移籍市場閉幕!補強ゼロの失望とフロントへの高まる批判
ついに今夏の移籍市場が閉幕しました。しかし、最終日のバレンシアに「駆け込み補強」という奇跡は起きず、新たな戦力を補強できないまま終わりを迎えました。フットボールCEOのロン・グーレイは夜10時に、ゼネラル・ディレクターのハビエル・ソリスはそれより1時間早い夜9時に、メディアに対して一切の発言を拒否したままオフィスを去り、クラブ本部の4階の明かりは静かに消されました。
振り返れば、7月にカルロス・コルベラン監督との契約延長を発表した際、クラブは『現在と未来を見据え、バレンシアを本来あるべき場所に戻し、より高い目標のために戦う、競争力があり安定的で強力なプロジェクトを構築する』と約束していました。しかしそれから2ヶ月、この言葉がただの空約束であったことが市場の閉幕によって完全に証明されました。
メスタージャでの最終シーズンという節目の年に、ヨーロッパ復帰を掲げながらも、親会社メリトンが動かした移籍金はわずか900万ユーロに過ぎません。その大半はアルナウ・マルティネスの500万ユーロと、佐藤龍之介の400万ユーロの2件の完全移籍のみに使われました。あとはフリーで獲得したギド・ロドリゲス、ユスティン・デ・ハース、アリュー・ディエン、そしてローンでのハーヴェイ・エリオット、パブロ・マフェオ、ケイン・ファン・ウーフェレンの3人に留まります。
最終日にディエゴ・ロペスの登録抹消とアンドレ・アルメイダの放出によって「2つのフリー登録枠」を確保していたにもかかわらず、その枠をただ浪費したフロントの計画性のなさに、サポーターからは怒りと諦めの声が噴出しています。(via SPORT)
ドゥクシュ獲得の電撃破談!原因はクラブの遅れと飲酒運転問題
負傷したサディクの代役として白羽の矢が立っていたのが、イングランド2部バーミンガム・シティに所属する32歳のドイツ人FWマーヴィン・ドゥクシュでした。買い取りオプションなしの期限付き移籍で、選手本人とも合意に達して契約は時間の問題とされていましたが、最終日の午後に交渉が急遽、破談に終わりました。
破談の主な理由はバレンシア側の手続きの遅れです。バーミンガム側は、サウサンプトン戦のキックオフを控えていたため午後早い時間までの取引完了を望んでいましたが、バレンシアが最終決定を遅らせたことで、イングランド側が時間切れとして交渉を打ち切ってしまいました。
そしてこの遅延を引き起こした裏には、ドゥクシュの素行問題がありました。彼は今年4月に現地で飲酒運転による物損事故を起こし、1万6000ポンドの罰金処分を受けていたことが直前に判明したのです。スポーツ面ではCEOのロン・グーレイらが強く獲得を推薦していたものの、バレンシア上層部がこのスキャンダルを重く見て、最終決定を躊躇してしまいました。ドゥクシュ本人は移籍できなかったことに非常に不満を感じているものの、結果としてバーミンガムへの残留が決まりました。(via Mundo Deportivo)
レバンテのFWエヨンへの超・無謀な緊急打診とその顛末
ドゥクシュとの交渉が決裂したバレンシアは完全にパニックに陥り、すぐさま近隣のライバルであるレバンテUDに連絡を取り、カメルーン人FWエッタ・エヨン(22歳)の獲得を打診しました。
しかし、レバンテ側は保有権の100%譲渡に2000万ユーロというバレンシアには到底不可能な高額な移籍金を要求。さらに、このタイミングで直接的なライバルチームを強化したくないという姿勢も崩さず、交渉は最初から成立不可能なまま霧散しました。
実は、エヨンとバレンシアには前年からの因縁がありました。2025年夏、当時ビジャレアルに所属していたエヨンに対し、バレンシアは600万ユーロのオファーを提示しましたが拒否され、そのわずか2日後に彼は300万ユーロでレバンテへ移籍してしまいました。すでにその実力を把握していながらも、最終日のパニックから出たこの泥縄式のアプローチは、クラブの無計画さを露呈させる結果となりました。(via ElDesmarque)
新星エリオット正式発表!ダビド・シルバへの憧れとDJの趣味を明かす
リヴァプールからの買い取りオプションなしの1年間のレンタル移籍で正式加入した23歳のハーヴェイ・エリオット。月曜日にマニセス空港に降り立ち、火曜日には無事にメディカルチェックをクリアして選手登録を完了しました。
バレンシアでは今季、地元のアイデンティティをアピールする「Terra de Valentia(勇気の地)」をスローガンに、市内各所の地域で新加入選手のお披露目動画を撮影するキャンペーンを実施しています。エリオットは、広大な農地や自然豊かな湿地帯が広がる「Pobles del Sud(南部の村々)」地区で動画撮影が行われました。
