スロベニア代表DFヴァニャ・ドルクシッチの獲得正式発表と契約詳細
エスパニョールはゼニト・サンクトペテルブルクからスロベニア代表DFヴァニャ・ドルクシッチを期限付き移籍で獲得した。
このレンタル契約は2027年6月30日までの1年間であり、契約にはエスパニョール側が将来的に完全移籍で買い取ることができるオプションが組み込まれている。
現時点で、この買い取りオプションを実行するために必要な具体的な金額は公に開示されていない。
この取引形態により、新たにスポーツディレクターに就任したモンチは、移籍金を即座に支払う財政的リスクを回避しながら、国際的な経験を豊富に備えた一級品のセンターバックを確保することに成功した。
なお、所属元のゼニトは彼との契約を2029年まで残しており、エスパニョールはこれからのシーズンを通じて、彼がスペインのトップリーグにどれだけ適応できるかを慎重に見極める猶予を得ることになる。
ドルクシッチはすでにバルセロナでのメディカルチェックを滞りなく完了させており、マノロ・ゴンサレス監督の指揮下に入る準備を整えている。 (via Estadio Deportivo)
ギリシャ行き直前からの電撃強奪劇とモンチSDの電撃的な立ち回り
ドルクシッチの獲得劇は、移籍市場の最終盤における極めて電撃的な急展開によって実現した。
実は、彼はギリシャの強豪PAOKテッサロニキへの期限付き移籍が合意寸前まで迫っており、ギリシャ行きが確実視されていた。
しかし、そこにエスパニョールのスポーツディレクターであるモンチが率いる新しい魅力的なプロジェクトが急遽割り込んだことで、状況は一変した。
選手本人がギリシャへの移籍交渉を土壇場でストップさせ、世界最高峰のリーグであるラ・リーガで自らの力を試す挑戦を最優先に選択した。
この決断は、PAOKがヨーロッパリーグ予選でアンデルレヒトに敗れて敗退が決まったタイミングとも重なり、ドルクシッチの強固な意思がエスパニョールへの移籍を決定づける決定的な要因となった。
彼はセビージャやオサヌサといった他のラ・リーガのクラブからも関心を示されていたが、最終的にエスパニョールで成長し、成功を収める道を選んだ。
この迅速かつ見事な立ち回りは、モンチが描く補強戦略の質の高さと影響力を改めて証明するものとなった。 (via Mundo Deportivo)
新加入ドルクシッチが語る伝統あるクラブへの決意とプレースタイル
エスパニョールの一員となったドルクシッチは、移籍決定直後にクラブの公式メディアを通じてその胸中を熱く語った。
まず、自身の名前の発音についてユーモアを交えながら次のように説明した。
『私の名前は「ヴァニャ・デルクシッチ」と発音します。しかし、正直に言うとスロベニア国内でさえ正しく発音できない人がたくさんいるので、皆さんが発音を間違えてしまっても全く気にしませんし、十分に理解できます。だからこそ、ピッチの上で自分の持てるすべての力を表現し、素晴らしいパフォーマンスを見せることで、サポーターや周りの人々が私の名前を正しく覚えられるように全力を尽くします』。
さらに、自身のディフェンダーとしての特徴やプレースタイル、および新シーズンにかける決意について次のように明かしている。
『私はセンターバックを本職としていますが、状況に応じて他のポジションをカバーすることも可能です。ディフェンダーとしてはアグレッシブに戦うことを好み、対面するフォワードとのデュエルに競り勝ち、鋭いタックルでボールを刈り取るプレーが得意です。その一方で、足元でボールをコントロールし、味方に安全かつ正確なパスを繋いでビルドアップを開始することも重視しています。しかし、最終的にピッチで最も重要であり、唯一価値があるのはチームが勝利することです。チームメイトたちのレベルは非常に高く、優れたクオリティを備えていると感じています。エスパニョールにはスペインでも指折りの素晴らしいサポーターがついており、彼らは今シーズン、私たちの背中を押してくれる強力な「12番目の選手」になってくれると確信しています。私たちの使命は、日々のトレーニングからすべての公式戦において100%の力を出し切り、最高の結果を追い求めることです。その上で、シーズンの終了時に自分たちがどのような立ち位置に到達しているかを楽しみにしています』。
