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セビージャFC 対 アストン・ヴィラ

親善試合 / Estadio Ramón Sánchez Pizjuán / 2026年10月3日(土)

セビージャFC 1-3 アストン・ヴィラ

試合サマリーと得点経過

2026年10月2日、代表ウィークによる公式戦中断期間を利用し、セビージャFCの本拠地エスタディオ・ラモン・サンチェス・ピスフアンにて第15回トロフェオ・アントニオ・プエルタが開催された。対戦相手として迎えたのは、かつてセビージャをヨーロッパリーグ3連覇へと導いたウナイ・エメリ監督率いるアストン・ヴィラ。クラブの伝説的選手である故アントニオ・プエルタ氏を偲ぶ特別な親善試合は、セビージャFCが1 -3でアストン・ヴィラに敗れる結果となった。

試合は、立ち上がりから代表招集や負傷で主力を欠きながらも意気込むセビージャと、プレミアリーグおよびUEFAチャンピオンズリーグでしのぎを削るアストン・ヴィラが激しく攻め合う見ごたえのある展開となった。前半はチデラ・エジュケの華やかなドリブル突破や、セビージャの若手ゴールキーパーであるフラン・ゴンサレスの好セーブもあり、互いに譲らず0 -0で折り返した。後半に入ると試合が大きく動き、セビージャが先制したものの、後半途中の大量選手交代を機に守備の強度が低下したセビージャに対し、アストン・ヴィラが怒涛の3ゴールを奪って逆転勝利を収めた。

各得点シーンの詳細は以下の通りである。

52分、セビージャが先制に成功する。攻撃の局面でグエン・ペケが素晴らしいスルーパスを受けてペナルティエリア内に進入し、そのままシュートを放つ。このシュートは相手ディフェンダーのハーウッド=ベリスにブロックされたものの、こぼれ球にいち早く反応したのが、かつてアントニオ・プエルタが背負った背番号16を引き継ぐイサック・ロメロだった。右足で冷静にゴールへ押し込み、チームに貴重なリードをもたらした。

70分、アストン・ヴィラが同点に追いつく。セビージャが自陣深くからビルドアップを図った際、途中出場したセビージャの若手マリオ・ディアスがプレッシャーを受けて痛恨のボールロストを犯す。これを素早く奪ったバークリーがペナルティエリア手前に持ち込み、右足を振り抜いてGKフラン・ゴンサレスの頭上を突き破る強烈なシュートを突き刺した。

78分、アストン・ヴィラが勝ち越しゴールを奪う。右サイド深くまで侵入したバークリーがゴール前へ低いクロスを供給。ボールはセビージャ守備陣の合間を縫ってゴールエリア前を通過し、セビージャの左サイドを守るマヌエル・アンヘルの背後へ抜ける。ここに逆サイドからフリーで走り込んだガルナチョが押し込み、1 - 2と試合をひっくり返した。

83分、アストン・ヴィラが試合を決定づける3点目を挙げる。ペナルティエリア手前でパスを受けたマックス・ジェナーが、鋭いキックフェイントで対峙したセビージャのセンターバック、ファビオ・カルドソを完全にかわしてペナルティエリア内へ侵入。そのまま飛び出してきたGKフラン・ゴンサレスの足元を抜く冷静な低いシュートをゴール左隅へ沈め、1 - 3とした。

戦術・采配のポイント

セビージャのルイス・ガルシア・プラサ監督は、代表活動で5名の主力(オディッセアス・ブラホディモス、ギオルギ・コチョラシヴィリ、ロビー・ウレ、アルーナ・サンガンテ、ガブリエル・スアソ)を欠き、さらにルベン・バルガスやルーカス・スタシンら怪我人も抱える苦しい舞台裏の中、4-2-3-1の布陣を選択した。前半から後半立ち上がりにかけては、前線からの連動したプレスとチデラ・エジュケやグエン・ペケの個の仕掛けを生かした素早いネガティブトランジションで、格上のアストン・ヴィラと対等以上に渡り合っていた。

一方、ウナイ・エメリ監督率いるアストン・ヴィラは、サイドの幅を広く使ったポゼッションと前線の高いインテンシティを維持。エイブラハムやバークリー、ガルナチョといった個の打開力を生かし、セビージャが前傾姿勢になった背後のスペースを狙う明確な戦術眼を見せた。

試合の明暗を分けたのは、後半におけるセビージャの監督采配と選手層の差であった。ルイス・ガルシア・プラサ監督は過密日程の回避と若手への経験付与を目的に、後半半ばからフェリックス・コレイア、ヨン・グリディ、ミゲル・シエラ、ファビオ・カルドソ、マヌエル・アンヘル、イブラ・ソウらを次々と投入する大量交代を断行した。

