オサスナ 対 アル・アイン
試合サマリーと得点経過
2026年8月8日20時、オサスナの本拠地エル・サダールにて、ラ・リーガ開幕前最後となるプレシーズン親善試合が開催された。観客数7,220人を迎えたお披露目の一戦は、オサスナが0 -2でアル・アインに完封負けを喫する衝撃的な結末となった。得点者は前半45分のスフィアン・ラヒミ、そして後半73分のジョナタス・サントスである。
試合は湿ったピッチコンディションの中、ホームのオサスナが序盤からボールポゼッションを高め、ホン・モンカヨラ、ルベン・ガルシア、アイマル・オロスらを中心に主導権を握る立ち上がりとなった。しかし、15分を過ぎるとUAE王者アル・アインが徐々に守備のブロックを固めて試合のペースを掌握し始める。オサスナは28分にアイマル・オロスがチーム初となるシュートを放つも、アル・アインはすぐさまスフィアン・ラヒミの鋭いヘディングシュートで応酬した。
前半終了間際の45分、アル・アインが鮮やかなカウンターで試合を動かす。オサスナは後半頭からルイス・ミゲル・ラミス監督が3枠の選手交代を行い、途中出場のラウル・モロが左サイドから個人技で攻撃を牽引。クロスバーを直撃する強烈なシュートを放つなど打開を図るが、チーム全体の連動性を欠いた。すると73分、自陣でのビルドアップのミスから致命的な2点目を献上。終了間際の84分には頼みのラウル・モロが負傷退場するアクシデントも重なり、オサスナにとって課題が重くのしかかる一戦となった。
各得点シーンの詳細
- 0-1(前半45分:スフィアン・ラヒミ)ヴラディミル・イヴィッチ監督率いるアル・アインの中盤からの素早い縦パスが起点。前線の広大なスペースへ抜けたモロッコ代表のストライカー、スフィアン・ラヒミがボールを受けると、エリア内で対峙したオサスナのDFアレハンドロ・カテナを切れ味鋭いフェイントでかわしてシュートコースを創出。最後はGKセルヒオ・エレーラの近場であるニアポスト際へ落ち着いて流し込んだ。
- 0-2(後半73分:ジョナタス・サントス)オサスナの自陣深くでのビルドアップミスが起点。中盤でルーカス・トローが相手のハイプレスに晒されてボールを失うと、奪った途中出場のFWジョナタス・サントスが一気にスピードに乗って前線へ独走。カバーに入ったDFエンゾ・ボヨモの追走を振り切り、GKとの一対一を冷徹に制して決定的な追加点を奪った。
両チームのスタメンと交代
ホーム: オサスナ(4-2-3-1)
- GK: セルヒオ・エレーラ
- DF: イニゴ・アルギビデ、アレハンドロ・カテナ、ホルヘ・エランド、アベル・ブレトネス
- MF: ホン・モンカヨラ、イケル・ムニョス、ルベン・ガルシア、モイ・ゴメス、アイマル・オロス
- FW: アンテ・ブディミル
主な交代・変更:
- 46分: ホルヘ・エランド → エンゾ・ボヨモ、ルベン・ガルシア →ラウル・モロ、アンテ・ブディミル → ラウル・ガルシア・デ・ハロ
- 64分: イケル・ムニョス → キケ・バルハ、ホン・モンカヨラ →ルーカス・トロー、モイ・ゴメス → ジョナタン・ドゥバシン、アイマル・オロス →オサムベラ
- 73分: イニゴ・アルギビデ → ケパ
- 84分: アベル・ブレトネス → アシエル・ボネル、ラウル・モロ →マルク・サントス(※負傷による緊急交代)
アウェイ: アル・アイン(4-4-2)
- GK: カリド・エイサ
- DF: ラファエル・ベラ、ベン・カレク、ラトニク、アダマ・トラオレ
- MF: アレハンドロ・ロメロ、セサル・パラシオス、ラビア、ニアン
- FW: エル・フセイン・ラヒミ、スフィアン・ラヒミ
主な交代・変更:
- 後半途中出場: ジョナタス・サントス、ヨルゲンス、スココ、アバアス、ヤクマキス、ジュニオール、ラザロ、シュリックマン、マイア
- 73分: ジョナタス・サントス(途中出場から追加点を記録)
戦術・采配のポイント