歴史と伝統あるクラブに加わった喜びと誇りを語り、RCDEスタジアムのサポーターの前でプレーすることを熱望している。 (via Mundo Deportivo)
ユーロ2024で飛躍したドルクシッチの波乱万丈なキャリア
26歳にして、ドルクシッチはすでにヨーロッパの5カ国でプレーし、プロ通算200試合近くに出場してきた極めて多彩なキャリアの持ち主である。
スロベニアのNKクルシュコやオランダのSCヘーレンフェーンの下部組織で育成され、イタリアのレンデでプロとしての第一歩を踏み出した後、母国のNKブラボへと移籍。
ここで公式戦70試合以上に出場して頭角を現した。
その後、ロシアのソチへと移籍して66試合に出場し4ゴールを記録する活躍を見せると、その高いポテンシャルが評価され、2024年にロシアの名門ゼニトが約400万ユーロの移籍金を支払って彼を完全移籍で獲得した。
ゼニト加入後はすぐにセルビアのレッドスター・ベオグラードへ期限付き移籍し、そこでチャンピオンズリーグの過酷な舞台を経験するとともに、セルビア国内のリーグ戦とカップ戦の2冠を達成。
ゼニト復帰後も、ロシアリーグ優勝とロシアスーパーカップ獲得という輝かしいタイトルをそのキャリアに刻み、昨季はゼニトでリーグ戦27試合、カップ戦5試合に出場してリーグ制覇に大きく貢献した。
彼の評価を決定づけ、ヨーロッパ中にその名を知らしめた最大の舞台が、今夏に開催されたユーロ2024であった。
スロベニア代表として全4試合に先発フル出場を果たし、デンマーク、セルビア、イングランドという強豪と同組になった極めて困難なグループステージを無敗で突破する歴史的な快挙に貢献。
ラウンド16ではポルトガルを相手に延長120分間にわたる死闘を演じ、最終的にPK戦の末に惜しくも敗れたものの、その強固な守備は世界中に強烈なインパクトを残した。
現在までにスロベニア代表として30キャップを数え、1ゴールを記録している。
身長1.88メートルに達する強靭な体躯を誇り、空中戦や身体をぶつけ合う対人コンタクトで無類の強さを誇るだけでなく、ディフェンスラインを高く設定した際にも、その傑出したスピードを活かして広大な背後スペースをカバーできる万能型のセンターバックである。 (via Estadio Deportivo)
守備ラインの大型補強完了とセンターバック陣のポジション争い
ドルクシッチの加入は、今夏のエスパニョールにとって5人目となる補強であり、これによりマノロ・ゴンサレス監督が率いる守備陣の再編とクオリティの底上げが大幅に進んだ。
クラブはこれまでに、アレックス・カラトラバ、クリンシー・ハルトマン、ガブリエウ・モスカルド、そしてセルタから獲得したウナイ・ヌニェスを迎え入れており、ドルクシッチの獲得は、守備組織のフィジカルレベルを大きく引き上げるというフロントの明確な意思表示でもある。
現在、チーム内のセンターバックのポジション争いは極めて高いレベルで激化している。
昨季限りで退団したカレロの穴を埋めるべく、新たに加わったウナイ・ヌニェスやドルクシッチに加え、チームの絶対的な重鎮でありリーダーシップを誇るレアンドロ・カブレラ、そして若いクレメンス・リーデルがスタメンの座をかけて争っている。
さらに、現時点ではミゲル・ルビオも在籍しているが、クラブは彼の他クラブへの売却に向けた交渉を最終段階に進めており、彼の放出が完了すればディフェンスラインの陣容が整理されることになる。
