ムバッペとモウリーニョが抱く「CL制覇」への並々ならぬ執念:新シーズンに交錯する奇妙な因縁と歴史

キリアン・ムバッペとジョゼ・モウリーニョ。レアル・マドリードで共闘することになった二人の天才は、かつてないほど激しい「ヨーロッパ制覇への執念」で結ばれています。

ムバッペにとって、チャンピオンズリーグ(CL)の戴冠は、プロキャリアにおける最大の悲願です。PSGで過ごした7シーズンの間、あと一歩で届かなかったこのトロフィーを求めて白い巨人へとやってきました。皮肉なことに、彼が去った後のPSGはCL2連覇を飾っています。

ムバッペはPSG時代、CLについて『毎年挑戦し続けてきたし、これからも挑む。それこそが自分の望むすべてだ』と公言し、それを自らの執念と位置づけていました。マドリー移籍後には、さらに直截的に『自分にまだ残されている偉大なタイトルは何か。それはチャンピオンズリーグに他ならない』と言い切っています。

最も戴冠に近づいたのは2020年、決勝でハンジ・フリック率いるバイエルンに敗れた時でした。その後、PSGでの欧州挑戦は失敗を重ね、2023年に再びバイエルンに敗退した際には『これが自分たちの限界だ。それが真実だ。これ以上は魔法でも使わなければどうしようもない』と漏らし、フロントの補強戦略へ暗に不満を示していました。

しかし、憧れのレアル・マドリードに移籍してからの2年間も、いずれも準々決勝で敗退(1年目はアーセナル、2年目はバイエルンが相手でした)。直近の敗退時には悔しさを滲ませながらも、『マドリードというクラブにおいて、失敗という言葉は過去にも現在も、そして未来永劫、選択肢にすら入ることはない』と力強く巻き返しを誓いました。

一方で、モウリーニョ監督にとってもマドリーでのCLは、キャリア最大のトゲとなっています。ポルトやインテルで欧州の頂点に立った名将ですが、かつてマドリーの監督を務めた第1期(2010〜2013年)には、一度も決勝の舞台にすら立てませんでした。

当時、6年連続ベスト16敗退と落ちぶれていたクラブを立て直し、3年連続で準決勝にまで引き上げたものの、最後までベスト4の壁を破れませんでした。

特に痛烈だったのは2012年、バイエルンとの準決勝です。PK戦までもつれ込んだ激闘の末、クリスティアーノ・ロナウドやカカ、セルヒオ・ラモスといった名手たちが次々と失敗。モウリーニョ監督がピッチに膝を突き、祈り敗れた姿は強烈な印象を残しました。

退任時、彼は『3シーズン連続のベスト4など、私のエゴを満足させるものでもなければ、納得できる結果でもない』と無念さを吐露しました。彼が去った翌年から、マドリーは5度のCL制覇を成し遂げていますが、モウリーニョ監督は『私には何の関係もない。それらはカルロ・アンチェロッティやジダン、そして選手たちとファンの功績だ』と語り、自身の功績ではないと一貫して主張しています。

だからこそ、再びマドリーの指揮官に戻ってきた彼の胸中は、未完の仕事への渇望で満ちています。ムバッペは、モウリーニョ監督への深い信頼を口にしており、『彼は勝利の方程式を熟知しており、我々が勝つためにどの方向へ進めばいいのか、進むべき道を明確に示してくれる』と語っています。

さらに、今大会のリーグフェーズは二人にとって因縁深い相手との遭遇が待っています。

モウリーニョ監督がかつて欧州三冠を達成した古巣インテルがベルナベウを訪れ、彼が近年タイトルをもたらしたローマへのアウェー遠征が決定。そしてムバッペにとっては、マドリーでの初CLで敗退の苦杯をなめさせられたアーセナルとのアウェー対決が組まれています。

互いに強い飢えを抱く師弟が、聖地ベルナベウで悲願のビッグイヤー掲揚へと動き出します。(via SPORT)