トマ・レマルがエルチェへ期限付き移籍

フランス人ミッドフィールダー、トマ・レマルのエルチェへの期限付き移籍が正式に発表されました。移籍市場が閉幕する直前の緊迫した状況のなかで両クラブが合意に達し、レマルはラ・リーガでの新たな挑戦へと踏み出すことになります。アトレティコは公式チャンネルを通じてこの移籍を正式にアナウンスし、レマルの幸運を祈る温かいメッセージを贈りました。

現在30歳のレマルは、2018年にASモナコからアトレティコに加入し、これまで公式戦186試合に出場して10ゴール19アシストを記録。2018年のヨーロッパ・スーパーカップ制覇や、2020-2021シーズンのラ・リーガ優勝において、シメオネ監督率いる中盤のタクトとして重要な役割を担いました。しかし、2023年9月のバレンシア戦でアキレス腱断裂という極めて重い怪我を負って以降は、本来の素晴らしいキレとパフォーマンスを取り戻すのに苦労してきました。昨シーズンはジローナへ期限付き移籍をしており、アトレティコは今回も同じく期限付き移籍の形でエルチェに彼を送り出し、復活を期待する決断を下しました。

今回の移籍に際して、アトレティコがレマルの高額な年俸の大部分を引き続き負担することが決まっています。エルチェ側にとっては、中盤のあらゆる役割や前線のインサイド、サイドハーフなどをこなせる、非常に技術が高くポリバレントなワールドカップ覇者を補強できたことになり、大きな興奮と期待が寄せられています。ビジョンに優れ、アトレティコやフランス代表での輝かしい経験を持つレマルの加入は、エルチェにとって極めて贅沢な補強となりました。(via Estadio Deportivo)

ホセ・マリア・ヒメネスがデポルティーボへ期限付き移籍、アトレティコとは2029年まで契約延長

長年にわたりアトレティコの守備陣を支えてきたウルグアイ代表センターバック、ホセ・マリア・ヒメネスが、デポルティーボ・ラ・コルーニャへ2026-2027シーズン終了までの期限付き移籍で加入することが正式に合意に達しました。ヒメネスは2013年に加入して以来、13年間にわたりアトレティコのユニフォームを身にまとう中で守備の要として君臨してきましたが、今シーズンは出場機会を求めてデポルティーボへの挑戦を決断しました。

この期限付き移籍に際し、ヒメネスはアトレティコとの契約を2029年6月30日までさらに1年間延長することで合意に達しました。移籍にあたっては、アトレティコがヒメネスの高額な給与の大部分を負担し、デポルティーボ側の財政的な負担を軽減させる形をとっています。

ヒメネスはアトレティコで公式戦370試合(ラ・リーガ260試合)に出場した実績を誇り、シメオネ監督の守備システムの中心人物でしたが、近年は怪我が重なり、さらに今夏にクリスティアン・ロメロ、マーク・プビル、ロビン・ル・ノルマン、ダビド・ハンツコといった強力な守備陣が揃ったことで、チーム内で5番目のセンターバックという厳しい立場になっていました。今シーズンは開幕3試合のうち、ビジャレアル戦とセビージャ戦の最終盤にわずかに途中出場したのみにとどまっていました。

ヒメネスは移籍決定を受け、自身のSNSを更新し、アトレティコでの輝かしい日々の動画とともにサポーターに向けてメッセージを発信しました。その中で彼は『この物語はまだ終わっていない。アトレティコのみんな、体に気をつけて。またすぐに会おう』と述べ、アトレティコへの変わらぬ愛情と、将来的な帰還を誓いました。(via Estadio Deportivo)

カルロス・マルティンのアルメリア移籍は書類不備でまさかの破談

24歳の有望アタッカー、カルロス・マルティンのアルメリアへの期限付き移籍(昇格時に義務化される買取オプション付き)について、両クラブ間で完全合意に達していたものの、ラ・リーガ事務局への書類提出が数秒間遅れてしまい、移籍が完全に破談となりました。

カルロス・マルティンは今夏の市場で数々の1部クラブからのオファーを抱えていましたが、主力を約束し、高いモチベーションを示すアルメリアのプロジェクトに惹かれて加入を決断しました。移籍最終日の夕方に合意が完了し、書類を整えましたが、ラ・リーガの公式発表によれば、すべての書類が揃ってシステムに登録されたのが23時59分の締め切りを数秒だけ過ぎてしまっていました。アトレティコ側は「我々の書類は時間内に間違いなく送信されていた」と強く主張していますが、ラ・リーガの登録は認められず、彼は少なくとも来年1月の冬の市場が開くまでアトレティコに残留することとなりました。トルコやサウジアラビアなど、まだ市場が閉じていない国外リーグへの移籍の道はかすかに残されているものの、実現の可能性は極めて低いとみられています。

