ロマン・ディビス バレンシアの若き右バックがベネズエラフル代表でデビュー

バレンシアのフベニールAに所属する18歳のベネズエラ人右サイドバック、ロマン・ディビスが、クラブで1試合も90分間フル出場を果たせないまま、ベネズエラフル代表デビューを飾り注目を集めている。クラブでの着実な順応段階と代表チームでの急激な抜擢という対照的な歩みは、欧州サッカーの厳しい要求と彼が秘める潜在能力の高さを物語っている。

「ラ・ロカ(岩)」の愛称を持つディビスは、母国のデポルティーボ・ミランダで育成を受け、ウニベルシダ・セントラルへ移籍してプロキャリアを開始した。2025年のクラウスーラ(後期リーグ)でチームの優勝に貢献した後、ウクライナのディナモ・キーウでのテストを経て、2026年8月に買い取りオプション付きの期限付き移籍でバレンシアへ加入した。ベネズエラでは15歳以下から20歳以下までの年代別代表を網羅し、カタールで開催された17歳以下ワールドカップではゴールも記録するなど、育成世代の段階からその才能は高く評価されていた。

今回のアジア遠征において、ベネズエラのオスワルド・ビスキャロンド監督は18歳のディビスをフル代表へと引き上げた。初戦の韓国戦ではレアル・ソシエダのホン・アランブルが右サイドバックの先発を務め、元バレンシアのイ・ガンインが出場する展開をベンチから見守るにとどまった。しかし、続くアンマンで行われたヨルダン戦の82分、デルビン・アルフォンソとの交代でピッチに送り出された。0対0の同点で迎えた緊迫した場面で8分間プレーし、18歳にしてフル代表デビューを完遂した。この快挙に対し、保有権を持つウニベルシダ・セントラルは『努力は常に実を結ぶ。我々の下部組織出身者が夢を果たした』と公式メッセージで祝意を表した。

ところが、代表での華々しい進展とは裏腹に、バレンシアの拠点パテルナでは慎重な育成が続いている。フベニールAを率いるウヘ監督のもと、ディビスはディビシオン・デ・オノールで4試合に出場して合計237分をプレーしているものの、いまだ1試合もフル出場を果たしていない。開幕戦のエエルチェ戦で68分、カステジョン戦で54分、ロダ戦で途中出場から38分を消化した。代表遠征から復帰直後のマジョルカ戦でも先発したものの、77分で途中交代となり、チームも3対2で敗退を喫した。スペインサッカー特有の速いテンポや戦術的ポジショニングへの順応が、クラブにおける現在の最優先課題となっている。

Superdeporte紙によれば、バレンシアが保持する買い取りオプションの行使金額は約25万ユーロに設定されているという。クラブ強化部は彼の強靭なフィジカルと豊かな推進力を高く評価しており、まずはフベニールAで戦術的成熟を図る方針だ。その上で、オスカル・サンチェス監督率いるセカンドチームのバレンシアCFメスタジャ、そして最終的にトップチームへ昇格させる構想を描いている。つまり、代表でのスピードデビューは素材としての卓越性を示す一方で、バレンシアでの成功には90分間戦い抜く持久力と戦術理解の獲得が不可欠ということだ。世界舞台を経験した若き大器がパテルナで真の定位置を掴めるかが、今後の焦点となる。(via Superdeporte)