サン・マメスの招待券廃止を巡りクラブ内に嵐…レジェンドのゴイコエチェアが会長を猛批判
セルタ・デ・ビゴ戦、アトレティコ・マドリード戦とラ・リーガで連勝を飾り、ピッチ上ではポジティブなムードが漂うアスレティック・ビルバオだが、クラブ経営陣と関係者の間では深刻な場外トラブルが勃発している。問題となっているのは、ジョン・ウリアルテ(Jon Uriarte)会長および理事会が断行した「サン・マメスにおける招待チケット(entradas de cortesía)制度の撤廃」と「レザマでの無料食事の廃止」というドラスティックなコスト削減・運用変更策である。
招待券制度は、長年にわたりクラブ職員や元選手(OB)、関係者グループに提供されてきた優待枠であったが、クラブはこれを廃止し、代替措置として「団体医療保険」の提供へ切り替える方針を打ち出した。これに対し、大きな不満を抱いたクラブ職員らは最高経営責任者(CEO)のジョン・ベラサテギ宛に反対の抗議文を送付。『サン・マメスへの従来の招待チケット制度を撤廃し、それを団体医療保険へと置き換えるという決定に対し、私たちは最も強い反対の意思を表明いたします』と強い反対姿勢を示した。さらに、トップチームの選手たちも職員らの動きに連帯を示しており、レザマでの無料食事提供の取りやめ等も含めたクラブ側の姿勢に対し、ウリアルテ会長へ直接送付する共同抗議文への署名を検討している状況である。
この騒動に対し、最も強い語気でクラブ経営陣を糾弾したのが、クラブ黄金期に最後となるラ・リーガ優勝を勝ち取った伝説的DFであり、現在はホセ・アンヘル・イリバルらと共にアスレティック・クラブ財団のアンバサダーを務めるアンドニ・ゴイコエチェア(Andoni Goikoetxea)氏である。
ゴイコエチェア氏はラジオ局「Cadena SER」の番組に出演し、元選手たちの立場から次のように憤りを露わにした。
『私がアスレティックに在籍して以来、招待チケットは常に存在していました。しかし今やそれがなくなってしまった。クラブ側の言い分は、ソシオになりたがっている人々が何千人もおり、招待枠を取りやめることがそうした人々を受け入れる道になるというものですが、正直疑問です。アスレティックの元選手たちにとって、これは本当に酷い仕打ちです。このような件で、全員を同じ扱いにするべきなのでしょうか。決してそうではないはずです』
さらに同氏は、クラブに人生を捧げた元選手と一般ソシオの重みの違いを強調し、配慮の欠如を猛批判した。
『アスレティックのために身体を張り、両膝を痛めつけて戦い抜きながらも、自腹で試合観戦に通えるほどの経済的余裕がない元選手がいたとします。クラブのために全てを捧げ、膝がボロボロになって障害認定を受けざるを得なかったような元選手と、サン・マメスに来て失うものが自宅で作ってきたサンドイッチくらいという一般のソシオを同列に扱うのは間違いです。クラブのために全力を尽くした元選手に、試合を観るための招待券一枚すら渡せないというのは、個人として全く納得がいきません』
批判の火の手は前会長のアイトール・エリセギ(Aitor Elizegi)氏からも上がっている。ウリアルテ現会長は歴代のクラブ会長経験者に対し、VIPボックス席の生涯利用権(palco-bono)を保障することで火消しを図ろうとしたが、エリセギ前会長は『理事会がソシオの承認を得ることなく、特定の人間にこれらの座席を譲渡する権限があるのかどうか、強い疑問を抱いています。“VIPボックス年間パス”という概念自体、私たちのクラブ定款のどこにも存在しません』と述べ、現経営陣の手法は定款違反の疑いがあると鋭く指摘した。ピッチ外での不協和音は収束の気配を見せておらず、今後の動向が注視されている。(via Estadio Deportivo)