マジョルカ戦の劇的勝利と試合展開

激しい雨が降りしきるシウタ・デ・バレンシアで行われた、勝ち点39同士の降格圏直接対決。レバンテはマジョルカを相手に2-0の歴史的な勝利を収めました。スタメンはライアン、トリアン、デラ、マティアス・モレノ、マヌ・サンチェス、オラサガスティ、パブロ・マルティネス、アリアガ、イケル・ロサダ、イバン・ロメロ、そしてエスピという布陣で臨みました。

序盤は両チームともに残留が懸かる試合特有の激しさと緊張感に包まれ、泥臭い攻防が続きました。前半23分にジェレミー・トリアンが筋肉系のトラブルで負傷交代し、ナチョ・ペレスがスクランブル投入されるアクシデントに見舞われます。しかし、前半32分に試合が動きます。ハイプレスの成果から、マジョルカのダビド・ロペスがパス出しに手間取った隙を見逃さず、カルロス・エスピが猛烈なプレッシャーをかけてボールを奪取。ポジションを外していた相手GKレオ・ロマンの隙を突き、エスピが無人のゴールへ流し込んでレバンテが先制します。

後半に入るとレバンテはさらに攻勢を強め、決定機を次々と作り出します。イバン・ロメロのシュートが右ポストをかすめ、エスピは独走カウンターからエリア内で決定的な場面を迎えるもフィニッシュをミスし、さらにその後のヘディングシュートもクロスバーすれすれを飛び越えるなど、追加点の匂いを感じさせました。そして後半42分、コーナーキックのチャンスからホンジュラス代表のケルビン・アリアガがファーサイドで合わせて待望の追加点を奪い、スタジアムは熱狂の渦に包まれます。

後半アディショナルタイムにはトゥンデのシュートから相手のハンドを誘いPKを獲得。キッカーのデラはチップキック(パネンカ)を試みましたが、これはクロスバーを直撃し失敗に終わりました。それでも2-0で逃げ切り、ホームでの最近6試合で5勝1分けという驚異的な成績を維持。絶望的と思われていた数ヶ月前からは考えられないほどの躍進で、降格圏を脱出しました。

(via Estadio Deportivo)

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奇妙なダブル退場劇

試合が終盤に差し掛かった後半40分頃、ペナルティエリア内での攻防で不可解な事件が発生しました。レバンテの攻撃でエリア内にクロスが上がり、ブルゲがボレーシュートを試みましたが、マジョルカのモヒカがこれを阻止します。レバンテ側はハンドによるPKを主張してプレーが止まった中、モヒカがブルゲに近づき、あろうことか髪の毛を強く引っ張るという行動に出ました。これに激怒したブルゲは、モヒカの顔面に平手打ち(あるいはパンチ)を見舞うという報復行為に及びます。

アルベロア・ロハス主審は当初、両者にイエローカードを提示してその場を収めようとしましたが、VARからの介入を受けてモニターで映像を確認。その結果、判定が覆りイエローカードを取り消して両選手に一発レッドカードを提示しました。試合の行方には大きく影響しなかったものの、両チームともに10人での戦いを強いられる異例の幕切れとなりました。

(via ElDesmarque)

(via Estadio Deportivo)

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ルイス・カストロ監督の試合後コメント

試合後、ルイス・カストロ監督は選手たちの並外れた努力を誇りに思いつつも、最終節を残して過度な浮かれムードになることを厳しく戒めました。

『我々は良い仕事をしているし、今日勝つことは非常に重要だった。勝たなければならない決勝戦の一つだったが、まだ終わっていない。我々が良い数字を残しているのは事実だが、もし仕事を果たさなければ、悪い感触だけが残ることになるだろう。彼らは非常に優れた選手たちを擁しているため、今日は簡単な試合ではなかったが、チームは信じられないほど素晴らしい戦いを見せてくれた。最高のチャンスを作ったのは我々であり、選手たちを非常に大きな誇りに思っている』

『目標に近づいているのは事実だ。順位表の現実としてそれはあるが、もし目標を達成したと考えたら、そこで死ぬことになる。集中力を維持し、非常に良い仕事をしなければならない。次の試合は決して簡単ではない。この3週間が素晴らしいものだったのは事実だが、過去の栄光にすがって生きていくことはできない。来週は非常に質の高いチームと対戦するため、これから来る未来を見据えなければならない』

『あと1試合残っており、今シーズンの最大の過ちは、目標を達成したと錯覚することだ。チームは全試合で全てを出し切っているし、それは私の最初の記者会見でも約束したことだ。選手たちはよく働き、よく戦っている。ファンであれば、自分のチームが勝つことも負けることもあるだろうが、もしエンブレムのために死ぬ気で戦うなら、満足しなければならない』

