バルセロナが獲得に動いたセネガル出身の18歳DFシセがミランを選んだ理由

ミランのセカンドチームであるミラン・フトゥーロに所属する18歳のセネガル人ディフェンダー、エル・ハジ・マリック・シセが、今夏にFCバルセロナからの本格的なオファーを受けながらも最終的にイタリア行きを決断していたことが判明した。バルセロナが下部組織および将来のトップチーム強化に向けて獲得を目指していたアフリカ屈指の逸材であり、その争奪戦の裏側と家族による選択が注目を集めている。

18歳のセンターバックであるシセは、セネガル国内の名門育成機関であるビー・スポーツ・アカデミーで英才教育を受けて育ち、同世代のアフリカサッカー界で最も将来を嘱望される守備者の一人として頭角を現した。恵まれた体躯と優れた身体能力、そして冷静なカバーリング技術を兼ね備えた大器として、ヨーロッパの主要クラブが早くからスカウティングを行っていた。その中でも特に熱心に獲得アプローチを続けていたのがバルセロナであった。

バルセロナは彼をラ・マシアの育成ラインやセカンドチームへ組み込む構想を描き、具体的な条件を揃えて獲得交渉を展開していた。評価のプロセスの過程では選手本人をバルセロナのクラブ練習施設へと直接招待し、素晴らしい施設環境や将来的なトップチームへのステップアップ構想をプレゼンテーションしていたのである。シセ側にとってもバルセロナへの加入は第二希望として非常に魅力的な選択肢であり、契約締結に向けた流れは極めて順調に進んでいた。

しかし、移籍市場における最終的な決断を下したのは選手本人ではなく彼のご両親であった。ビー・スポーツ・アカデミーの代表者を務めるマンスール・ドラメ氏が、アフリカのサッカー専門メディアAfricaFootのインタビューでその裏事情を明確に明かしている。ドラメ氏は『彼は第二希望としてFCバルセロナへ行く予定になっていたが、ご両親がミランの提示したスポーツプロジェクトを好んだ』と証言し、両親の意向が運命を分けた事実を公表した。

ミランが提示したプロジェクトの核となったのは、若い才能を円滑にプロの世界へ適応させるために設立された新セカンドチーム「ミラン・フトゥーロ」でのプレー機会であった。イタリアの名門が用意した明確な育成パスと成長環境が、息子の将来を思案する両親の心を強く動かした形だ。トップチームでの競争が極めて激しいバルセロナと比較した際、ミランでのステップアップ計画の方が息子の着実な成長とプロ定着に資すると判断されたのである。

今回の移籍劇は、欧州トップクラブ間でのアフリカ若手育成年代の争奪戦が激化している現実を物語っている。バルセロナは手応えを得ていた有望株をライバルに奪われたが、一方で選手側が知名度よりプレー機会や育成プロジェクトの実効性を重視した象徴的な出来事となった。イタリアの地で更なる成長を目指す若きディフェンダーの今後の足跡に期待がかかる。(via SPORT)