アルベルト・バスケス コパ・デル・レイでエルチェ時代の親友と激突するアマチュアMF
かつてエルチェCFの下部組織で育ち、現在は6部ピナタールに所属する28歳のMF、アルベルト・バスケスが、コパ・デル・レイ1回戦で古巣との運命的な対戦を迎える。育成年代で最高のパートナーであったエルチェのMFゴンサロ・ビジャールとの対決は、カテゴリーの垣根を超えた絆の物語として注目を集めている。
コパ・デル・レイの初期ラウンドは、格上クラブにとっては過密日程における選手起用のテストや調整の場となり、アマチュアクラブにとっては大きな収益と貴重な経験を得る機会となる。しかし、火曜日にピナタールのホームであるホセ・アントニオ・ペレス・スタジアムで行われる一戦は、二人のフットボーラーにとって何物にも代えがたい特別な意味を持っている。
バスケスとゴンサロ・ビジャールの関係は、二人がわずか8歳だった頃にレアル・ムルシアのベニハミン年代で出会ったことから始まった。ムルシア生まれの二人はすぐに意気投合し、2012年にそろってエルチェCFのカデテへと移籍した。それから長年にわたり、二人は同じロッカールームで汗を流し、絆を深めていった。ピッチの上では、ボランチの位置から鋭いパスを供給するゲームメイカーのゴンサロ・ビジャールと、その一歩前で攻撃のアイデアを形にするトップ下のバスケスという黄金ラインが形成され、チームの攻撃を指揮した。かつては二人揃って名門リヴァプールの下部組織へ入団テストを受けに行ったこともあるほど、互いの才能を認め合う間柄であった。
やがて二人の歩むルートは対照的なものとなっていった。ゴンサロ・ビジャールはバレンシアの下部組織を経由した後にエルチェのトップチームへ復帰し、中盤の主力として背番号14を背負うプロ選手へと登りつめた。一方のバスケスも、2017-18シーズンの2018年1月6日、当時2部Bに属していたエルチェのトップチームでサバデル戦に出場し、念願の公式戦デビューを果たした。だが、2018年の夏に6年間過ごしたエルチェを退団してからは、カルタヘナやカディスのBチーム、ロルカ・デポルティバ、アトレティコ・サンタ・クルスなど、地方のクラブを渡り歩く苦難の道を歩むことになった。
現在28歳となったバスケスは、昼は不動産会社で働く社会人として汗を流し、夜は6部ピナタールでプレーを続けるアマチュア選手だ。コパ・デル・レイの対戦相手がエルチェに決まった瞬間、バスケスが最初に取った行動は、ゴンサロ・ビジャールへメッセージを送り、試合に帯同するかどうか尋ねることだった。ゴンサロ・ビジャールから『自分も遠征に帯同する』という返信を受け取ったバスケスは、即座に試合後のユニフォーム交換を約束し、幼少期からの夢が現実になる喜びを噛み締めた。
バスケスは当時の思い出について『自分たちは何年もロッカールームを共有し、本当に特別な関係を築いてきた。ピッチの中でもお互いの動きが手に取るように分かっていた』と語り、特別な一戦への期待を隠さない。アマチュア選手として日々仕事とサッカーを両立させてきた彼にとって、かつて憧れた古巣のトップチームと戦うこの夜は、フットボール人生における最大のハイライトとなる。
プロとして第一線で戦うゴンサロ・ビジャールと、仕事を終えた後にピッチへ立つバスケスという対照的な二人だが、フットボールに対する情熱に違いはない。この一戦は、単なる1部と6部の格差対決ではなく、カンテラという場所で育まれた熱い友情と青春の証明であり、コパ・デル・レイという大会が持つ真の魅力を示している。(via SPORT)