急遽出場したナチョ・ペレスについては次のように賛辞を贈っています。

『彼は非常に良い試合をした。相手はムリキを彼のサイドに配置しようとしたが、ナチョは最高のディフェンダーの一人だ。改善すべき点はあるものの、私は彼が期待に応えてくれると分かっていた。イエローカードをもらっていたにもかかわらずだ。彼は非常に賢く、だからこそ出場させた。もし彼に絶対的な信頼を置いていなければ、起用しなかっただろう。だが、ナチョにとっての問題はトリアンという存在だ。我々は彼のパフォーマンスに全く驚いていない』

さらにチームの精神的な成長についても触れました。

『私は過去については話さない。私が言うべきことは、今起きていることについてだ。ビジャレアル戦でのようなことは、一度しか起きていない。各選手がそれぞれの状況で何をすべきかを理解しており、彼らには心がある。もし心がなければ、オサスナ戦やセルタ戦のようなことを成し遂げるのは不可能だ。コンパクトに保ち、自分たちがすべきことを理解することが重要だった。我々は共に攻撃し、共に守っている。非常に優れたチームだ』

『私は何も言っていない。勝った時は24時間楽しむ時間を与えているが、それはこの試合に勝ったからというだけではない。他チームが勝ったため、今はより緊張感が高まっているとここで何度も話してきたが、選手たちは常に100%の状態だった。まだ終わっていないと私が言う必要すらない。進み続けなければならず、降格圏を脱出したと考えてはならない。第38節を迎えた時にそれが重要になるのだと、私は常に彼らに言い聞かせてきたし、彼らもそれを十分に理解している』

『見方によるが、私はすべての試合が決勝戦だとも言ってきた。大きなプレッシャーをかけることも、下げることもできる。なぜなら、低すぎればリラックスしてしまうし、上げすぎればストレスに陥るからだ。すべての試合が重要であり、それぞれに異なる要素がある。我々は最初からすべての試合を見据えてきた』

『来週は非常に厳しい試合が控えている』

(via MARCA)

(via Estadio Deportivo)

選手個人の活躍と負傷・スタッツ

先制点を挙げたカルロス・エスピは、これで今シーズンのラ・リーガで10ゴール目に到達しました。20歳の長身ストライカーが終盤戦で驚異的な決定力を発揮しています。また、他の選手とは明らかに次元の違うギアでプレーし続けたケルビン・アリアガが、試合を決定づける2点目を奪い、チームの心臓として君臨しました。

守備陣の奮闘も光りました。デラとマティアス・モレノのセンターバックコンビは、マジョルカの絶対的なターゲットであるムリキを完全に封じ込め、相手に呼吸する隙を与えませんでした。GKマシュー・ライアンは前半終了間際に2度の決定的なセーブを披露。特にルヴンボのヘディングシュートを片手で防いだプレーは、相手の最大の決定機を見事に阻止し、クリーンシートの立役者となりました。

一方で、負傷や出場停止により最終節のメンバー構成には不安も残ります。前半で筋肉系のトラブルにより負傷交代したトリアンに加え、カルロス・アルバレスとウナイ・エルゲサバルが欠場しています。ルイス・カストロ監督はカルロス・アルバレスとビクトル・ガルシアについて、セビージャでの最終節に間に合う可能性は極めて低いと見解を示しています。さらに、乱闘騒ぎで一発退場となったブルゲも最終節は出場停止となります。

(via MARCA)

(via Estadio Deportivo)

(via ElDesmarque)

奇跡の残留への条件と現在の状況

今回の勝利により、レバンテは勝ち点を42に伸ばし、降格圏を脱出して15位に浮上しました。データに基づく降格確率はわずか7.23%まで低下しています。

最終節はアウェイのラ・カルトゥハで、すでにチャンピオンズリーグ出場権を獲得しているレアル・ベティスと対戦します。レバンテの残留条件は非常にシンプルで、引き分け以上の勝ち点1を獲得すれば、他の試合結果に関わらず自力で1部残留が決定します。

万が一敗れた場合でも、マジョルカ(現在勝ち点39)、ジローナ(現在勝ち点40)の結果次第となります。もしレバンテが敗れ、エルチェ(現在勝ち点42)と勝ち点42で並んだ場合、直接対決の成績(ホームで2-0、アウェイで3-2とレバンテが勝ち越し)で上回っているため、エルチェより上位になります。しかし、オサスナやマジョルカも絡んだ四つ巴の同点になった場合などは、複雑なレギュレーションが適用されるため、引き分けて自力で決めることが最優先事項となります。

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(via Esport3)

【本日の総括】

絶望的な状況から這い上がり、ホームの圧倒的なサポートを受けてマジョルカとの大一番を2-0で制したレバンテ。若手エスピの2桁得点到達やアリアガの決定打など、チームが一丸となって降格圏を脱出しました。ルイス・カストロ監督が説くように、過信することなく最終節のベティス戦で勝ち点を奪い、奇跡の残留を確定させることができるか、運命の90分に全てが懸かっています。