わずか23分間の悲劇…マルチャルが遭遇した「途中出場の途中交代」というクラブ史上26度目の珍事

エルチェ戦において、アレックス・マルチャルが「途中交代でピッチに入った選手が、さらに途中で交代させられる」という、サッカー界でも極めて異例な出来事の当事者となった。ソシエダがクラブ創立117周年を迎えた記念すべき日に起きたこの劇的なドラマは、厳しい戦術的現実を突きつけるものとなった。

レアル・ソシエダの長い歴史の中でも、負傷以外の理由で途中出場の選手がさらに途中交代させられたケースは、過去にわずか26回しか存在しない。

アクシデントの引き金となったのは57分の采配だった。2-0でリードしていた場面で、マタラッツォ監督はサールとゲデスを下げ、ジョン・マルティンとマルチャルを同時にピッチへ送り込んだ。守備の強度を高めつつ、攻撃にフレッシュさとコントロールをもたらす狙いだったが、この二重交代は裏目に出ることとなる。投入直後、マルチャルからズベルディアへのバックパスが乱れたことをきっかけに混乱が生じ、そのわずか3分後の60分にジョン・マルティンが一発退場処分を受けた(直前にはスチッチの0-3となるゴールがVARで取り消される波乱もあった)。

10人となったソシエダの陣形は大きく乱れた。指揮官はマルチャルを急遽5バックの右ウイングバックに配置し、アランブル、ズベルディア、ヤンジェル・エレーラを3CBに据えて体制を立て直そうとした。ピッチ内では主将のオヤルサバルが必死にポジション修正の指示を出し続けたものの、守備組織の混乱は収まらず、67分から73分までのわずか7分間でエルチェに2点を奪われ、2-2の同点に追いつかれてしまう。

勢いに乗る相手に逆転されかねない危機的状況を受け、マタラッツォ監督は決断を下した。投入からわずか23分間しか経っておらず、ピッチ上で苦戦を強いられていたマルチャルを下げ、アップダウンを本職とするヘクター・フォルトを緊急投入してデビューさせた。

マルチャルが味わった深い悔しさは、89分にスチッチが劇的な勝ち越しゴール(2-3)を決め、チームが勝ち点3を持ち帰ったことで大きく救われる形となった。

負傷ではなく純粋な戦術的判断によって途中出場の選手が交代させられたのは、2021年1月13日に行われたバルセロナとのスーパーカップ準決勝(PK戦を見据えてサルドゥアに代えバウティスタを投入した一戦)以来、5年半ぶりの珍事となった。なお、負傷による途中交代を含めると過去5年半で8例あり、ザハリャンが3度経験しているほか、カディス戦でトラオレとアリツが共に負傷交代したケースや、昨季コパのオサスナ戦でオスカルソンが投入直後の1分間で負傷退場した例などが記録されている。(via DiarioVasco)