閉幕に伴い、テルジッチ監督率いる25名の戦闘スカッドが完全に確定した一方で、ウリアテ会長への選手会の不満や、歴代会長によるスタジアム招待席廃止への反発など、クラブの根幹を揺るがす制度改革や対話不足からくる「ピッチ外の確執」が急速に表面化しています。アトレティコ戦での勝利に集中するためにも、今週の会長と選手、そして元会長たちとの話し合いの行方が、クラブの未来と一枚岩の連帯感を大きく左右することになりそうです。