カルロス・マルティンにとっては、昨年夏も数々の移籍交渉が成立せずにアトレティコに残り、結局冬になってレイヨ・バジェカーノに期限付き移籍した経緯があり、2年連続で「移籍市場最終日の悲劇」を繰り返すという、あまりにも皮肉な既視感(デジャヴ)を味わうことになってしまいました。彼は6歳でアトレティコの下部組織に加わり、2021年にトップチームデビュー。ミランデスへのローン移籍時には40試合15ゴールの大活躍を見せて2029年までの契約延長を勝ち取りましたが、アトレティコのトップチームでは通算9試合(先発2回)の出場にとどまっています。(via ElDesmarque)

オーベッド・バルガスのローン移籍はすべて破談しアトレティコに残留決定

21歳の才能豊かなメキシコ代表ミッドフィールダー、オーベッド・バルガスは、移籍市場の最終日に複数のクラブへの期限付き移籍が秒読み段階とされていましたが、最終的にすべての交渉が破談し、アトレティコに残留することが決まりました。

バルガスに対しては、ゲタフェ、バレンシア、セビージャ、アラベス、フェイエノールトといった国内外の有力クラブが獲得を打診していました。交渉は非常に慌ただしく動き、まずデポルティーボ・アラベスとの移籍がまとまりかけ、次にセビージャへの移籍がほぼ合意に達したと報じられました。そして最終的には、マドリードの自宅を離れる必要がなく、さらにヨーロッパリーグにも参戦できるゲタフェへの期限付き移籍がほぼ決定したと考えられていました。しかし、これら3つの具体的なローン移籍交渉は、他クラブの選手移動が成立しなかったことなどの影響を受け、土壇場ですべて破談となりました。

バルガス自身は退団を確信しており、新加入のクリスティアン・ロメロに対して自身が着用していた背番号「21」を譲り渡し、自らは空き番となっていた「3」を着用することを決めていました。中盤のポジション争いが極めて苛烈なアトレティコにおいて、バルガスが今後十分な出場機会を得ることは非常に困難であると予想されていますが、彼は残留した選手としてシメオネ監督のもとで厳しい戦いに仕切り直して挑むことになります。(via Mundo Deportivo)

ニコラス・タグリアフィコ獲得交渉は土壇場で断念、クラブは若手の抜擢を優先

左サイドバックの補強の最終ターゲットとして浮上していたオリンピック・リヨン所属のアルゼンチン代表ニコラス・タグリアフィコの獲得交渉について、アトレティコは最終的に獲得を見送り、交渉を打ち切る決断を下しました。

アトレティコはアレックス・グリマルドのバックアップ、および左サイドバックの守備的な選択肢を増やすため、タグリアフィコとの交渉を熱心に進めていました。選手自身もユベントスからの魅力的なオファーを拒絶してアトレティコ行きを熱望しており、リヨン側とも期限付き移籍での基本合意が整っていました。しかし、最終段階で移籍は実現しませんでした。

一部のメディアは、ホセ・マリア・ヒメネスやトマ・レマルの放出にあたりアトレティコが年俸の大部分を負担したことや、カルロス・マルティンらの残留によって給与制限(サラリーキャップ)の余裕がなくなったことが破談の原因であると報じました。しかし、アトレティコの上層部はこれを断固として否定しています。クラブ側の発表によれば、サラリーキャップには十分な空きがあり、タグリアフィコのようなベテラン選手を急いで獲得するよりも、下部組織の有望な若手ディフェンダーであるダニ・マルティネスをトップチームへ引き上げ、彼にチャンスを与えるという戦略的かつ未来志向の判断によるものであると説明しています。(via MARCA)

下部組織のダニ・マルティネスとサルビ・エスキベルがトップチーム昇格

アトレティコは、下部組織(カンテラ)から若手ディフェンダーのダニ・マルティネスと、ゴールキーパーのサルビ・エスキベルをトップチームに正式に登録し、昇格させることを発表しました。

この急遽のトップチーム登録には、欧州サッカー連盟(UEFA)が定めるチャンピオンズリーグ(CL)の選手登録における重要な規則が深く関わっているとみられています。UEFAのルールでは、登録枠である「リストA」の中に、クラブの育成組織または同一連盟内で3年間所属した「地元育成選手(カンテラ出身選手)」を最低8名含めなければならないという厳しい義務が存在します。

アトレティコは、カンテラ出身のホセ・マリア・ヒメネスの退団や、カルロス・マルティンの放出を見込んでいたことで、この育成選手登録枠に影響が出ることを懸念していました。そのため、コケやパブロ・バリオス、ジュリアーノ・シメオネに加え、第3ゴールキーパーとしてサルビ・エスキベルを、そしてタグリアフィコ獲得を見送った代わりにダニ・マルティネスをトップチームに引き上げることで、規則を完璧にクリアしつつ、若手の抜擢を図る決断をしました。(via ElDesmarque)