ドルクシッチは右利きでありながらディフェンスラインの左右どちらのポジションでも高い水準で機能し、緊急時には右サイドバックとしても起用可能であるため、指揮官にとって守備のバリエーションを広げる極めて貴重なマルチロールとなる。 (via Esport3)
開幕レバンテ戦の予想布陣とマノロ・ゴンサレス監督の戦術プラン
エスパニョールは8月16日の日曜日19時00分より、本拠地RCDEスタジアムにレバンテUDを迎えてラ・リーガの開幕戦を戦う。
昨シーズンはチーム崩壊の危機に直面しながらも、マノロ・ゴンサレス監督の執念によって土壇場で残留をもぎ取ったエスパニョールだが、今季は全く新しいエネルギーを注入されたプロジェクトとして臨む。
この初戦において、指揮官は4-2-3-1の戦術システムを採用してサポーターの前で勝ち点3を狙う構え。
先発予想メンバーは以下の通り。
ゴールキーパーには新守護神のマルコ・ドミトロヴィッチ。
ディフェンスラインは、右サイドバックにオマル・エル・ヒラリ、左サイドバックには下部組織出身のイノホと新戦力のクリンシー・ハルトマンが先発の座をかけて直前まで競り合っている。
中央のセンターバックはレアンドロ・カブレラの先発が確実視されており、その相棒を務めるポジションを巡って、新加入のウナイ・ヌニェスとクレメンス・リーデルが激しいスタメン争いを展開中。
ドルクシッチについては、ロシアからの夜行便によるバルセロナ到着が金曜日であったため、チームとの全体練習セッションをほとんど消化できておらず、開幕戦での即座の先発起用は極めて不透明であり、ベンチからのスタートが濃厚とみられている。
中盤のダブルピボットには、ウルコ・ゴンサレスとエドゥ・エスポジトが並んでゲームのコントロールを担う。
2列目の攻撃陣は、トップ下に昨季カステリョンで圧倒的なパフォーマンスを見せた新戦力のアレックス・カラトラバが君臨。
右サイドハーフはドランとジョフレが、左サイドハーフはハビエル・エルナンデスとペレ・ミジャがそれぞれ先発の座をかけて激しく火花を散らしている。
そして最前線の1トップには、新エースのロベルト・フェルナンデスが入る。 (via ElDesmarque)
ハビ・プアドらの負傷による攻撃陣の深刻な離脱状況
新シーズンの開幕に向けて守備陣の的確な補強が順調に進む一方で、チームの攻撃陣は極めて深刻な負傷トラブルに見舞われており、マノロ・ゴンサレス監督の頭を悩ませている。
チームの絶対的な大黒柱であり、前線での創造性と決定力を兼ね備えるハビ・プアドが、依然として膝の重い怪我からのリハビリプロセスを続けており、開幕戦のピッチに立つことはできない。
さらに前線の重要な得点源として期待されていたキキ・ガルシアについても、重大な負傷により復帰が12月頃までずれ込むことが確定しており、長期の戦線離脱を余儀入れられている。
この主要なアタッカー2名の不在という過酷な現実を受け、フロントは移籍市場が閉まるまでの残り2週間の中で、マノロ・ゴンサレス監督の要求を満たすために、前線の攻撃オプションをさらに補強するための「あと2、3の補強ピース」の獲得に向けて、市場での動きを継続させている。 (via ElDesmarque)
【本日の総括】
エスパニョールは、ギリシャ行き寸前だったスロベニア代表DFヴァニャ・ドルクシッチを電撃的に獲得し、懸案だったディフェンスラインの再編を極めて高いレベルで完了させました。モンチSDの手腕が光る補強により守備のインテンシティが大幅に向上した一方で、ハビ・プアドやキキ・ガルシアといった前線の主力の長期離脱による深刻な得点力不足への懸念は未だ解消されていません。8月16日に本拠地RCDEスタジアムで迎えるレバンテとのリーグ開幕戦は、指揮官マノロ・ゴンサレスにとって、新加入カラトラバら新たなタレントを擁した4-2-3-1の機能性と、サポーターの熱い後押しを背に、満身創痍の攻撃陣がどこまで躍動できるかを試される重要な初戦となります。