エリオットは公式メディアで、非常に明るく誠実なインタビューに応じ、かつてメスタージャを沸かせたレジェンドへの熱い憧れを語りました:『バレンシアは計り知れない歴史を持つ素晴らしいクラブです。かつてダビド・シルバやダビド・ビジャといった驚くべき選手たちがここでプレーしました。特に私はダビド・シルバのパフォーマンスやプレースタイルが大好きで、心から憧れていました。彼のような高いレベルに達することができたら最高ですね。でも同時に、今シーズンこのクラブで自分自身のストーリーを築き上げたいと思っています。何としてもチームを助けてヨーロッパの舞台に戻したい。サポーターにはその舞台を楽しむ権利がありますから』。
さらに、現在リヴァプールへの移籍が決定したギオルギ・ママルダシュヴィリからも移籍前に素晴らしいアドバイスを受けたと言います:『ギオルギが、バレンシアのファンは信じられないほど熱狂的だと教えてくれました。チームの状況が良くない時でも最後まで寄り添い、勝った時にはこの上ないエネルギーをくれる最高のサポーターだと。街も素晴らしいと太鼓判を押してくれたので、早く自分の肌で体験したいです』。
カルロス・コルベラン監督とも事前にかなり長い電話会談を行い、良好な関係を確信しているとのこと。また、プレースタイルについては『創造的なプレーメイカーとして、アシストやゴールで攻撃を活性化させたい』と意気込んでいます。
スペインのまばゆい気候についても『イギリス人はすぐに日焼けして真っ赤になってしまうので、日差しには十分に注意します』とジョークを飛ばしました。さらに趣味の話題では、『音楽が大好きで、家にはDJ用ターンテーブルもあります。時々自分でDJをやってリラックスしているんですよ。それに、2匹の愛犬、彼女、家族と過ごす時間も何より大切にしています。サッカーは非常に激しい世界なので、プライベートでスイッチを切り、大切な存在と過ごすことが重要なんです』と、ピッチ外での素朴な一面も見せてくれました。(via ElDesmarque)
アルメイダが昇格組のレーシング・サンタンデールへ電撃ローン移籍
かねてより去就が注目されていたポルトガル人MFアンドレ・アルメイダ(26歳)が、今季ラ・リーガに昇格したレーシング・サンタンデールへ1年間のレンタル移籍をすることが正式に決定しました。買い取りオプションは付随していません。
アルメイダは今夏、スウォンジー・シティへの移籍話を拒否し、以前から興味を示していたセルタ・ヴィーゴへの移籍を望んでいました。しかし、セルタ側の無料レンタル要求をバレンシアが一蹴したことで破談となり、最終的に年俸を全額負担する形でレーシング・サンタンデールへ加わることになりました。
バレンシアでの4シーズンで119試合に出場し、4ゴール13アシストを挙げるなど貢献してきましたが、コルベラン監督の戦術プランからは外れていました。新天地では、昨季バレンシアで共闘したGKジュレン・アギレサバラと再びチームメイトになります。クラブは彼のこれまでのプロ意識に感謝を述べ、新天地での健闘を祈っています。(via Mundo Deportivo)
サディクは右ハムストリング断裂で全治2ヶ月以上の重傷と判明
前節のデポルティーボ戦で負傷退場したナイジェリア人FWウマル・サディクですが、精密検査の結果、最悪の診断が下されました。公式のメディカルレポートによると、「右足大腿二頭筋(ハムストリング)の断裂」が確認されました。
これにより、サディクは最低でも2ヶ月以上の離退が確定しました。回復状況次第ではさらに長引く恐れもあり、11月の代表ウィークまで実戦復帰は難しいと見られています。
今後行われるバルセロナ、セビージャ、アラベス、レアル・ソシエダ、レーシング・サンタンデール、アスレティック・ビルバオ、ビジャレアルといった重要な10試合近くを欠場することになり、チームの攻撃力不足に拍車がかかるのは避けられません。サディク本人はこの過酷な運命に深く傷ついており、SNS上で『神よ、私に最善のものを与えてください。主よ、あなたが私に送ってくださるどのような恵みに対しても、私はそれを必要としています』と、神に祈りを捧げるメッセージを発信しました。(via Superdeporte)
構想外のダニ・ラバが奇跡の残留、サディクの怪我で巡る好機
コルベラン監督から明確に「構想外」と告げられ、夏の間ずっと売却先を模索していたFWダニ・ラバ。
