元主将プジョルが明かす「驚くほど穏やかな私生活」と「2011年アビダルへキャプテンマークを託した感動の舞台裏」

バルセロナとスペイン代表の偉大なレジェンドであるカルレス・プジョルが、ドイツのベルリンで開催されたイベントに出席し、現在の素朴で穏やかな日常生活と、サッカー史に刻まれる2011年チャンピオンズリーグ決勝での感動的な裏話を語りました。

ピッチを退いてから10年以上が経過したプジョルですが、現在でもフットボールの試合を観るときは胸が高鳴ると明かします。ただ、それは現役時代とは少し異なる性質のものであるようです。

『私にとってフットボールは今でも情熱そのものだ。約20年間にわたり、人生のクラブであるバルセロナで大好きなフットボールができたのは本当に幸運だった。今は家庭からクラブを応援しているが、試合が始まると今でも本当に緊張してしまう。現役のときは試合前が最も緊張したものだが、今はサポーターとして試合開始の瞬間が近づくにつれて、より大きな緊張に襲われるんだ』

現在48歳となったプジョルは、普段の日常生活について、現役時代の熱い闘争心からは想像もつかないほど家族思いで穏やかな姿を明かしました。

『引退後も世界中を旅して講演を行ったり、レジェンドマッチに出場したりと活動的に過ごしているが、仕事がない日の日常生活はとても静かで、家族中心だ。朝は10歳と12歳の幼い娘たちを自分で学校へ送り届け、それから自分のための時間として山へ犬たちとハイキングに出かけたり、スポーツをしたり、数回のミーティングをこなす。夕方には再び娘たちを迎えに行き、家で一緒に過ごす。この静かで家庭的な毎日こそが、私の大好きな生き方なんだ』

そしてイベント中、最も会場を感動させたのは、2011年のウェンブリーで行われたマンチェスター・ユナイテッドとのチャンピオンズリーグ決勝の話題でした。当時、癌の診断を受けて過酷な闘病を乗り越えたばかりのチームメイト、エリック・アビダルに対し、プジョルはキャプテンマークを譲り、トロフィーを最初に掲げる栄誉を授けました。プジョルはその瞬間の裏で交わされた生々しい対話を初めて振り返りました。

『エリックの癌闘病はチーム全員にとって本当に大きな精神的打撃だった。当時、私も膝の怪我を抱えて治療用のベッドの上にいたが、彼がどれほどの努力を重ねて再びこの決勝の舞台に立ったかを考えたとき、トロフィーを掲げるにふさわしいのはエリックしかいないと確信した。私は彼のところへ行き、こう声をかけたんだ』

『エリック、兄弟よ、お前こそがこのカップを掲げるのにふさわしい男だ。このキャプテンマークを受け取ってくれ』

アビダルは突然の提案に驚き、本当にいいのかと何度も問い返したと言います。それに対し、プジョルはこう答えました。

『いいから、この素晴らしい瞬間を全身で楽しんでくれ。これから先、いろんな人からカップを掲げたときに何を感じたか聞かれることになるだろうが、きっと言葉では説明できないほどの魔法のようで、ユニークな瞬間になるから』

この決断についてプジョルは、自身が考える理想のリーダーシップ論を交えながら、誇らしげに語りました。

『本物のリーダーやキャプテンというのは、常に個人の利益よりもチームの利益を最優先しなければならない。私のキャリアを通じて、バルセロナというクラブは常に私自身よりも前にあった。リーダーシップには言葉で引っ張る方法と、自ら手本を示す方法の2つがあるが、私は後者の手本を示す生き方を信じている。言葉は人を説得するが、自らの行動こそが人を引きつける。言うだけで実行しないリーダーに誰もついてはいかない。自分が最初に動くからこそ、全員が後に続くんだ』 (via SPORT)