レアル・ソシエダ 対 アスレティック・ビルバオ
親善試合 / Reale Arena / 2026年10月3日(土)
試合サマリーと得点経過
- 日時: 2026年10月2日(金) 19:00キックオフ
- 会場: アノエタ・スタジアム(サン・セバスティアン)
- 観客数: 9,678人
- 大会名: 第10回 エウスカル・エリア・チャペラ(Euskal Herria Txapela)決勝
- スコア: レアル・ソシエダ 0 - 1 アスレティック・ビルバオ
- 得点者: マロアン・サナディ(58分)
代表ウィークによるリーグ中断期間を活用し、サン・セバスティアンのアノエタで開催されたバスクの宿敵対決「エウスカル・エリア・チャペラ」決勝。レアル・ソシエダやバスク代表で長年尽力したミケル・エチャリへのオマージュも捧げられた伝統の一戦は、互いに国際Aマッチ期間に伴う代表招集者を抱える中での激突となった。
前半、より組織的なプレッシングとサイドの推進力で主導権を握ったのはアスレティック・ビルバオだった。特に左サイドバックに配されたヨハネコが圧倒的な存在感を見せ、17分には鋭いカットインから右足で先制ゴールを網揺らしたものの、直前のハンドの判定によりゴールは取り消された。26分にもヨハネコの決定的なシュートをレアル・ソシエダの守護神アレックス・レミロが好セーブで防ぎ、前半終了間際の45分にはアイトル・パレデスのアシストからマロアン・サナディの強力なシュートがクロスバーを叩くなど、アスレティック・ビルバオが優勢のまま前半を0-0で終えた。
後半に入ると、レアル・ソシエダはゴールキーパーをウナイ・マレーロに交代。ウナイ・マレーロは立ち上がりにミケル・ハウレギサールやロベルト・ナバロの鋭いシュートを立て続けにビッグセーブで防ぎ、チームを救う。対するレアル・ソシエダもゴンサロ・ゲデスのスルーパスからアイヘン・ムニョスがネットを揺らしたものの、僅かなオフサイド判定に泣く。一進一退の攻防が続いた58分、ついに均衡が破れた。
【得点シーンの詳細(58分:アスレティック・ビルバオ)】
- 起点:
アスレティック・ビルバオの左サイド深くで、ボールをキープしようとしたヨハネコに対し、レアル・ソシエダの右サイドバックに入ったイニャキ・ルペレスが不用意なファウルを与え、フリーキックを獲得。
- 経由:
かつてレアル・ソシエダにも在籍していたロベルト・ナバロがキッカーを務め、右足で美しいカーブを描いた精度抜群のクロスボールをペナルティエリア中央へ供給。
- 仕上げ:
レアル・ソシエダの守備陣がラインを深く下げすぎてマークが手薄になった隙を見逃さず、フリーの状態で鋭く飛び込んだストライカーのマロアン・サナディが、ダイナミックなヘディングシュートをゴール左隅へ叩き込んだ。
失点直後にレアル・ソシエダはセルヒオ・ゴメスやアンデル・バレネチェアらを投入し、アンデル・バレネチェアのドリブル突破などを軸に同点を目指して圧力を強めたが、アスレティック・ビルバオはダニ・ビビアンやユーリ・ベルチチェらを投入して手堅くシャットアウト。0-1でタイムアップを迎え、アスレティック・ビルバオが通算4度目となる「エウスカル・エリア・チャペラ」の栄冠を手にした。
戦術・采配のポイント
レアル・ソシエダを率いるペレグリーノ・マタラッツォ監督は、1-4-4-2(守備時は5バック気味に変形)の陣形を採用。しかし、代表招集で9名、負傷でイゴール・スベルディアやエクトル・フォルトらを欠く極度のやり繰りを強いられ、Bチーム(サンセ)の若手を多数起用せざるを得なかった。トップ下に置かれたアルセン・ザハリアンを攻撃の引き出し役に据えたものの、中盤のユレン・ゴロチャテギやベニャト・トゥリエンテスが相手の激しいプレスに苦しみ、イージーなパスミスを連発。ライン間の距離が間延びし、ビルドアップでスムーズさを欠いた。
一方、エディン・テルジッチ監督率いるアスレティック・ビルバオは、4-4-2のコンパクトな陣形からアグレッシブなハイプレスを展開。ウナイ・シモンらの離脱に伴いゴールマウスを守ったミケル・サントスの背後で、アイトル・パレデスとイエライ・アルバレスが強固な中央の軸を構築した。とりわけ左サイドのヨハネコが戦術的キーマンとして躍動。対面するパブロ・マリンやイニャキ・ルペレスをスピードとテクニックで圧倒し、左サイドを完璧に制圧して攻撃の推進力を生み出した。
交代策においても両指揮官の狙いが対比を描いた。ペレグリーノ・マタラッツォ監督はハーフタイムにGKアレックス・レミロを下げる判断を下し、さらに58分のセットプレー守備直前というセオリー外のタイミングでアイヘン・ムニョス、アレックス・マルシャル、パブロ・マリンの3枚を一気に下げてセルヒオ・ゴメス、アンデル・バレネチェア、ダニ・ディアスを投入。しかし、この直後にマークのずれから失点を喫する結果となった。終盤にはカルロス・ソレールやBチームの若手を立て続けに投入し、変形3バックで前掛かりになったものの、決定打を欠いた。
対するエディン・テルジッチ監督は、ハーフタイムにイエライ・アルバレスとアレックス・ベレンゲールを下げてミケル・ハウレギサールとニコ・セラーノを投入し、中盤の運動量を保持。さらに61分にはアレックス・アレソ、オイハン・サンセト、ゲレナバレーナ、イニャキ・ウィリアムズの4枚同時替えを行い、主力級の攻撃カードを一気に切って主導権を渡さなかった。70分には昨季以来の長期負傷から復帰したスペイン代表DFダニ・ビビアンを投入して逃げ切り体制を整え、隙のないゲームマネジメントを完遂した。