オサスナのルイス・ミゲル・ラミス新監督は、4-2-3-1の布陣でボール保持率を高めてゲームをコントロールする戦術的意図をもって臨んだ。立ち上がりこそホン・モンカヨラやアイマル・オロスらのパス交換からリズムを作ったものの、アル・アインの強固なブロックに捕まると攻防が停滞。試合を通じて枠内シュートがわずか1本にとどまるなど、攻撃のアイデア不足と決定力不足を深刻に露呈した。さらに、自陣からのビルドアップ時に相手のプレッシャーを受けるとパス回しが不安定になり、失点に直結する不用意なミスを引き起こした点は開幕に向けた大きな課題である。
対するアル・アインのヴラディミル・イヴィッチ監督は、コンパクトな守備陣形からの高速カウンターを徹底させた。前線のスフィアン・ラヒミの圧倒的な個人技と機動力を軸にオサスナのハイラインの背後を執拗に狙い、効率よく得点を重ねる見事なゲームプランを完遂した。
采配面において、ラミス監督はハーフタイムにラウル・モロらを投入して流れを変えようと試みた。ラウル・モロは左サイドからの仕掛けで攻撃に躍動感を与え、クロスバーを直撃する決定機を演出したものの、周囲との連携に乏しく単発の打開にとどまった。さらに84分にそのラウル・モロが傷んで負傷退場を余儀なくされたことで、指揮官の交代プランは後手へ回った。一方、イヴィッチ監督は後半に鮮度の高い攻撃陣を順次ピッチへ送り込み、交代出場のジョナタス・サントスが前線からの奪取から見事に加点するなど、ベンチの采配でも差が出る格好となった。
現地メディアの選手採点・評価比較
現地各紙は、開幕を直前に控えたオサスナの不甲斐ないパフォーマンスに対して厳しいトーンで報じている。
SPORTは「オサスナが夏の最終テストで敗れ、不安を残す」との見出しを掲げ、枠内シュートがわずか1本に終わった攻撃の低調さと自陣での軽率なミスを糾弾した。一方で、後半から途中出場してチーム唯一の決定機を作り出したラウル・モロに対しては「オサスナ攻撃陣の唯一の希望」と絶賛の評価を与えている。
MARCAは「オサスナにとっての現実の打撃」と題し、エル・サダールでのお披露目試合でUAE王者に完敗を喫した事実を重視。立ち上がりのポゼッション支配が持続せず、ルイス・ミゲル・ラミス監督の修正策が機能しなかった点や、守備陣が相手のスピードに対応しきれなかった点を厳しく追及した。
ASは「アル・アインのカウンターがオサスナを解体した」と論じ、オサスナが立ち上がりに見せたポゼッションの好兆候は一瞬に過ぎず、試合の主導権は終始アル・アインの鋭いカウンター戦術に握られていたと解説した。
各紙の見解を対比すると、後半に投入されたラウル・モロの個人技による打開力を評価する点ではSPORTとMARCAで一致している。しかし、SPORTが彼の突破力を孤軍奮闘の光として前向きに捉えたのに対し、MARCAは個人の仕掛けに依存するだけで組織的な崩しの形が見られないチーム全体の構造的欠陥として冷ややかに捉えており、メディアごとの着眼点の違いが浮き彫りとなっている。
試合後の監督・選手コメント
現地の報道によると、ルイス・ミゲル・ラミス監督率いるオサスナにとって、今回のアル・アイン戦での完敗は開幕直前における強烈な「警鐘」として受け止められている。プレシーズンを通じて比較的良好なパフォーマンスを維持してきた指揮官だが、本拠地で露呈した守備の脆さとビルドアップの不整備により、移籍市場における最終盤での守備補強の必要性が強く叫ばれる事態となった。
また、指揮官の構想外と噂されるイケル・ベニトが本試合でもベンチ外となったことについて、現地メディアは「ラミス監督による選手への明確なシグナルであり、退団に向けた動きが加速している証拠である」と報じている。
チームの救世主と目されながら84分に負傷退場したラウル・モロの状態については、ラミス監督やクラブ関係者のみならず現地メディアも大きな懸念を寄せている。開幕戦を1週間後に控える中、攻撃の核となり得るキーマンの離脱リスクは、オサスナにとって最大の懸念材料として重くのしかかっている。