レアル・ソシエダ戦 狂乱の打ち合いと数的不利からの大逆転勝利
アウェーのアノエタで行われた第37節のレアル・ソシエダ戦は、まさにジェットコースターのような狂乱の展開となった。試合は開始わずか2分、アイエン・ムニョスにゴールを許してビハインドを背負う最悪のスタートとなる。しかし、ディエゴ・ロペスの股抜きパスを受けたハビ・ゲラが鮮やかなシュートを決めて同点に追いつくと、エライ・コメルトとのワンツーから抜け出したウーゴ・ドゥロが見事なボレーシュートを突き刺し、1-2と逆転に成功する。
ところが後半に入ると、セサル・タレガのクリアミスによるオウンゴールで同点にされ、さらにオルリ・オスカルソンにゴールを奪われて3-2と再逆転を許してしまう。追い討ちをかけるように69分、コメルトが相手選手を倒して一発退場となり、残り20分以上を10人で戦う絶望的な状況に追い込まれた。
万事休すかと思われたが、88分に途中出場のアンドレ・アルメイダが蹴ったコーナーキックをギド・ロドリゲスが頭で合わせて3-3の同点に追いつく。そして後半アディショナルタイムの93分、ハビ・ゲラが驚異的な個人技で相手をかわしてゴールネットを揺らし、数的不利を跳ね返す3-4の劇的な大逆転勝利を収めた。この結果、勝ち点を46に伸ばし、最終節にヨーロッパ進出の望みを繋いでいる。 (via ElDesmarque)
チームの記録更新 アウェーでの逆転劇とゴールラッシュ
レアル・ソシエダ戦での劇的な勝利は、ここ数年バレンシアが達成できていなかった複数の記録を打ち立てる結果となった。アウェーでの逆転勝利は、2021年12月にレバンテとのダービーマッチを3-4で制して以来の快挙である。さらに、10人という数的不利な状況でアウェー戦を制したのは、2023年12月のラージョ・バジェカーノ戦以来のことだ。また、敵地で4ゴールという大量得点を記録したのは、2024年1月にカディスを1-4で粉砕して以来の出来事であり、チームが土壇場で見せた爆発的な攻撃力を物語っている。 (via SPORT)
カンファレンスリーグ進出への条件と確率
奇跡の勝利により、バレンシアは来季のUEFAカンファレンスリーグ出場権を獲得できる7位フィニッシュの可能性を最終節まで残すことになった。現在バレンシアは勝ち点46で9位に位置している。7位のヘタフェは勝ち点48、8位のラージョ・バジェカーノは勝ち点47である。
バレンシアがヨーロッパへの切符を掴むための条件は以下の3つがすべて揃うことだ。
1つ目は、最終節のホーム・メスタージャで、すでに優勝を決めているバルセロナに勝利し、勝ち点を49に伸ばすこと。
2つ目は、ヘタフェがホームでのオサスナ戦で引き分け以下に終わること。もしヘタフェが引き分けて勝ち点49で並んだ場合、直接対決の成績で上回るバレンシアが順位で上を行く。
3つ目は、ラージョがアウェーのデポルティーボ・アラベス戦で勝利しないこと。バレンシアが勝てばラージョを追い抜くことができる。
データサイトの分析によると、バレンシアがこの条件をクリアしてカンファレンスリーグの出場権を獲得する確率は14%である。また、別のビッグデータ分析による最終順位予想では、10位でフィニッシュする確率が31.4%と算出されている。 (via Estadio Deportivo)
ハビ・ゲラの覚醒 圧倒的なスタッツと喜びのコメント
2ゴールを挙げて勝利の立役者となったハビ・ゲラは、圧倒的なスタッツを残した。走行距離はギド・ロドリゲスに次ぐチーム2位の11.532mを記録し、試合全体でも4位の運動量を見せた。パス成功率は87%(30本中26本成功)、ショートおよびミドルパスの成功率は89%(28本中25本成功)、前方へのパス成功率も83%(12本中10本成功)と高い精度を誇った。さらに、シュート数(4本)と攻撃的インパクトのあるアクション回数(4回)はチーム最多であった。カルロス・コルベラン監督が彼をトップ下に配置し、背後にギドとペペル、またはウグリニッチを置くシステムを採用したことで彼は自由を手に入れ、ここ1ヶ月で3アシスト2ゴールと完全に覚醒している。
試合後、ハビ・ゲラは笑顔で次のように語った。
『今シーズン決められなかったゴールを今決めているみたいで嬉しい。チームの助けになるなら大歓迎だ』
『アラベス戦の勝利に少し似ているけれど、今回はアウェーで、1人少なく、逆転された後だからもっと難しかった。11人でも10人でも同じ数のゴールを決めた。諦めなかったことが重要で、勝ち点3に満足している。逆転され、1人少なくなった時が一番きつかったが、チームは力を振り絞った』
『3点目の後、ウーゴ・ドゥロが来て、みんな負けてると教えてくれた。ヨーロッパを夢見る可能性があるなら、それに向かっていくべきだ。特にホームでファンの前ならなおさらだ。最高の瞬間か?データがそう言っているなら嬉しい。次の試合でそれを証明したい』