現地メディアの選手採点・評価比較
現地各紙の採点や評価では、試合展開や個人のパフォーマンスに対するメディアごとの視点が見られた。
レアル・ソシエダ側で満場一致の最高評価を獲得したのは、後半からピッチに立ったGKウナイ・マレーロであった。Diario Vascoは最高点の「5点(5点満点)」をつけ、MundoDeportivoも「文句なしでチーム内最高のアクター」と絶賛。ミケル・ハウレギサールやロベルト・ナバロ、オイハン・サンセト、イニャキ・ウィリアムズの決定的なシュートを相次いで防いだセービングが高く評価された。
また、左サイドバックのアイヘン・ムニョスについても評価が高い。Diario Vascoは「4点」をつけ、前半の低調なチームの中で唯一左サイドから攻撃を活性化させた点や、幻となったゴールシーンでの果敢な攻撃参加を称賛した。一方、MundoDeportivoは「SOLID(堅実)」と評価しつつも、後半早い段階で下げられたことで左サイドの推進力が減退した点を指摘した。
一方で、評価が分かれたのがロシア代表MFアルセン・ザハリアンである。Diario Vascoは「3点」を与え、「前半は周囲との連携に苦しんだが、時間の経過とともにボールに絡む回数を増やし、攻撃の形を作ろうと奮闘した」と成長曲線を認めた。これに対し、MundoDeportivoは「DILUIDO(影が薄い、薄まった)」と厳しく評価。随所に才能の片鱗は見せたものの、パスミスやカウンター時の判断の遅さが目立ち、90分間を通して試合を決定づける存在感を示せなかったと断じた。
右サイドバックで起用されたイニャキ・ルペレスに対しては厳しい声が集まった。DiarioVascoは最低点となる「1点」をつけ、ヨハネコとの1対1で後手に回り続けた点や、決勝点を与える原因となった不要なファウルを犯した点を敗因に挙げた。
アスレティック・ビルバオ側では、左サイドから幾度もチャンスを創出し、幻のゴールや強烈なミドルシュートを見せたヨハネコに対し、Mundo DeportivoやSPORT、Estadio Deportivoなどの各紙が絶賛の嵐を送った。また、クロスバー直撃弾に加え、空中戦の強さを見せて決勝ヘディング弾を叩き込んだマロアン・サナディには、MARCAやEstadio Deportivoが「復活を強烈にアピールしたヒーロー」として高い評価を与えている。
試合後の監督・選手コメント
レアル・ソシエダのペレグリーノ・マタラッツォ監督は、敗戦を受け止めつつ相手の出来を称えた。
「難しい試合だった。アスレティック・ビルバオの方が優れたチームであり、勝利を祝福したい。立ち上がりは悪くなかったが、単純なボールロストを繰り返したことで自分たちのリズムを完全に狂わせてしまった。ハイプレスをかける体力が残っておらず、ボールを持っても危険な局面を作り出せなかった。今日の敗北は妥当な結果だ。アルセン・ザハリアンはパスミスこそあったものの常にボールを引き出そうと姿勢を見せてくれたが、ベニャト・トゥリエンテスやユレン・ゴロチャテギのいる中盤でもっとゲームを支配する必要があった。ただ、アイヘン・ムニョスやパブロ・マリンなど、しばらく実戦から遠ざかっていた選手たちが多くのプレー時間を消化できたことは、今後のリーグ戦に向けた前向きな材料だ」
アスレティック・ビルバオのエディン・テルジッチ監督は、プレシーズン大会でのタイトル獲得とチームの成長に満足感を示した。
「代表中断期でのダービーだったが、チームとしてまとまりがあり、高い強度のプレッシングを維持できたことに満足している。特に長期の膝の負傷から復帰途上にあるマロアン・サナディがこうして見事なゴールという結果を出してくれたことは、彼自身にとってもチームにとっても最高のニュースだ。また、パルバジス(恥骨痛)の負傷を乗り越えてダニ・ビビアンがピッチに戻り、今季初のプレー時間を残せたことも非常に嬉しい」
試合中に圧倒的なセービングを披露したレアル・ソシエダのGKウナイ・マレーロは、自身の役割について力強く語った。
「自分はいつでもピッチに立つ準備をしている。誰を先発起用するかを決めるのは監督だが、出番が回ってきた時にチームを助けられるよう全力を尽くすだけだ。クラブからも周囲からも強い信頼を感じている」
また、負傷から復帰して先発出場を果たしたレアル・ソシエダのMFパブロ・マリンは、実戦復帰の重みを口にした。
「チームとしては悔しい結果になったが、個人的には長い怪我の期間を経てこうして先発でピッチに戻り、強度のある試合でプレー時間を重ねられたことが大きな一歩になった。課題を修正し、次のリーグ戦へ向けて準備を進めたい」
レアル・ソシエダ 対 アスレティック・ビルバオ の背景データ
レアル・ソシエダ
この試合の前
- 9月21日(月) @ バレンシア 2-3(勝)
- 9月18日(金) vs ボーンマス 1-2(敗)
- 9月14日(月) vs アトレティコ・マドリード 0-3(敗)
この試合の後
アスレティック・ビルバオ
この試合の前
- 9月19日(土) vs デポルティーボ・アラベス 0-0(分)
- 9月13日(日) vs エルチェCF 1-1(分)
- 9月5日(土) vs アトレティコ・マドリード 3-0(勝)
この試合の後
- 10月10日(土) @ ラージョ・バジェカーノ 未定
- 10月18日(日) @ バレンシア 0-0(分)