ラフィーニャ偽9番を大成功に導く戦術解剖
リーグ開幕3試合で早くも5ゴールを記録し、並み居るスターたちを抑えて得点ランキングトップ(ピチーチ)に躍り出た主将ラフィーニャの覚醒は、決して偶然の産物ではありません。これまでの彼のキャリアを紐解くと、右ウイングとして200試合、左ウイングとして165試合、インサイドハーフとして21試合に出場してきたのに対し、純粋なセンターフォワードでの出場はわずか4試合しかありませんでした。その彼を「9番」として大爆発させているフリック監督の戦術を、元欧州クラブ主将で専門家のアレックス・デルマス氏が分析しています。
バルサでの通算180試合目で80ゴール目を記録したラフィーニャですが、この「180試合で80ゴール」という数字は、かつての伝説であるレオ・メッシ(80ゴールに178試合必要)やロナウジーニョ(80ゴールに177試合必要)とほぼ変わらない超驚異的なペースです。
デルマス氏の解説によると、ラフィーニャが新境地であるセンターフォワードでこれほど機能している最大の理由は、『ラフィーニャ自身が、古典的なセンターフォワードが求める役割に自分を適応させようとしていない点』にあります。つまり、中央に静止してポストプレーをするのではなく、常に流動的に動き回り、相手ディフェンスラインの裏のスペースを狙い続けているためです。
さらに、右サイドのラミン・ヤマルがピッチの幅を取って相手のディフェンダーを何人も引きつけることで、中央や逆サイドに広大なスペースが発生します。ラフィーニャはこの状況を極めてスマートに見極め、最初の動き出しで空いたスペースではなく、その背後に生まれる「2番目のスペース(セカンドデスマルケ)」へ爆発的なスピードで走り込みます。この『相手ディフェンスの背後を執拗に突き、激しいハイプレスを先頭でかけ続ける抜群の運動量と sacrificial(犠牲精神)』こそが、フリック監督の求めるプレッシングサッカーの最大の心臓として機能していると絶賛されています。 (via SPORT)