【今回のラインナップ】
✅ エスパニョール戦での勝利 バルセロナのリーグ優勝決定とパシージョを阻止
✅ ヴィニシウスの躍動 2ゴールで試合を決定づけ、来季への決意を語る
✅ ムバッペの休暇問題とアルベロア監督 才能だけでなく泥臭い努力を要求
✅ メンディの呪われた筋肉 今季5度目の負傷で開始10分でピッチを去る
✅ 判定を巡る物議 ヒル・マンサーノの不可解な判定とVARの介入
✅ アレクサンダー=アーノルドのタックル 退場を免れた危険なプレー
✅ ベテランとカンテラーノの融合 ゴンサロのアシストとベリンガムのヒール
✅ 異例の円陣 後半開始前にバルベルデがチームを鼓舞
✅ セバージョスとスペイン人閥の反乱 アルベロア監督との関係が完全破綻
✅ ファビオ・カペッロの回顧 ロナウドとカッサーノの失われた才能を嘆く
■【エスパニョール戦での勝利】
レアル・マドリードはRCDEスタジアムでエスパニョールを0-2で下し、バルセロナのリーグ優勝決定を少なくとも次節まで持ち越すことに成功した。もしこの試合で引き分け以下に終わっていれば、次節カンプノウでのクラシコで永遠のライバルに対してパシージョ(花道)を作らなければならないという屈辱的な状況に追い込まれていたが、その悪夢を見事に回避した。試合は前半こそ精彩を欠いたものの、後半にシステムと選手を変更して息を吹き返し、見事な2ゴールで勝ち点3を手にした。守護神ルニンも前半終了間際にカブレラの決定的なヘディングをアクロバティックな反射神経で防ぎ、2月8日のバレンシア戦以来、実に84日ぶりとなるリーグ戦でのクリーンシートを達成している。(via SPORT)
■【ヴィニシウスの躍動】
試合の主役は間違いなくヴィニシウス・ジュニオールだった。序盤からエル・ヒラリと激しい小競り合いを演じてイエローカードをもらい、スタンドからは「ヴィニシウス、ビーチボール」のチャントが浴びせられるなど、感情をコントロールするのが難しい環境だった。しかし、ブラジル人ウインガーは怒りを集中力に変えた。54分、バルベルデのドリブルから中へ切り込むと、途中出場のゴンサロ・ガルシアとの完璧なワンツーで抜け出し、カブレラとカレロをフェイントで置き去りにして低い弾道で先制ゴールをマーク。続く66分にはベリンガムの鮮やかなヒールパスを受け、インステップでトップコーナーに突き刺す見事な追加点を奪った。この2得点により、彼は今季公式戦51試合で21ゴール(リーグ戦34試合16ゴール)に到達し、5年連続の20ゴール超えを果たした。クラシコを前に累積警告のリスクを避けるため83分にセサル・パラシオスと交代してピッチを退いたが、試合後には『我々にとっては良い試合だった。一緒にプレーし、共に戦った。それが我々をより強くする』と仲間を称賛。自身の数字については『努力がトップへと導いてくれるのだと思う。私は毎年この数字に到達するために努力してきた』と胸を張った。チームの不振については『今シーズンが私たちの望むようなものではなかったことは分かっている。だが、来シーズンに向けてそれを変えることができるし、間違いなく再びトップに返り咲くことができるだろう』と語り、自身のSNSでも『このクラブと死ぬまで一緒に。続けるしかない!再びトップに戻る!』と力強いメッセージを発信している。次戦に向けては『クラシコをプレーするのは大好きだし、今週は良い準備をして、バルセロナに戻って勝ちたい』と闘志を燃やした。(via ElDesmarque)
■【ムバッペの休暇問題とアルベロア監督】
チームが極限の重圧の中で戦っている最中、負傷離脱中のキリアン・ムバッペは恋人のエステル・エスポシトと共にイタリアのサルデーニャ島、カリアリでヨットやレストランでの休暇を満喫していた。この行動はマドリディスタやロッカールームから大きな反感を買っているが、アルバロ・アルベロア監督は試合後の会見で彼を擁護した。『負傷者のスケジューリングはすべてレアル・マドリードの医療サービスの監督下にあり、彼らがいつバルデベバスに行くべきか、いつ行かなくていいかを管理している。そこから先は、各選手が自由な時間に適切だと思うことをするものであり、私はそこに口出しすることはできない』と説明。さらに『私はどの選手のコミットメントも疑っていない。