ダニ・カルバハル ヘタフェ加入で合意も登録問題で難航
2026年6月30日にレアル・マドリードとの契約が満了し無所属となっていた34歳のスペイン人右サイドバック、ダニ・カルバハルがヘタフェCF加入で合意に達したものの、ラ・リーガのサラリーキャップ制限に阻まれ正式登録に向けた交渉が難航している。かつてレアル・マドリードで主将を務めた実績を持つベテランの獲得は、今季3大会を戦うヘタフェにとって大きな補強となるが、現時点では登録承認を待つ交渉中の段階にとどまっている。
この移籍劇の背景には、選手とクラブ間でまとまった年俸条件とラ・リーガ側の経済的評価との間に生じた大きな乖離が存在する。カルバハル側とヘタフェは年俸50万ユーロから60万ユーロ程度で合意しており、2年前の右膝重傷からの完全復活を目指す選手自身もヘタフェでのプレーを選択した。ところが、ラ・リーガの経済統制部門は昨季まで年俸約1000万ユーロを受け取っていたダニ・カルバハルの適正価値を260万ユーロと算出する判断を下した。そのため、約200万ユーロに及ぶ差額分について、ヘタフェのアンヘル・トーレス会長が銀行保証(アバル)を提出しなければ登録できない事態に直面している。さらに契約条件には、1月の冬の移籍市場で巨額のオファーが届いた場合に退団できる特殊な条項が含まれており、クラブ側には大きな負担とリスクが伴う。また、今回の登録手続が完了しても今期のUEFAカンファレンスリーグには登録できず、出場はラ・リーガのみに限られる。
クラブ内部や関係者の間でも、この獲得劇を巡って様々な見解が交錯している。ヘタフェのアンヘル・トーレス会長は報道陣に対して『すべてが破談した』と述べる一方で、テレビ番組の取材には『合意はないが、獲得に向けて全力を尽くす』と語り、錯綜した発言を残した。一方、ヘタフェの守護神ダビド・ソリアはラジオ番組で『ダニ・カルバハルのような経験豊富な選手が加われば満点の補強になる』と強い期待を寄せ、会長の手腕による合意成立を信じると語った。しかし、大手メディアの番組内では昨季1000万ユーロ級の選手が50万ユーロで加入することに対し、裏で別の金銭授受が存在するのではないかという懸念や疑惑の視線も提示されている。なお、イタリアの有名ジャーナリストによれば、カルバハル側はACミランへの打診も並行して行っていたという。
この動きが意味するのは、資金力に乏しいクラブが実績あるベテランを獲得する際に直面するラ・リーガの厳格な財務ルールの壁である。つまり、ヘタフェにとっては冬の補強資金枠を1人の選手に集中させるかどうかの決断であり、ダニ・カルバハルにとっては実戦復帰の場を確保するための重要な選択であることを示している。今後の焦点は、アンヘル・トーレス会長が担保保証の提出に踏み切るか否か、そしてラ・リーガ側との合意がいつ成立するかに集まっている。(via ElDesmarque / ABC)
