カルレス・アレニャ 『ラ・マシアのマラドーナ』と呼ばれた天才が辿った苦悩と泥臭き変貌の軌跡
かつてFCバルセロナの下部組織で「ラ・マシアのマラドーナ」と称賛された28歳のスペイン国籍ミッドフィルダー、カルレス・アレニャが、現在所属するアラベスで今週末の古巣バルセロナ戦を前に自らの激動の足跡を明かした。下部組織時代に世代最強の神童と持て囃されながらもトップチーム定着を果たせなかった男が、プロの厳しい洗礼を受けて守備的タスクを身につけ、泥臭いミッドフィルダーへと変貌を遂げた過程はフットボールの厳しさを物語っている。
マタロー生まれの彼はプレベンハミンの年代でバルセロナの下部組織に加入し、背番号10を背負ってダニ・オルモやマク・ククレジャらと共に黄金世代の中心として活躍した。2009-10シーズンのエステポナ大会では6ゴールを奪いレアル・マドリードを破って最優秀選手に選出されたほか、アヤックス戦では指導陣がフレンキー・デ・ヨングと比較して『本当に優れた選手はアレニャだ』と断言するほどの評価を得ている。しかしトップチーム昇格後は通算44試合出場3ゴールという成績にとどまり、絶対的なポジションを確立することは叶わなかったという
エルネスト・バルベルデ監督時代、ビルバオ戦で先発ながら前半に交代し、4ヶ月間招集外となった体験は精神に深い傷を残した。焦りから早すぎる退団を選びベティスへ移籍したことを悔やむ一方で、デ・ヨング加入時に背番号21を説明なく譲渡された管理側の配慮不足には不満を抱いている。その後、ヘタフェでホセ・ボルダラス監督の指導を受け、『ラ・マシアでは守備をあまり教わらない』という現実に直面し、泥臭く体を張る守備の強度を劇的に向上させたという。
華やかな神童としての脚光を失いながらも、過酷な環境に適応してアラベスで昨季34試合に出場し4アシストを記録するまでに自らを再構築した姿勢は実に見事だ。つまり彼のキャリアが証明しているのは、下部組織時代の評価に甘んじることなく、直面した壁に応じて自らのスタイルを変化させる柔軟性こそがプロで生き残るための真の条件であるということだ。28歳となった彼が古巣バルセロナに見せるプレイは、育成組織からプロへの脱皮を果たした一人のフットボーラーの生き様そのものである。(via SPORT)