彼らは皆、これらの試合が我々にとってどれほど重要かを知っている。レアル・マドリードよりも偉大な選手はかつても、今も、そしてこれからも存在しない。そして私の選手たちは皆、これを完全に理解している。彼らが何を代表しているか、どこにいるか、そして全員がここにいることがどれほど幸運なことかを』と強調した。一方で、ヴィニシウスとのコミットメントの差を問われると『選手間の比較には入らない』としつつも、『他のチームが我々よりも走っているのを見ると胸が痛む。ボールを持っていない時だけでなく、ポゼッションしている時でさえも、もっと動き回り、ボールをもらうために10回のマーク外しをしなければならない。才能だけでは勝てない。レアル・マドリードの価値観は、タキシードを着てピッチに出る選手で作られたものではなく、泥と汗と努力と犠牲のついたユニフォームで築かれたものだ。才能と努力が合わさって初めて世界最高のチームになれる』と、暗にチーム全体への献身を強く求めた。(via Estadio Deportivo)
■【メンディの呪われた筋肉】
フェルラン・メンディの負傷癖は、もはやチームにとって深刻な問題となっている。前半わずか10分、広大なスペースを戻ってディフェンスするためのスプリントを行った直後、彼は右太ももの上部(大腿四頭筋)を押さえてピッチに倒れ込み、苦痛と諦めの表情を浮かべた。今季だけで実に5度目の筋肉系の負傷であり、今シーズンはわずか9試合、448分しかプレーできていない。2019年の加入以来、393試合中170試合を欠場し、負傷回数は16回に上る。彼に代わってフラン・ガルシアが投入され、見事なパフォーマンスでヴィニシウスと連携し、献身的な守備を見せた。なお、アルバロ・カレーラスは交代で選ばれなかった際、ベンチで笑顔を見せたことがカメラに捉えられ、その振る舞いがファンの間で物議を醸している。ダニ・カルバハルも足の亀裂骨折で離脱しており、アルベロア監督は『カルバハルも同様だ。彼がシーズンが終わる前にプレーでき、彼にふさわしい形でピッチでプレーしてシーズンに別れを告げることができるという希望をまだ強く持っている』と、今季限りでの退団が濃厚なキャプテンへの思いを口にした。ムバッペの復帰についても『先週の検査の後ではもう少し時間がかかるように思われたが、彼がどう進化するか見てみよう』と不透明な状況だ。(via SPORT)
■【判定を巡る物議】
試合を裁いたヘスス・ヒル・マンサーノ主審のジャッジは、スタジアムを大きな混乱に陥れた。前半25分、エル・ヒラリがヴィニシウスの突破を後ろからのスライディングで止めた際、主審は迷わずレッドカードを提示した。しかし、VARからの介入を受けてモニターを確認すると、わずか5秒で判定を覆し、イエローカードへと変更した。この一連の不可解なジャッジにより、彼は完全にコントロールを失い、その後も明らかなファウルを見逃すなど不安定なレフェリングを露呈した。(via SPORT)
■【アレクサンダー=アーノルドのタックル】
後半50分、トレント・アレクサンダー=アーノルドがドランに対して非常に遅れた危険なタックルを見舞った。足裏が直接相手のスネに入る悪質なプレーだったが、ヒル・マンサーノ主審はイエローカードを提示するにとどまり、VARも介入しなかった。これに対し、元審判のイトゥラルデ・ゴンサレスは『完全にレッドカードだ。回避可能であり、スネへの接触は退場を正当化する』と断言。もしここでイングランド人サイドバックが退場していれば、その直後の先制ゴールは生まれず、試合の展開は全く違ったものになっていただろうと指摘されている。(via SPORT)
■【ベテランとカンテラーノの融合】
前半の停滞を打破するため、アルベロア監督は52分にブラヒムとチアゴ・ピタルチに代えて、ゴンサロ・ガルシアとフランコ・マスタントゥオーノを投入し、システムをヴィニシウスを左に置くクラシックな4-3-3に変更した。この采配がズバリ的中する。ゴンサロはピッチに立ってわずか2分後、見事なIQを感じさせる完璧な落としでヴィニシウスの先制点をアシストし、自らも惜しいシュートを放つなど前線で基準点として機能した。マスタントゥオーノも恥骨炎の影響を感じさせない機敏な動きを見せ、ベリンガムへ絶妙なパスを供給した。中盤ではチュアメニがアンカーとして復帰してバランスをもたらし、ディーン・フイセンは空中戦で強さを発揮した。(via ElDesmarque)