新加入ジョナサン・デイヴィッドが初練習に合流、ビルバオ戦対策、セルロートの怪我状況

ユベントスからの期限付き移籍が正式発表されたカナダ代表フォワード、ジョナサン・デイヴィッドが、チームのトレーニングに初参加し、新たなチームメイトと初対面を果たしました。

デイヴィッドはマドリードに到着後、メディカルチェックをパスし、本日の現地時間13時からのメトロポリターノでの入団発表を控える中で、午前中の練習に合流。メディアの取材に対し、『ここに加わることができて本当に嬉しい。アトレティコは非常に大きな野望を抱くクラブであり、毎シーズン、タイトルを獲得することが目標だ』と力強く語りました。

今回の契約は今シーズン終了までの期限付き移籍で、2500万ユーロでの非義務的な買取オプションが付随しています。年俸約1100万ユーロのうちアトレティコが半分強、ユベントスが半分弱を負担する形で合意しています。

一方、アタッカーのアレックス・セルロートは依然として筋肉系の怪我の治療とリハビリが続いており、今季のデビューはまだ果たせていません。セルロートの次戦アスレティック・ビルバオ戦(9月5日土曜日、サン・マメスでの第4節)への欠場は確実となりました。

これを受け、シメオネ監督は前節セビージャ戦で3対0の大勝を収めたスタメンをそのまま維持してビルバオ戦に臨む方針で、練習でもその布陣で調整を行いました。

予想先発メンバー:オブラク;ジョレンテ、プビル、ハンツコ、グリマルド;ジュリアーノ、ヒュルマンド、バリオス、ルックマン;イ・ガンイン、バエナ。

全体練習の最後には、ビルバオの強力な武器であるコーナーキックなどのセットプレー対策に長い時間が割かれ、入念な戦術確認が行われました。(via MARCA)

フリアン・アルバレスを巡るカタルーニャの怒りとシメオネ監督との不仲騒動

今夏の移籍市場の主役の一人であったフリアン・アルバレスの残留が決定したことを受け、ピッチ外では凄まじい議論と論争が巻き起こっています。

カタルーニャのラジオ番組(RAC1の『Tu Dirás』)では、アトレティコがバルセロナへの売却を断固として拒否したことに対し、カタルーニャ嫌い(カタロニアフォビア)やバルセロナへの嫌悪感、および劣等感の現れであると痛烈な非難が浴びせられました。番組に参加したコメンテーターたちは、

『アトレティコの上層部は正気を失っている。自分たちの立場や公のイメージ、権力を守るためだけに、フリアンをバルセロナに売らないと決めたのだ。手の打ちようがない』

『これは紛れもないカタルーニャ嫌いだ。バルセロナに対する強烈な嫌悪感だ』

『いや、カタルーニャ嫌いですらない。ただの劣等感の現れだ』

『彼らは非常に器が小さい。もしレアル・マドリードから真剣なオファーが届いていたら、フリアンを売却していただろう。フロレンティーノ会長のオファーが本物なら、彼らは応じていたはずだ』

『それは違う。アトレティコがバルセロナを嫌っているのは事実だが、彼らが実証してきたようにレアル・マドリードのことも同じように嫌っている』

『信じられないことに、彼らはマドリードをそれほど嫌っていない。敵を見誤っているのだ』

『なぜなら、彼らは自分たちが偉大なクラブの一つであると見せかけたいだけであり、この議論の核心はそこにある』

などと主張し、アトレティコの姿勢を激しく非難。これに対しマドリードのメディアやファンは、契約を尊重するのは当然であり、バルサが一方的に騒ぎ立てて選手を精神的に追い詰めただけだ、と猛反論しています。

かつての名フォワードであるフェルナンド・モリエンテスも、フリアンの代理人であるフェルナンド・イダルゴとの信頼関係に言及し、『キャリアのなかには、周囲の信頼できる人たちを頼らなければならない瞬間がある。経験を積めば、移籍の可能性が100%確実な段階になって初めて一歩を踏み出すべきだと理解できるようになるものだ』とコメントし、フリアンが焦って行動した側面を指摘しました。アトレティコのCEOであるギル・マリンはかねてより『私たちの意図であり、私個人の夢は彼がアトレティコに残り続けることだ。トップで競うためには偉大な選手が必要であり、フリアンはその一人だ。もし彼がアトレティコにいることが相容れないと考えているとしても、別の選択肢を探すだけで、バルセロナへ売却することは絶対に、絶対にあり得ない』とバルサへの移籍を断固否定し、バルサ側が支払う意図のまったくない5億ユーロの契約解除金のみを受け入れる姿勢を貫いていました。

