LALIGA Hypermotion(リーグ共通)

今季、2部リーグのサラリーキャップ制限総額は「2億2030万ユーロ」に設定(1部は27億9900万ユーロ)されましたが、クラブの戦略を大きく変える「13の歴史的ルール改定」が今夏から全面適用され、各クラブのフロントの動きに劇的な柔軟性をもたらしています。

最も注目されるのが、1クラブにつき毎シーズン1選手に限り適用できる「ワイルドカード(carta comodín)」制度です。これにより、ラ・リーガの財務監査機関(バリデーション)が算出する「市場価値査定(実際の契約額と乖離がある場合にお仕置き的にサラリーキャップを圧迫する査定)」を完全に無視し、実際にクラブと選手が合意した給与額のまま登録することが可能になりました。

また、36歳以上のベテラン(38歳以上のGK)が大幅な減給を受け入れて加入する場合に、ラ・リーガが「不正な財務偽装」とみなしてペナルティを課すルールが廃止されました。さらに、カンテラ(育成部門)や女子チームへの支出(最大200万ユーロまで、株主からの資金補填がある場合)はサラリーキャップの計算から完全に除外され、トップチームの補強予算を圧迫しなくなりました。

加えて、1月の冬の市場で選手を売却して得た売却益(プラスバリア)を、冬に使わずに夏の市場まで「温存(hibernar)」して夏に使える新ルールも登場。これらの改定により、オビエドやスポルティング、カディスなどの各クラブは、かつてないほど巧妙なマネーゲームを繰り広げながら、市場閉幕の瞬間を迎えようとしています。 (via SPORT)

【本日の総括】

移籍市場の閉幕が明日の深夜に迫る中、ラ・リーガ・ハイパーモーションの勢力図はまさに「ピッチ内外の総力戦」の様相を呈しています。

ピッチ内では、本日行われるブルゴス対ソシエダB、カステリョン対セルタBという、2部特有の「インテンシティと若さ、因縁が交錯する」2試合が順位表の序盤戦を大きく揺るがすでしょう。特にサバデルのフオリが体現するような「個の残留と献身」が、昇格組に旋風をもたらす原動力となっています。

しかしそれ以上に重要なのが、今季から導入されたサラリーキャップの新ルール改定(ワイルドカードやベテラン優遇、プラスバリアの温存)です。オビエドやエルチェ、エイバルといった野心的なクラブは、この柔軟な新規則を武器に、イリッチの放出やアフェングルーバーの引き留め、若きギフトのインセンティブ契約など、限界ギリギリのパズルを解こうとしています。

その一方で、カディスの「純資産激減と身売り疑惑」のような、2部特有の過酷な財政構造が生み出す歪みも無視できません。残り数十時間、1本の電話、1件のメディカルチェック、1通のCSDへの申し立てが、今シーズンの昇格・降格、そしてクラブそのものの存続を大きく左右することになります。