なお、コメルトの退場判定については『遠かったが、ボールが外に出ていたから決定的な得点機会ではなくイエローだと思った。でもVARでレッドになったので、審判の基準を信じないといけない』と冷静に受け止めている。 (via ElDesmarque)
ウーゴ・ドゥロの魂の叫びと3季連続二桁ゴール
ウーゴ・ドゥロはこの試合で今季10ゴール目を記録し、3シーズン連続での二桁ゴール到達という見事な結果を残した。試合後、彼はクラブへの強い愛情と、現状への不満を入り交じらせた熱い言葉を残している。
『1人少ない状況で3-2から逆転できたのはジェットコースターのようだった。開始早々の失点、逆転、退場と打撃が続いたが、チームはタマタマを見せて戦い抜いた。自分たちのミスは見直さないといけないが、チームが見せた根性は称賛に値する』
『第37節でまだ残留について話さなければならないのは残念だ。このクラブやチーム、ファンのレベルを考えればもっとヨーロッパについて話すべきだ』
『バルセロナに勝って待つしかない。自分たちに集中する。勝たなければ可能性はない。木曜日のラージョ戦であの雰囲気の中で勝利を届けられなかったので、良い気分でシーズンを終える最後のチャンスだ。ファンに小さな喜びを与える最後のチャンスであり、メスタージャでの最後の年、やり遂げないといけない』
『とても苦しい一年で、個人的にもチームで調子が出ない時もあったから、これは最後のはけ口だ。自分にはもっとやれるレベルがある。僕を助けてくれたこのエンブレムには大きな恩がある。来週喜びの涙を流せたらいいな』 (via SPORT)
カルロス・コルベラン監督の絶賛と自身の去就問題
カルロス・コルベラン監督は、数的不利な状況から劇的な逆転勝利を収めた選手たちを大絶賛した。
『狂気の試合だった。ソシエダに最初のプレーでゴールを許して始まったからだ。しかしチームは逆境を乗り越える最高の能力を示した。同点に追いつき、後半は良い入りをしたが、2つの事故のようなプレーで逆転された。その時にコメルトの退場が重なり、すべてが難しくなったが、チームは巨大なハートで戦った。1人少ない状況で同点に追いつくだけでも難しいのに、逆転して勝利したことは計り知れない価値がある。信じられないほどの努力と絶対的な信念の表れだった』
『(ヨーロッパ進出の確率について)確率はわからないし、今日もビハインドで、しかも信念と心と献身で勝利を手にした時に確率は関係なかった。困難な1年の後にファンに喜びを与えることは我々にとって非常に重要だ。真剣に厳しく競争し、最高の方法でシーズンを締めくくるために勝ち点3を獲得したい』
『この争いがもっと早く始まっていればと願っていたが、来るべき時に来た。残り1試合、全力で戦い、ファンと共に勝ち点3を狙う。何か美しいものを成し遂げたい』
このように熱く語ったコルベラン監督だが、自身の去就については不透明な状況が続いている。ヨーロッパ進出の可能性を残しているとはいえ、すべてのファンの支持を得ているわけではなく、来季に向けて監督交代を検討している10以上のクラブの中にバレンシアも含まれているという。 (via ElDesmarque)
ダンジュマの現状 期待外れの補強と激減する出場機会
攻撃の核として期待されて加入したアルナウト・ダンジュマは、完全にチームの構想から外れつつある。ソシエダ戦の遠征メンバーには名を連ねていたものの、背中の痛みを訴えて直前でメンバーから外れた。試合中は、筋肉の断裂で欠場している主将のホセ・ルイス・ガヤと共にスタンドから観戦していた。
月曜日には理学療法士の治療を受けて状態は上向いているものの、チーム内で彼の不在を惜しむ声は皆無である。ダンジュマは3月14日のオビエド戦で敗れて以降、一度も先発出場がなく、直近9試合のうち5試合で出番を与えられていない。出場した残り4試合を合わせてもプレー時間はわずか68分にとどまっている。今季のリーグ戦成績は3ゴール2アシストに終わっており、大きな期待を裏切る補強となってしまっている。 (via SPORT)
ソシエダ戦の選手評価 タレガの不名誉な記録と各選手の働き
ソシエダ戦に出場した選手たちへの評価は以下の通りである。
ディミトリエフスキ (7):1失点目はどうすることもできなかったが、ハーフタイム前に2点目を防ぐ重要なセーブを見せた。
ヘスス・バスケス (8):主将ガヤの負傷により先発出場。これまでの最高の試合の1つを披露した。
セサル・タレガ (4):オスカルソンとのマッチアップで苦戦。オウンゴールを献上し、同一シーズンで4回のオウンゴールを記録したクラブ史上初の選手という不名誉な記録を打ち立てた。
エライ・コメルト (4):前半のパフォーマンスは良く、1-2の起点にもなったが、相手選手を狩るようなタックルで退場し、チームを10人の窮地に追い込んだ。本人はレッドカードの判定を信じられない様子だった。