しかし、この交代策により守備の組織的強度が急激に低下した。特にビルドアップ時にプレッシャーを受けた若手マリオ・ディアスの判断ミスや、左サイドバックに入ったマヌエル・アンヘルのポジショニングの甘さが相手のつけ入る隙となった。さらに今夏ラ・リーガの選手登録から外れていたファビオ・カルドソが守備の局面で簡単に振り切られるなど、途中出場の守備陣がアストン・ヴィラの攻撃力に後手へ回った。また、負傷からの復帰戦となったマルカオが途中で再び身体の異常を訴えて負傷離脱するという最悪のハプニングも重なり、試合終盤のセビージャ守備陣は完全に後手を踏む格好となった。

現地メディアの選手採点・評価比較

試合後、MARCA, AS, SPORT, Mundo Deportivo,El Desmarqueといった現地各紙は、この一戦に出場したセビージャの選手たちに対して厳しい評価と一定の称賛を交えた採点を掲載した。

チーム内で最高の評価を受けたのは、先制点を挙げたフォワードのイサック・ロメロであった。採点(10点満点換算で7.0点前後)とともに、「公式戦ではないものの、アントニオ・プエルタの象徴である背番号16を着用して奪ったゴールは精神的な解毒剤となる」「前線での泥臭いポジショニングと決定力が光った」と絶賛された。また、先発出場したゴールキーパーのフラン・ゴンサレスも6.0点の平均点を獲得し、前半にアブラハムとの1対1を防いだ好セーブが高く評価された。終盤の3失点についても、MARCAやEl Desmarqueは「守備陣の崩壊によるものであり、キーパー個人に責任を求めるのは酷である」と同情的な見解で一致している。

対照的に厳しく糾弾されたのが、途中出場した守備陣である。1 -1の同点とされるきっかけとなるミスを犯した若手マリオ・ディアスには4.0点の低採点がつき、SPORTは「プロのインテンシティに呑まれた手痛い勉強料」と指摘した。さらに、3点目の場面で簡単にマックス・ジェナーにかわされたファビオ・カルドソに対しては、ElDesmarqueが0点という極めて辛辣な採点を付け、「ピッチに立たせること自体が間違いであり、守備の崩壊を決定づけた」と一蹴した。

また、途中出場したマルカオについては、採点以前の問題として「復帰戦で再び負傷離脱するという悲劇」「チームにとっても本人にとっても悪夢のような夜」と、度重なる怪我への懸念が現地メディア共通の論調として大きく報じられた。攻撃陣ではチデラ・エジュケが6.0点を獲得し、観客を魅了するフェイントを称賛される一方で、「観客を楽しませるパフォーマンスは見事だったが、ゴールに直結する効果性においては課題を残した」と対比された。

試合後の監督・選手コメント

試合後の記者会見およびフラッシュインタビューでは、両チームの指揮官と選手がこの特別な一戦への想いを語った。

アストン・ヴィラのウナイ・エメリ監督は、古巣サンチェス・ピスフアンへの凱旋とアントニオ・プエルタ氏への思いを感極まった様子で振り返った。「プロの指導者として、今日は非常に心揺さぶられる特別な一日となった。セビージャFCは私に勝者のメンタリティを教えてくれ、指導者として、そして人間として成長させてくれた特別な場所だ。スタジアムでファンから温かい拍手と名前のコールを受けた瞬間は鳥肌が立った。この素晴らしいトロフィーに招待してくれたクラブと、私を温かく迎えてくれたすべての人々に心から感謝したい」

セビージャFCのルイス・ガルシア・プラサ監督は、試合内容と守備陣の課題について率直な反省を口にした。「主力が揃っていた時間帯は、チャンピオンズリーグに出場している格上の相手に対しても素晴らしい強度で競り合えていた。しかし、交代枠を使っていく中でチーム全体の守備強度が落ちてしまい、個人のイージーなエラーから失点を重ねてしまったことは大きな反省点だ。親善試合とはいえ負けは悔しい。何より、復帰したばかりのマルカオが再び負傷してしまったことが今夜最大の痛恨事だ」

殊勲の先制ゴールを決め、精神的な手応えを得たセビージャのFWイサック・ロメロは、特別な背番号への誇りを語った。「相手がプレミアリーグでトップを走る強豪であることは分かっていたが、自分たちのサッカーを試しつつ、この特別な試合を観客とともに楽しむことを心がけた。アントニオ・プエルタの象徴である背番号16を背負ってゴールを決められたことは、親善試合であっても自分のキャリアにおいて深く心に残るものだ。公式戦でのゴールではないが、この自信を糧にして再開するリーグ戦へ向けて準備を進めていきたい」

セビージャFC 対 アストン・ヴィラ の背景データ