ヴィニシウス危機の深層

2024年のバロンドール受賞を逃し、ロドリに栄冠が渡ったあの夜以来、ヴィニシウス・ジュニオールが陥っている不振と「ヴィニシウス危機」は、単なる一時的な調子の波を超えたクラブ構造の深い課題となっています。

サンティアゴ・ベルナベウのファンからブーイングを浴びる事態にも発展しており、本人は『サポーターからの指弾は助けにならない』と吐露しています。チャンピオンズリーグのローマ戦でも自陣での無謀なバックヒールから失点を招き、モウリーニョ監督がベンチでそのプレーの真似をして激怒し即座に途中交代させました。モウリーニョ監督は昨季ベンフィカを率いていた際にもヴィニシウス・ジュニオールの守備意識の低さ(左サイドバックへのサポート不足)を徹底的に突いており、守備で計算できない彼に頭を痛めています。

さらに深刻なのは契約と市場価値の問題です。今夏に更新された新契約により、ヴィニシウス・ジュニオールは2032年(彼が32歳になる年)までクラブ最高給クラスの待遇で拘束されています。しかし、その市場価値は2024年のピーク時からすでに7,000万ユーロも暴落しています。昨季シャビ・アロンソ前監督と対立した際、クラブ経営陣が監督を切ってヴィニシウス・ジュニオールを支持したことで、彼に肥大化した権力を与えてしまいました。今回の4試合出場停止は、モウリーニョ監督にとって彼を外した戦術を気兼ねなくテストできる猶予期間となります。 (via SPORT)