サミュ・アゲホワ 8ヶ月の大怪我を乗り越えチャンピオンズリーグで故郷セビージャへ見参

22歳でスペイン国籍のフォワード、サミュ・アゲホワは、グラナダCFの下部組織で育ち、現在はFCポルトでエースとして期待を集めている。右膝の前十字靭帯断裂という重傷から復帰を果たし、UEFAチャンピオンズリーグのレアル・ベティス戦を前に故郷セビージャのピッチへ帰ってきた。

2004年5月5日にメリリャで生まれたアゲホワの歩みは、試練の連続だった。妊娠中にナイジェリアから密入国同然で渡航し、避難所で自身を育て上げてくれた母エディスへの感謝を示すため、彼は父親の姓から母親の姓であるアゲホワへと登録名を変更した歴史を持つ。8歳でセビージャのネルビオン地区に移り住んだ彼は、地元の名門カンテラクラブであるADネルビオンでサッカー人生を本格化させた。当時、経済的に厳しい家庭状況を助けるため、クラブは彼限定で1ゴールあたり5ユーロのインセンティブを設けて移動費を支援した逸話が残っている。本人はのちにこの支援への感謝を忘れず、慈善活動への協力を続けている。

グラナダCFのフベニールに加入したアゲホワは、19歳でトップチームデビューを果たした。その潜在能力に目をつけたアトレティコ・マドリードが600万ユーロの契約解除金を支払って獲得し、デポルティーボ・アラベスへの期限付き移籍を経て、1年後に3200万ユーロでFCポルトへ移籍した。ポルトでは1億ユーロの違約金が設定され、77試合で47ゴールという驚異的なペースで得点を重ねた。パリ2024オリンピックでの金メダル獲得を経てルイス・デ・ラ・フエンテ率いるA代表にも名を連ねたが、右膝の前十字靭帯断裂により約8ヶ月間の長期離脱を強いられ、2026年ワールドカップ出場の夢も途絶えた。辛いリハビリ期間中、1階で母親がテレビ観戦する代表戦を2階の自室で涙を呑んで見られないほど精神的にも追い詰められたという。

2026年2月9日から戦列を離れていたアゲホワは、9月20日のSLベンフィカ戦で5分間、10月10日のCSマリティモ戦で24分間プレーして実戦感覚を取り戻した。そして、フランチェスコ・ファリオーリ監督とともに臨んだ会見を経て、エスタディオ・デ・ラ・カルトゥハで行われるベティス戦で、アンドレ・シウヴァやサンティ・ヒメネスを抑えて先発出場の機会を伺っている。『セビージャに戻ることは常に特別だ。友人たちには今夜は眠れない夜になると冗談を言った』と語る22歳のストライカーは、2026年1月26日のジル・ヴィセンテ戦以来となるゴールを目指してピッチに立つ。怪我の恐怖を克服して戻ってきた怪物の存在は、彼を育んだ街で新たな伝説の幕開けを告げている。(via Estadio Deportivo)

その他の動き

  • バルセロナの下部組織出身であるゴールキーパーのアロン・ヤアコビシュヴィリは、首位に立つUDアルメリアでデビューの機会を伺っている。(via Mundo Deportivo)

【本日の総括】

本日のラ・リーガのカンテラを巡る動きでは、怪我からの復帰や予期せぬ離脱といった若手選手たちのドラマが浮き彫りとなった。セビージャのミゲル・シエラが長期離脱となる一方で、ポルトのサミュ・アゲホワが復帰を果たし、アルメリアではキム・ジュニェントが首位躍進の原動力となっている。トップチームでの生き残りをかけた若き才能たちの挑戦は、今後も目が離せない。