120万ユーロという彼の高額な年俸が大きな壁となり、関心を示していた2部のオビエドは獲得を断念。レガネスやジローナなども獲得を検討していましたが、レガネスが急遽アルバロ・モラタを獲得したことで選択肢が失われ、結局のところ最終日まで移籍先は見つかりませんでした。
バレンシアとラバの契約は2027年まで残っており、クラブとしては高給カットを狙っていましたが残留。しかし、今回のサディクの重傷により、前線の選手層が致命的に薄くなったため、コルベラン監督としてもラバを「補助的な戦力」として起用せざるを得ない状況になりました。チャンスは少ないかもしれませんが、ピッチ上で失われた信頼を取り戻すまたとない機会になるかもしれません。(via ElDesmarque)
アカデミー強化でセネガルの18歳新星FWアブドゥ・サラムを獲得
バレンシアCFは、下部組織である「アカデミーVCF」の将来の戦力として、セネガル国籍の18歳フォワード、アブドゥ・サラムの獲得を公式に発表しました。
サラムはセネガルの首都ダカールを本拠地とする「Be Sport Academy」の出身で、まずはバレンシアのフベニールA(U-19相当)のチームに合流します。国際的な有望株をいち早く発掘し、将来のトップチーム昇格を見越した長期的な育成プランの一部としての獲得です。(via SPORT)
カンテラの守護神アライン・ゴメスがU-20アルゼンチン代表に選出
バレンシア・メスタージャで好パフォーマンスを見せている19歳のGKアライン・ゴメスが、9月12日から26日にかけてアルゼンチンのロサリオで開催される南米競技大会に向けたU-20アルゼンチン代表に招集されました。
テネリフェで生まれたゴメスは、ベネズエラ人の父とアルゼンチン人の母を持つトリプルナショナルで、3つの国全ての代表から打診を受けていましたが、本人は一貫してアルゼンチン代表でのプレーを望んでいました。
面白いことに、彼は5歳になるまでフォワードとしてプレーしていました。GKに転向した当時の様子を、彼の母親は『かつての破天荒な名GKウーゴ・ガッティとエルマン・ブルゴスを混ぜ合わせたような選手で、頭をポストにぶつけることも恐れないような、怖いもの知らずの子供でした』と語っています。憧れの存在はバレンシアで知り合ったママルダシュヴィリであり、彼の背中を追って欧州最高峰のGKになることを夢見ています。(via Superdeporte)
満身創痍で挑むバルサ戦!怪我人続出で若手主体の予想スタメン
開幕から1分2敗と最悪の船出を切り、早くも降格の危機に怯えるバレンシアは、今週末の9月6日(日)16:15からホームのメスタージャで首位FCバルセロナを迎え撃ちます。
カルロス・コルベラン監督にとって自身の去就がかかる正念場ですが、チームの怪我人リストは増え続けています。コペテやディエゴ・ロペスという長期離脱組に加え、デ・ハース、ギド・ロドリゲス、そしてサディクが相次いで戦線離脱。さらにアルメイダが退団したことで中盤から前線のやりくりが非常に難しくなっています。
現在メディアが予想するスタメンは以下の通りです。
GK:ディミトリエフスキ
DF:ガヤ、タレガ、ディアカビ、アルナウ
MF:Maffeo、ペペル、ウグリニッチ、ハビ・ゲラ
FW:佐藤龍之介、ウーゴ・ドゥロ
新加入のエリオットはコンディション調整のためベンチスタートになる公算が大きいですが、チームの緊急事態を救うべく、早くもピッチに立つ可能性があります。(via Superdeporte)
元所属コバ・コインドレディがスイスのローザンヌへ完全移籍
かつてバレンシアのBチームなどに在籍したフランス人MFコバ・コインドレディ(24歳)が、 Sporting CPからスイスのローザンヌ・スポルトへ完全移籍しました。3年契約を結んでいます。
スポルティングでは構想外となり、合宿メンバーから外されてBチーム送りにされるなど非常に辛い夏を過ごしていましたが、昨季もプレーしたローザンヌで正式な移籍先を確保し、新たなキャリアのリスタートを切ることになりました。(via SPORT)
【本日の総括】
バレンシアにとって今夏の移籍市場最終日は、フロントの無計画さと対応の遅さがすべてを台無しにする、極めて苦々しい結果に終わりました。サディクの重大な負傷もあり前線は圧倒的な駒不足ですが、獲得交渉の泥縄的な失敗は言い訳の余地がありません。しかし、その中でもハーヴェイ・エリオットという若き才能の加入や、アカデミー・カンテラの明るい兆し、そしてチャンスを得るかもしれない残留選手たちが、この閉塞感を打破してくれることを信じるしかありません。次戦のバルセロナという強敵を前に、メスタージャの団結力が試されています。
