CLで相まみえる元カンテラーノ、ミカ・マルモルの数奇な運命
チャンピオンズリーグの次戦でバルサをホームに迎えるオランダの名門フェイエノールトには、バルサに非常に深いルーツを持つ2人の人物がいます。一人は現役時代にライカールト率いるバルサで左サイドバックとして活躍したジオ・ファン・ブロンクホルスト監督。そしてもう一人が、現在25歳となり、敵の守備の要として君臨するカンテラ出身のディフェンダー、ミカ・マルモルです。
ミカ・マルモルという選手は、ラ・マシアの歴史において極めて特別な象徴的意味を持っています。かつて、バルサの育成組織における最年少チームは「ベニハミンB(U-9)」でした。しかし、2008-09シーズン、クラブはさらなる早期育成を目指し、史上初となる最年少カテゴリー「プレベニハミン(U-8)」を創設。その記念すべき初代U-8チームの第1期生として加入したのが、少年時代のミカ・マルモルだったのです。
ジョルディ・プッチ監督率いるその初代チームで、ミカは後にレガネスなどで活躍するアドリア・アルティミラとともに、チームを牽引する二大巨頭として大活躍しました。当時は左サイドバックでありながら、非常に小柄な体格に似合わない、左足から放たれる強烈で正確なシュート、精密極まるピンポイントクロス、そして卓越した状況判断力を武器に、信じられないほどのペースでゴールを量産していました。
しかし、成長期にフィジカルが周囲に追いつかなかったことで一度はバルサからの退団を余儀なくされます。その後、地元の名門ダムやジャバといった育成クラブで泥臭く牙を研ぎ続け、2017-18シーズンにフベニールBのメンバーとして念願のラ・マシア復帰を果たしました。体格が大きく成長したことで、彼のプレースタイルは一気に競争力を増します。最大の武器である左足のパス精度はさらに洗練され、フラン・アルティガやガルシア・ピミエンタといった名指導者たちの手によって、バルサのフットボールを体現する完璧な「左利きセンターバック」へとコンバートされました。
18歳でBチームデビューを果たすと、トップチームを率いていた同郷テラサ出身のシャビ・エルナンデス監督にその才能を見出され、ヘタフェ戦で1分間だけトップのピッチに立ち、公式戦デビューという最愛の夢を叶えました。その後はアンドラ、ラス・パルマスと着実にステップアップし、今夏にジオ監督が率いるフェイエノールトへ完全移籍。そこではビルドアップ時に左の3バックに可変し、守備を盤石にする極めて重要な役割を任され、絶対的な主力として君臨しています。
ミカはこれまで、バルサとの対戦経験はあるものの、それらはすべて暫定本拠地であったモンジュイックでのものでした。改修された美しきSpotifyカンプ・ノウのピッチに、アウェイの選手として立つのは今回が初めてです。同じく初代プレベニハミン出身である超新星ラミン・ヤマルが彼に襲いかかる瞬間、ラ・マシアの誇りと歩んできた歴史がエモーショナルに交錯することになります。(via SPORT)