アルナ・コネのレバンテでの奇跡的な大復活と17ゴールの輝き
かつてPSV Eindhovenで輝きを放ち、当時のセビリアFCの会長であったホセ・マリア・デル・ニド氏のもとで、クラブ史上最高額となる約1500万ユーロという巨額の投資で獲得されたコートジボワール人FWアルナ・コネ。セビリアでは、フレデリック・カヌーテやルイ・ファビアーノといった偉大なストライカーたちとともに豪華な攻撃陣を形成することが期待されていました。しかし、度重なる怪我や信頼不足から出場機会を得られず、4シーズンで公式戦わずか49試合、2ゴールという厳しい現実に直面しました。復活を期してドイツのハノーファー96へレンタル移籍したものの、そこでも結果を残すことはできず、2010-11シーズンにいたっては公式戦でわずか2分間しかピッチに立てないという屈辱的で最悪な時期を過ごしました。もはや復活は不可能と囁かれるなか、契約最終年に決まったレバンテへの不思議なレンタル移籍がすべての流れを変えました。当時のレバンテの指揮官フアン・イグナシオ・マルティネス監督が、すっかり自信を失っていたコネの能力を引き出す絶妙な起用法を発見。ピッチで再び生き生きとプレーし始めたコネは、リーグ戦34試合に出場して15ゴールを奪い、コパ・デル・レイでの2ゴールを含め公式戦合計17ゴールを叩き出す、キャリア屈指の素晴らしい大復活劇を演じました。(via Estadio Deportivo)
セビリアへの復讐劇と18ゴール目を拒んだ疑惑の膝負傷退団
この大活躍の裏には、後々まで語り継がれる奇妙なドラマが隠されていました。セビリアとの契約最終年だったコネに対し、保有元であるセビリアは『公式戦で18ゴールに到達した場合、自動的に契約を1年間延長する』という特殊な条項を挿入していました。シーズン前は到達困難と思われていた数字でしたが、コネがゴールを量産したことで状況は緊迫します。第35節には皮肉にもセビリアのホームであるラモン・サンチェス・ピスフアンで16点目を決め、古巣の欧州カップ戦出場権の夢を断ち切りました。続くグラナダ戦で17点目を記録した際、コネはユニフォームを脱いで喜びを爆発させ、イエローカードを受けて累積警告による出場停止処分を受けました。これで残り2試合となった段階で、自動更新となる18点目まであと1ゴールに迫りましたが、ここでコネの復讐が実行されます。突如として都合良く膝の痛みを訴えたコネは、残りの2試合をすべて欠場することを選択。これにより18ゴール目に到達することなくセビリアとの契約を満了させ、完全なフリーエージェントの身分を手に入れました。(via Estadio Deportivo)
フリー獲得から400万ユーロ売却へ繋げた超優良ビジネス
セビリアとの契約を延長することなく自由契約となったコネに対し、レバンテはすかさずアプローチを行い、移籍金ゼロでの完全移籍加入にこぎ着けました。かつて1500万ユーロもの大金で取引されたストライカーをタダで獲得できたことは、クラブにとって極めて大きな財産となりました。しかも、レバンテはこのタダで手に入れたエースを長く留めておくことはせず、2012-13シーズンが開幕する直前にイングランド・プレミアリーグのウィガンへと400万ユーロで売却。一銭も払わずに獲得した選手からわずか数週間で巨額の現金を生み出すという、クラブの歴史に残る超優良ビジネスを完遂しました。なお、コネはその後ウィガンからエバートンへと約700万ユーロで移籍し、イングランドの地でもその価値を証明し続けました。(via Estadio Deportivo)
偉大なストライカーの現役晩年と現在の静かな暮らし
プレミアリーグでの挑戦を終えた後、アルナ・コネはベルギーへと渡り、同国サッカーの下部カテゴリーでプレーを続けてプロサッカー選手としてのキャリアに静かに幕を下ろしました。すでに現役を引退しているコネは現在、現役時代の華やかなスポットライトやカメラのフラッシュから完全に離れ、自身の母国であるコートジボワールでサッカー界とは関わりを持たない静かで穏やかな生活を送り、同国で重要な影響力を持つ人物として過ごしています。かつて彼が18点目を決めていたら歴史はどう変わっていたのか、セビリアのサポーターは今でもその行方に思いを馳せています。(via Estadio Deportivo)
【本日の総括】
かつてレバンテで公式戦17ゴールを挙げ大復活を遂げたアルナ・コネのキャリアを特集。セビリアとの契約自動更新を回避するための意図的な欠場劇や、レバンテが成し遂げた移籍金ゼロ獲得から400万ユーロ売却への神がかり的なビジネスなど、今なお語り継がれる奇跡的なストーリーを振り返りました。