アンセルミ戦術の誤算と前体制との違い
今季初勝利をもぎ取るべく臨んだラシン戦。マーティン・アンセルミ監督は、現在のスカッドにおいて理論上の主力と目される3名のセンターバック(アッフェングルバー、チュスト、ビガス)を、今シーズン初めて同時にピッチへ並べる決断を下しました。
この守備ラインの構築において、アンセルミ監督は前任のエデル・サラビア前監督とは全く異なる戦術的アプローチを試みていました。
サラビア前体制では、オーストリア人DFアッフェングルバーを中央に配置し、チュストを右サイドのカバーに回すフォーメーションを重用していました。しかしアンセルミ監督はこれを逆転させ、アッフェングルバーを右サイド、チュストを中央に配置。さらに開幕2試合で中盤の守備役としてスタメン起用されていたフェデ・レドンドに代わり、ビガスを左サイドのセンターバックとして今季初先発させました。
しかし、この新しい守備陣のテストは悲劇的な機能不全を露呈することになります。
特にエルチェの右サイド(アッフェングルバーと若手ブバ・サンガレ)は、ラシンのサリナス、イニゴ・ビセンテ、カナレスによる流れるような左サイドからの攻撃に終始狙い撃ちにされ、大混乱に陥りました。右サイドのコンビは相手の侵入を一切抑え込むことができず、守備組織はあっけなく崩壊。
守備陣が混乱を極める中、そのしわ寄せは守護神ディトゥロにも及び、エリア外でのあり得ないボール処理ミスから1失点目を喫し、2失点目ではマーキングの致命的なズレから相手のザビリを完全にフリーにしてしまいました。さらに3失点目では、目の前へ飛んできた強力なシュートをディトゥロが弾ききれずゴールに吸い込まれました。失点の直後、若きブバ・サンガレは「もし自分が確実にクリアできていれば失点を防げたかもしれない」と顔を覆い、激しく後悔する姿を見せていました。(via SPORT)