スタジアム問題と選手の声明
マドリード州政府による監査の結果、火災安全、電気設備、衛生面、一般的な維持管理に関する深刻な安全上の欠陥が見つかり、バジェカス・スタジアムの利用許可が一時的に停止された。マドリード州の文化・観光・スポーツ担当大臣であるマリアノ・デ・パコ・セラノは『監査の結論は驚くべきものであり、破壊的であった。何も起こらないと保証することはできない』と状況の深刻さを説明している。
州政府の技術者と作業員が2日連続でスタジアムへの立ち入りを拒否され、鍵の引き渡しやアクセス手段の提供も行われなかったため、公証人立ち会いのもとでその事実が記録され、州政府はクラブを告発する事態に発展している。一方、クラブ側はファンを危険にさらさずに試合が開催できることを証明する書類の準備を進めている。
修復工事には2〜6ヶ月かかると見られており、第2節のアラベス戦(8月20日)や第4節のラシン・サンタンデール戦がホーム開催できなくなるリスクが高い。バジェカスでの開催が認められない場合、ラージョは緊急の代替スタジアムとして約240km離れたブルゴスにあるエル・プランティオを使用することを決定した。これまでにアルバセテのカルロス・ベルモンテ、バジャドリードのホセ・ソリージャ、レガネスのブタルケも候補に挙がった。特に近場のブタルケが最も快適な選択肢として有力視されたが、レガネスとの交渉はまとまらず、またバジャドリードに関してもスタジアムの改修工事のため開幕戦での使用が不可能であるなどの理由で実現しなかった。
ファンはシーズンチケットが約15%値上げされたことや、ブルゴスでの代替開催による移動費やスケジュールの負担に強く反発しており、ペーニャ(ファンクラブ)連合などの様々な団体はチケット販売キャンペーンの停止と返金を求めている。
この事態を受け、ラージョの選手たちはキャプテンのオスカル・バレンティンを通じて声明を発表し、クラブと州政府を強く批判した。
『まずは、我々のスタジアムで、我々の人々と共にバジェカスでプレーし続けたいという願いと意志を表明したい。我々全員にとって、ファンの前でホームとして戦うことは、このユニフォームを着ることの根本的な意味の一部だ。何年も前から、ファンはビデオ、写真、そして数々の証言を通じて、スタジアムの老朽化を訴えてきた。長い間、これらの警告はマドリード州やラージョ・バジェカーノからふさわしい注意を向けられなかった。今日、我々はその結果に直面している。老朽化したスタジアム、時代遅れの設備、そして明らかに不十分なメンテナンスが、決して起こるべきではなかった状況へと我々を導いた。これは突然起きたことではなく、避けられたはずのことだった。我々が求めているのは、競争を続け、このエンブレムを誇りを持って代表するための安定と平穏だけだ。解決策を見つける責任がある人々が、ラージョ・バジェカーノと全ての人々の利益だけを考えて行動してくれると信じている。ラージョ・バジェカーノは100年以上の歴史を持つ機関であり、何よりも尊重されるべきだ。我々にとってファンはこのクラブの最も重要な財産の一つであり、内部から、経営陣とファンとの調和が良い方向へ向かうことを心から願っている。我々は過去に何度も示してきたように、常に共通の利益を追求し、バジェカスの炎が消えることのないよう願う、健全でこの地域に献身的なチームだ』
また、元ラージョの選手・監督であり現在アヤックスを率いるミチェルもこの問題に言及し、『バジェカス出身者として、ラージョファンとして、我々はこんな目に遭うべきではないと思う。経営は最悪だ。無責任であり、経営能力の欠如が明らかだ』と怒りを露わにしている。
(via Estadio Deportivo, Esport3, ElDesmarque, MARCA)
プレシーズンマッチ情報
ヨーロッパツアーを行っているラージョは、ベルギーのスタッド・デュ・ペイ・ド・シャルルロワにて、7月22日(土)19時からシャルルロワとのプレシーズンマッチに臨む。
直近のロッテルダムでのフェイエノールト戦では、激しい嵐の中で行われた激闘の末に1-2で敗れている。フェイエノールト戦でのラージョの唯一のゴールは、ホルヘ・デ・フルートスとアルバロ・ガルシアの優れた攻撃の連携から生まれたものだった。
ベニャト・サン・ホセ監督率いるチームは、このシャルルロワ戦でチームの仕上がりをさらに一段階引き上げることを目指している。スタジアム問題でクラブフロントが揺れる中、選手たちはピッチ外の問題から距離を置き、芝生の上でのプレーに集中している。コーチングスタッフも選手の負荷を適切に分散させながら、戦術的なバリエーションをテストして調整を続けている。
なお、このシャルルロワ対ラージョの一戦は、現時点でテレビ放送やストリーミング中継の予定は確認されていない。
(via MARCA)
移籍・契約情報
今夏の移籍市場におけるラージョ・バジェカーノのここまでの支出は500万ユーロ、収入は0ユーロで、収支はマイナス500万ユーロとなっている。
加入選手は2名で、ベティスから350万ユーロでノーベル・メンディ、カステリョンから150万ユーロでホシュア・フェルトロウを獲得した。
一方、退団選手は4名で、オスカル・トレホ、ミゲル・アンヘル・モロ、アルフォンソ・エスピノ、アブドゥル・ムミンがそれぞれフリーでチームを去った。
しかし、ベティスから獲得したばかりのノーベル・メンディに関して驚きの移籍が発生した。クラブは彼をハル・シティへ2000万ユーロという高額で即座に売却することになった。この移籍に伴い、メンディの権利の20%を保有していた古巣ベティスには400万ユーロの固定額が入り、全ボーナス条件が満たされれば最大500万ユーロの収入をもたらすことになった。
このメンディの想定外の退団による守備の穴を埋めるため、ベニャト・サン・ホセ監督はセルタのウナイ・ヌニェスのローン移籍での獲得をクラブに要請しており、現在その動向が注目されている。ウナイ・ヌニェスにはオサスナやバレンシアも関心を寄せている。
さらに、ラージョはレアル・サラゴサに所属するアドリアン・リソの獲得についても問い合わせを行っているが、セビージャやアラベス、マジョルカと同様に、サラゴサ側が要求する500万ユーロという移籍金には届いていない状況である。
(via SPORT, ElDesmarque)
開幕戦の対戦相手
ラ・リーガの開幕戦(第1節)において、ラージョ・バジェカーノはアウェイでセビージャと対戦する。セビージャはルイス・ガルシア・プラサ新監督の下、プレシーズンで調整を進めており、ラージョ戦に向けて十分な競争力を備えたチーム作りを行っている。
(via MARCA, Estadio Deportivo)
【本日の総括】
バジェカス使用停止というクラブの根幹を揺るがす事態に直面し、選手たちが異例の声明を発表する異常事態となっています。ピッチ外の騒動が続く中、チームはヨーロッパツアーでの調整を続け、獲得したばかりのメンディの電撃売却など移籍市場でも慌ただしい動きを見せています。