極限のハイラインに挑む守備陣の葛藤とライバル失速の追い風
フリック監督が構築するバルセロナのフットボールにおいて、センターバックを務めることは、まさに「生命保険なしで空中ブランコを跳ぶような、極めてリスクの高い過酷な職業」と言えます。フリック監督の戦術は、極限まで押し上げられたアグレッシブな守備ラインを要求し、ミリ単位での緻密なオフサイドトラップと、ミスが一切許されない超高速の状況判断を要求します。
昨シーズン、この先進的なシステムは、中盤での不用意なボール失いから幾度となく対戦相手に高速カウンターを浴び、特に守備の綻びが出やすいヨーロッパの舞台において多くの失点を重ねる原因となっていました。しかし今シーズン、フリック監督はパウ・クバルシとジェラール・マルティンという、信じられないほどの集中力を維持し続ける若きセンターバック・デュオを確立。先日のメスターヤでのバレンシア戦では5-0の完璧な大勝でクリーンシートを飾り、中盤の底で凄まじいフィルター役を果たすロドリの存在も相まって、守備陣が後ろ向きに全力疾走せざるを得ない致命的な局面を最小限に抑えています。
ジェラール・マルティンは、バレンシア戦後の取材で、このあまりにも過酷なタスクについて、率直な胸の内を語りました。ハイラインでの守備について、彼は『常にシチュエーション・リミット(極限状態)に置かれるため、正直に言えば少しストレスを感じている。しかし、自分たちはこのアグレッシブなスタイルに非常に心地よさを感じており、位置取りや周囲の監視、警戒を常に微調整しながら、すべての瞬間に集中して取り組んでいる。完璧なポジショニングができない瞬間もあるが、それが自分たちのフットボールだと受け止めている』と、張り詰めた緊張感の中で戦い抜く覚悟を力強く口にしています。
フリック監督はジェラール・マルティンの見事な成長ぶりに完全に魅了されており、今シーズン彼がピッチ上で犯したいくつかの小さなミスも、開幕4連勝(勝ち点12)というあまりにも完璧な結果の陰で、サポーターたちから不満の声が上がることは一切ありません。
さらに、今夏にクラブが獲得を最優先と位置付けながらも結局見送った「左利きの屈強なストッパー」の理想像について、ラ・リーガのライバルであるレアル・マドリードがベティスと0-0で引き分けた試合で、ベティスの25歳のブラジル人DFナタンが見せた神がかったパフォーマンスが大きな話題となりました。ナタンは圧倒的な身体能力、空中戦、そして異次元のスライディングタックルでマドリードの超強力攻撃陣を完全に封じ込めました。バルサは今夏、1億ユーロを投じたフリアン・アルバレスの獲得を見送ったものの、このライバルの痛烈な足踏みにより、早くも宿敵レアル・マドリードに対して勝ち点3差をつけて単独首位を独走する、最高の追い風を手に入れています。(via SPORT)