ベルナベウ攻略のカギを握る『ハイラインのジレンマ』と守備陣の攻防

イニゴ・ペレス監督が推進するアグレッシブなポゼッション&ハイプレスサッカーには、同時に明確な構造的リスクが潜んでいます。チーム全体をコンパクトに保ち敵陣深くでプレイしようとすればするほど、自分たちのディフェンスラインの背後には膨大なスペースが生まれることになります。

この背後のスペースこそが、モウリーニョ監督率いるマドリードにとって絶好の狙い目となります。マドリードはボールを奪うと、わずか数本の縦パスで一気に相手の守備を置き去りにし、前線の圧倒的なスピードを活かしてゴールへ迫ってきます。イニゴ監督にとって最大のテーマは、自らのアイデンティティであるハイプレスを維持しながら、いかにマドリードの致命的なカウンターを無力化するかという点にあります。

ビジャレアルがプレッシングを回避され、守備陣が自陣へ下がりながら走らされる展開になれば、ジョゼ・モウリーニョの思惑通りになってしまいます。ゴールキーパーのグルアシを中心とする守備陣やダブルピボットは、攻守の切り替え時に極めて高度なリスク管理とバランス感覚を要求されます。

逆に、ビジャレアルがマドリードのファーストビルドアップに対して連動したプレスを成功させ、マドリードのダブルピボットとディフェンスラインの間に生まれるギャップを突くことができれば、大きな好機を生み出すことが可能です。アルベルト・モレイロのライン間でのポジショニングや、外から内へと走り込むウイングの動きでマドリードの守備ラインを押し下げることができれば、ベルナベウの観客を沈黙させる主導権を握ることができるでしょう。(via SPORT)