ネグレイラ事件と「抽象的危険」
レアル・マドリードがUEFA(欧州サッカー連盟)へ送付したネグレイラ事件に関する詳細ドキュメントが受領されたことで、フロレンティーノ・ペレス会長が「スポーツ史上最大の汚職事件」と糾弾する問題の法理分析に注目が集まっています⚖️資料送付
刑法専門のセサール・ラヘ(César Lage)弁護士(スポーツ汚職をテーマにした博士論文を準備中)によると、裁判の最大の鍵は「抽象的危険(peligro abstracto)」という概念にあります。刑法286条の4が規定するスポーツ汚職罪は、実際の試合結果(八百長が成功したかどうか)を罰するのではなく、不当な優遇を得るための「合意・契約の存在」そのものを処罰対象としています。
これは飲酒運転と同じ法理論理であり、「事故を起こさなくても、飲酒して運転した行為自体が犯罪になる」のと全く同じ構造です。したがって、バルセロナ側が主張する『買収された試合は1試合もない』という訴えは、法的には意味をなさないレトリックに過ぎません。最高裁判所も2023年1月のオサスナ事件(STS 1014/2022)において、この抽象的危険の法理を適用して初の有罪判決を下しており、国内での判例はすでに確立しています👨⚖️🚨
さらに、審判幹部へ長年にわたり支払われた巨額資金の口実として挙げられる「中立性の確保」という主張にも、法的な罠が存在します。審判の中立性は全クラブに無償で保障されるべきシステム上の義務であり、金を支払って確保しようとすること自体が、不当な優遇(主観的要素:elemento subjetivo)を求めていた証拠となります。この意図の証明は、憲法裁判所の基準に基づく「間接証拠(prueba indiciaria)」の集積によって法的に十分認められます。
行政・スポーツ面では、旧・現スポーツ法の3年という非常に短い時効によってバルセロナはCSD(スポーツ上級委員会)による最大400,000ユーロの罰金や役員失職、連盟による勝ち点剥奪などの罰則を免れました。しかし、UEFAにはそのような時効が存在せず、非常に大きな脅威となって立ちふさがっています(via MARCA)