移籍・補強動向:アコル・アダムスの売却構想

慢性的な財政難を抱えるクラブにとって、今年の夏も赤字削減のための選手売却は避けて通れない至上命題となっている。昨夏はドディ・ルケバキオをベンフィカへ、ロイク・バデをバイエル・レバークーゼンへ売却して計約5000万ユーロを捻出し、さらにスタニス・イドゥンボをモナコへ1000万ユーロで放出した。しかし、現在のスカッドには彼らのような高額な移籍金をもたらす資産が見当たらないのが実情である。

その中で、経営陣が現有戦力の中で最も市場価値が高く、ルケバキオやバデの売却額に近い金額を引き出せると踏んでいるのが、ナイジェリア人FWアコル・アダムスである。アダムスは昨季の冬の移籍市場でビクトル・オルタ前SDの主導により、ノルウェーのリールストロムでの活躍を経てフランスのモンペリエから550万ユーロで加入した。当初は負傷の影響もあり4試合で無得点に終わり、失敗の補強という烙印を押されかけた。しかし直近のシーズンではリーグ戦32試合で10ゴール3アシストを記録。エスパニョール戦やビジャレアル戦で残留を決定づける貴重なゴールを決め、キャリア最高の評価を確立した。

さらに、W杯に出場するナイジェリア代表としても存在感を高めており、直近の8試合で4ゴールを記録。W杯直前に行われたポルトガルとの親善試合でもゴールを挙げたことで、その評価は国際的にも上昇している。現在、専門サイトでの市場価値は1500万ユーロに達し、インテルに800万ユーロを支払って保有権の90%を獲得したルシアン・アグメと並んでチームトップの評価額となっている。ただし、アグメは利益を出しにくい契約形態であるため、アダムスこそが最大の資金源とみなされている。

クラブはアダムスの移籍金として2000万ユーロから2500万ユーロを設定し、すでに市場に売り込みをかけている。オリンピック・マルセイユがボーナス込みで1800万ユーロのオファーを提示し、さらにニール・モペイを取引に含めて移籍金を下げる提案を行っている。また中東のクラブからも打診があったが、26歳のストライカーは中東行きに難色を示している。2029年までセビージャと契約を残すアダムス本人は、『常に多くの噂があるけれど、今はまったく心配していない。セビージャとの契約があるし、今後どうなるか次第ではあるが、ここでとても幸せだ』と語り、自身の去就について落ち着いた姿勢を崩していない。(via Estadio Deportivo)