猛勉強の末に掴んだ司法試験合格と28歳での首席裁判官就任

現役引退後の2021年1月、ハビエルは自室に閉じこもり、司法試験(オポジシオン)に向けた勉強を開始しました。サッカーの世界で味わった深い失望と徒労感から、机に向かって座り続ける生活すら快適に感じられ、『ここなら怪我をすることはない』と安堵したほどでした。

それまで毎日3時間のトレーニングと午後のジムワークに励んでいたアスリート生活から一転、週6日間、朝から晩まで机に向かう超・机上生活へと移行しました。勉強の時間を区切るためだけに食事を摂る生活と試験の猛烈なプレッシャーにより、体重は現役時代の78〜79kgから、合格時には66〜67kgへと激減し、ガリガリに痩せ細りました。

一般的に長期間を要する難関司法試験ですが、ハビエルはわずか3年弱という異例の速さで2023年11月に見事合格を果たしました。彼はサッカー界での苦い経験こそが合格の原動力だったと語ります。

『サッカーでの経験がなければ、私は絶対に合格できませんでした。挫折に耐える能力、レジリエンス、そして自分が全力を尽くしたとしても、多くの物事は自分次第ではどうにもならないという現実を受け入れる力です。世間では「やればできる」という考え方が定着していますが、実際にはいくら望んでもできないことがあります。それでも自分の仕事を果たし、持てるすべての力で挑戦し続けなければならないのです』

合格後、バルセロナの司法学校で1年間の研修を受け、6ヶ月間の判事指導下での実習、さらに6ヶ月間の仮配属を経て、成績順による任地選択に臨みました。アラゴン州で唯一募集のあったエヘア・デ・ロス・カバジェロスを選択し、2026年2月、28歳にして第一審・捜査裁判所の首席裁判官に就任しました。

人件費や資材の不足により司法現場が停滞する中、地方都市の裁判官として市民一人ひとりの声に耳を傾ける重要性を実感しながら職務に励んでいます。 (via MARCA)