ウナイ・ヌニェス (4):サラビアの負傷により右サイドでプレー。彼のサイドから最初の失点が生まれた。終盤にアルメイダと交代。
ギド・ロドリゲス (9):ほぼすべてのプレーを正確にこなし、常に顔を出して献身的に働き、正確なパスを供給した。ヘディングで3-3の同点弾を決め、クラブは絶対に彼を引き留めるべきだと証明した。
ウグリニッチ (4):可もなく不可もないパフォーマンス。決定的な仕事はできず、ペペルと交代した。
ハビ・ゲラ (9):見事なシュートで同点弾を決め、最後は個人技で相手をかわして3-4の決勝点を奪い去った。
ディエゴ・ロペス (7):見事な股抜きパスでハビ・ゲラのゴールをアシスト。ティエリと交代。
ルイス・リオハ (5):右サイドでプレーし、後半途中にラマザニと交代。
ウーゴ・ドゥロ (7):コメルトとのワンツーから見事なボレーで1-2のゴールを記録。サディクと交代。
ペペル (6):ウグリニッチに代わって出場し、良いプレーを見せた。
ラマザニ (6):リオハに代わって出場し、随所で良いプレーがあった。
ティエリ・コレイア (5):ディエゴ・ロペスに代わって出場し、与えられた役割を果たした。
ウマル・サディク (6):ドゥロに代わって出場。古巣アノエタへの帰還でブーイングを浴びたが、惜しいシュートを放った。
アンドレ・アルメイダ (6):ヌニェスに代わって出場し、ギドの同点ゴールをアシストする完璧なコーナーキックを蹴った。
カルロス・コルベラン監督 (6):ウグリニッチを起用し、ドゥロをトップに置くシステム変更が的中。ダンジュマの急な欠場や退場者が出るアクシデントの中、4人同時交代、さらに5人目の交代を行って見事に逆転へ導いた。 (via ElDesmarque)
ピーター・リムへの大規模な抗議デモ Libertad VCFが呼びかけ
バレンシアの最大株主であるピーター・リムの退陣を強く求める団体「Libertad VCF」が、LALIGA最終節のバルセロナ戦に合わせて大規模な抗議デモと行進を呼びかけている。日時は試合開始前の17時(試合時間が変更になればそれに合わせる)で、バレンシア市庁舎広場に集結し、そこからメスタージャへ向けて行進する計画である。
同団体は次のような怒りの声明を発表している。
『全バレンシアニスタはバレンシア市庁舎広場に集結する。そこから我々の歴史と抵抗の象徴であるメスタージャへ向けて行進し、ピーター・リムによる詐欺的で破壊的な経営を告発する。理由は山ほどある。ピーター・リムはバレンシアCFを本当の悪夢に突き落とした。スポーツ部門は破壊され、経済は限界に達し、ファンは虐待され、ファンの権利は踏みにじられ、我々の歴史は裏切られた。彼らはバレンシアCFを象徴する全てを破壊し、これからも破壊し続けようとしている』
『ピーター・リムは遠くから行動しただけでなく、クラブ内でバレンシアの姓を持つ責任者たちを共犯者として、我々の歴史で最も暗い時期の1つを実行した。そしてもちろん、バレンシア市議会をはじめとするバレンシアの機関の寛容さ、あるいは直接的な協力にも頼っている』
『バレンシアCFはそれを虐待する者たちのものではない。その人々と歴史、ファンのものだ。ピーター・リム、今すぐ出て行け』 (via ElDesmarque)
エスパニョール監督からの過去の試合に対する恨み節
残留を決めたエスパニョールのマノロ・ゴンサレス監督が、シーズンを振り返る会見の中で、過去にバレンシアと対戦した試合の判定について恨み節を展開した。
エスパニョールがバレンシアに2-3で敗れた試合について、監督は『バレンシア、マジョルカ、あるいはホームでのジローナ戦のような奇妙な状況があった』と表現した。この試合の決勝点となった3点目は、ルーベン・スアレスがルーカス・ベルトランを倒したとしてエルナンデス・エルナンデス主審がバレンシアに与えたペナルティだったが、エスパニョール側は直前にルーベンに対する明らかなファウルがあったと激怒していた。
エスパニョールのラモン・テラッツは『あそこに行くといつも何かが起こる』と2023年の降格時の遺恨を引き合いに出し、マノロ・ゴンサレス監督も『最も深刻なのはルーベン・サンチェスに対する直前のプレーだ。ピッチでは見えなかったが、ドレッシングルームで映像を見て確認した』と険しい表情で振り返り、バレンシア戦での判定への不満をあらわにしている。 (via SPORT)
【本日の総括】
ソシエダ戦で数的不利を跳ね返す劇的な逆転勝利を収め、最終節でのカンファレンスリーグ進出に望みを繋いだバレンシア。ハビ・ゲラとウーゴ・ドゥロの活躍が光り、監督の手腕も評価される一方で、ピーター・リムに対する大規模な抗議デモが計画されるなど、ピッチ内外で激動のシーズン最終盤を迎えている。