■【異例の円陣】
不甲斐ない前半の戦いぶりを受け、後半開始直前、キャプテンマークを巻いたフェデ・バルベルデがピッチ上で選手たちを集め、異例とも言える長時間の円陣を組んだ。普段はロッカールームで行われるような熱い鼓舞をピッチ上で行い、チームの目を覚まさせるための行動だった。この日はインサイドハーフと右サイドでプレーしたバルベルデは、いつもの爆発力こそ欠いていたものの、精神的支柱としてチームを牽引した。(via MARCA)
■【セバージョスとスペイン人閥の反乱】
ダニ・セバージョスはこの試合でも招集外となった。彼はロッカールームで『監督とは関わりたくない』と公言しており、アルベロア監督との関係は完全に修復不可能となっている。チームの練習には参加しているものの、戦力としては完全に除外されており、今季終了後の退団は避けられない情勢だ。また、現地のラジオ番組では『カルバハル、アセンシオ、カレーラス、セバージョスらのスペイン人グループはアルベロアを快く思っていない』との指摘も飛び交い、カレーラスの5000万ユーロという移籍金に見合わないパフォーマンスも批判の的となっている。(via SPORT)
■【ファビオ・カペッロの回顧】
レアル・マドリードの歴史に名を刻む名将ファビオ・カペッロが、かつての教え子たちについて衝撃的な事実を明かした。ロナウド・ナザリオについて『彼が合流した時、W杯で優勝した時の体重を聞くと84キロと答えた。今は?と聞くと94キロだった。彼はグループにとってネガティブなリーダーだった。練習もせず、チームメイトに影響を与え、女とパーティーのことばかり考えていた。ベルルスコーニから電話があった時、女のことしか考えていない太った奴だと言ったら、翌日ミランへ移籍した』と赤裸々に語った。また、アントニオ・カッサーノについては『彼はマドリードで多くのことをした。バロテッリと共に失われた才能の例だ』と惜しみつつ、自身がマドリードを離れてミランに戻ったことは最大の過ちだったと後悔の念を口にした。(via MARCA)
【本日の総括】
エスパニョール相手に苦しみながらもヴィニシウスの圧巻の2ゴールで勝利を収め、次節クラシコでのパシージョを回避したレアル・マドリード。ムバッペの休暇問題やメンディの再負傷、指揮官と一部選手の亀裂などピッチ外での火種は尽きないが、タキシードではなく泥に塗れたユニフォームで戦うというアルベロア監督の哲学のもと、カンプノウでの決戦へ向けてチームは再び結束しようとしている。

デスクコメント
戦術デスク
配置と起用法から読む
前半はシステムに迷いが見られ、攻撃の厚みが足りなかった。しかし、後半開始前のバルベルデによる円陣と、ゴンサロ・ガルシア、マスタントゥオーノといったカンテラーノ投入によるシステム変更が効果的だった。特にゴンサロのパスセンスはヴィニシウスの先制点を引き出し、チームにリズムをもたらしたと言える。メンディの負傷は痛いが、フラン・ガルシアの奮闘はポジティブな要素。判定への不満はあったものの、後半の修正力で勝利を引き寄せた点は評価できる。
クラブ動向デスク
フロントとクラブの空気を追う
ムバッペの休暇問題やセバージョスとの関係破綻など、ピッチ外の火種が絶えない状況はクラブの空気として懸念材料だ。アルベロア監督は「泥と汗と努力」を説き、チームに献身を求めているが、一部選手との間に溝があることは否めない。それでも、ヴィニシウスがチームへの忠誠心と来季への決意を語った点は、苦しい時期を乗り越えるための精神的な支えとなるだろう。異例のピッチ上での円陣も、チームの結束を促す試みとして注目したい。
移籍・契約デスク
契約・補強・登録を整理する
メンディの度重なる負傷は、彼の契約や今後の編成を考える上で大きな課題となる。今季の出場時間を見ても、戦力としての計算が難しい状況だ。カルバハルも今季限りとなる可能性が高く、ベテランの去就と若手の台頭という編成のバランスが問われる。ムバッペの加入が現実味を帯びる中で、既存戦力の維持や補強ポイントの整理は急務と言える。カンテラーノの活躍は、クラブの財産としてポジティブに捉えたい。