アトレティコ・マドリード 育成組織とBチームが2027年夏に新スポーツ都市へ拠点移転
アトレティコ・マドリードが建設を進める「シウダ・デル・デポルテ」内の最新鋭ハイパフォーマンスセンター(CAR)へ、2027年夏に下部組織の主力チームとトップチームが移転を完了させることが決まった。クラブの事業および運営最高責任者を務めるオスカル・マヨが認めたもので、長年親しまれた練習拠点の再編を通じて、次世代の育成環境を抜本的に強化する狙いがある。
2017年に本拠地をメトロポリターノへ移転させて以来、クラブ史上最大規模となるこの新施設建設プロジェクトは、将来のスポーツ面と財務面を支える最重要事業と位置付けられている。当初は2026年12月の完成を予定していたものの、大規模工事特有の行政手続きや微調整に伴いわずかに遅れが生じ、2027年夏の開設へとスケジュールが再設定された。2027年には本拠地メトロポリターノでクラブ史上2度目となるUEFAチャンピオンズリーグ決勝の開催が決定しており、この節目に合わせて新拠点の整備が一気に加速している。
今回の計画では、ディエゴ・パブロ・シメオネ監督が率いるトップチームに加え、セカンドチームであるアトレティコ・マドゥリニョ、そして下部組織の最上級カテゴリであるジュベニールAが新施設へ移動する。1998年からクラブの象徴として親しまれてきたマハダオンダの練習場は完全に手放すわけではなく、男子の育成年代(フットボール・ベース)のトレーニング拠点として存続する形をとる。また、アルカラのスポーツ都市については、アトレティコ・フェメニーノおよび女子チームの専用施設として引き続き活用される見通しだ。
26万5,000平方メートルに及ぶ市有地の貸与を受けて進められる本事業には、総額3億5,000万ユーロが投じられ、敷地内には最新鋭のトレーニング施設が整備される。新拠点には育成部門のオフィスをはじめ、最先端のジムが2棟、ビデオ分析ルーム、食堂、さらには独自の映像収録スタジオが完備される予定だ。維持費の高騰や費用対効果を精査した結果、選手寮の建設は見送られ外部提携で対応する一方、5面の練習グラウンドと5,500席を擁するミニスタジアムが建設される。このミニスタジアムは、セカンドチームの公式戦や女子チームの試合、さらにはUEFAユースリーグの欧州決戦の舞台として活用される計画だ。なお、当初発表されていた6,000席から収容人数がわずかに調整されたものの、育成年代の国際試合を完備する環境が整うことになる。全体の施設整備は段階的に進められ、2027年末の第2期完成、そして2030年の2万人規模の音楽アリーナ開設へと続く。
この大規模な再編は、トップチームとBチーム、ジュベニールAを同一施設に集約する構造改革だ。これにより下部組織からトップへの昇格ラインを強固につなぎ合わせる。さらに指導陣が物理的に近い距離で連携を深めることで、若手の成長スピードを加速させる狙いがあるという。
2027年末の第2期完成、そして2030年の2万人規模のアリーナ開設へと続く巨大プロジェクトが進行中だ。その中で、カンテラ出身選手がどれだけトップチームへ食い込めるかが成功の鍵となる。そのため、最新インフラを最大限に活用し、自前のヤングスターを安定して輩出できる体制を確立できるかが焦点だ。(via Mundo Deportivo)
その他の動き
ヒホンに位置するマレオのサッカー学校が、知的障害者による全国リーグ「ラ・リーガ・ジェニュイン」の2026-27シーズン開催地として2年連続で選出された。(via SPORT)
【本日の総括】
バルセロナがUEFAユースリーグのパリ・サンジェルマン戦にセカンドチームからオスカル・ジスタウらを投じる一方で、アトレティコ・マドリードは2027年夏に向けカンテラ拠点の移転計画を着々と進めている。過酷な欧州の舞台で成果を求める現場の動きと、中長期的な育成インフラを整えるフロントの戦略が同時に進行しており、両クラブの将来を見据えた強化策が鮮明となった。バルサの若手たちが挑むパリ戦の公式戦や、アトレティコの移転工事が進む2027年夏の節目に向け、各クラブの育成動向から今後も目が離せない。