さらに、テレビ番組『El Chiringuito』では、カタルーニャ側のジャーナリストであるホタ・ジョルディが、フリアンがアトレティコを離れたがっていた背景について、シメオネ監督との関係が険悪であったことが決定打だと暴露しました。彼の主張によると、アトレティコはフリアンに対し『1億5000万ユーロのオファーを持参し、公に移籍志願を表明すれば協力する』と伝えていたものの、いざ移籍が現実味を帯びると、引き留めるために『来シーズンはシメオネ監督が退任するから残ってくれ』と説得したとされています。さらに彼はアトレティコサポーターに向け、『おめでとう、あなた方はここに残りたくないと思っている選手をなんとか引き留めることに成功したわけだ。アポロからの資金提供で大金があると言いながらタグリアフィコすら登録できなかったのもおめでとう。エゴを優先するような経営陣がいて良かったね。1月にまたこの話をしよう』と痛烈に皮肉りました。

これに対し、マドリード側のファンマ・ロドリゲスは激怒し、『なぜ彼がアトレティコに留まったのか。それは彼に契約があるからだ!アトレティコをリスペクトしなさい!カタルーニャ界隈は最初から難癖をつけ、選手を精神的に破壊し、アトレティコを嘲笑してきた』と激しい論戦を展開しました。

フリアンは直近のビジャレアル戦で途中出場した際にホームのサポーターから激しいブーイング(ピターダ)を浴びており、試合後もチームの指示で挨拶をせずに引き上げたことでサポーターとの関係に大きな亀裂が生じています。その後のセビージャ戦は「体調不良」で欠場しました。現在は、クティ・ロメロやムッソ、ジュリアーノ・シメオネらアルゼンチン代表の同僚たちに温かくサポートされながら、ビルバオ戦での復帰に向けて午前と午後の2部練習をこなすなど、ピッチ外の雑音を吹き飛ばすための猛烈なトレーニングを続けています。(via SPORT)

今夏の移籍市場が閉幕!総額1億2300万ユーロを投じた新生アトレティコの全貌と収支総括

激動の夏の移籍市場が閉幕し、アトレティコ・マドリードの新たな陣容と、今夏の取引における最終的な収支が明らかになりました。

アトレティコは今夏、総額約1億2300万ユーロを投じて5名の新戦力を獲得しました。

中盤の底にモルテン・ヒュルマンド(スポルティングから4000万ユーロ)、攻撃的ミッドフィールダーにイ・ガンイン(PSGから3500万ユーロ)、左サイドバックにアレックス・グリマルド(レバークーゼンから1500万ユーロ)、ディフェンダーにクリスティアン・ロメロ(トッテナムから3300万ユーロ)、そして最終日にジョナサン・デイヴィッド(ユベントスからの期限付き移籍、買取オプション2500万ユーロ)を迎え入れました。さらに、下部組織にはインテルから将来有望なフランス人ミッドフィールダーのイッシアカ・カマテを買い戻しオプション付きで獲得し、フェルナンド・トーレス監督率いるBチームに配備しました。

一方、放出においては8名がチームを離れ、総額約5800万ユーロ(下部組織所属のフリオ・ディアスのセビージャ移籍を含めると5900万ユーロ)の売却益を上げました。マッテオ・ルッジェーリがアストン・ヴィラへ2500万ユーロ、チアゴ・アルマダがリーベル・プレートへ2000万ユーロ、ナウエル・モリーナがASローマへ1300万ユーロで完全移籍。長年クラブの象徴だったアントワーヌ・グリーズマンは契約満了で退団しMLSへ旅立ちました。さらに、ニコ・ゴンサレスは期限付き移籍期間満了によりユベントスへ帰還し、クレマン・ラングレは契約を解除してベンフィカへ、そして最終日にホセ・マリア・ヒメネスがデポルティーボへ、トマ・レマルがエルチェへそれぞれ期限付き移籍しました。

多くのベテランや余剰戦力を整理し、大幅な若返りと各ポジションの的確な補強を成功させたことで、今シーズンの新生アトレティコは非常に競争力の高いチームへと生まれ変わりました。(via ElDesmarque)

【本日の総括】

激動の移籍市場最終日は、ジョナサン・デイヴィッドの加入やトマ・レマルのエルチェ移籍、ヒメネスのデポルティーボ移籍などが慌ただしく決定した一方、書類の遅れや交渉の頓挫により、カルロス・マルティンやオーベッド・バルガスの残留、タグリアフィコ獲得見送りというドラマチックな結末を迎えました。フリアン・アルバレスを巡るピッチ外の論争は未だ収まりを見せませんが、チームは新戦力を加えて一丸となり、今週末の難敵アスレティック・ビルバオ戦に向けて非常に高い集中力でトレーニングを重ねています。