ナイジェリアの20歳新星イレニヘナ獲得を巡る「PIF買収」の余波と停滞

攻撃陣の更なる破壊力向上を目指し、ナバロSDが今夏最も情熱を傾けて交渉を継続してきたのが、サウジアラビアのアル・イテハド(Al-Ittihad)に所属する20歳のナイジェリア人怪物ストライカー、ジョージ・イレニヘナ(George Ilenikhena)の獲得交渉です。

フランスのモナコから3300万ユーロという巨額の取引でジェッダへと渡ったイレニヘナですが、サウジアラビアでの2回戦目以降は出場機会に恵まれず(8試合2ゴール、出場時間はわずか250分未満)、欧州への復帰を強く希望。彼はセビージャの提示するスポーツプロジェクトやラ・リーガの環境に強く惹かれ、イタリアのボローニャFC(ローンから義務的な買取り義務へ移行する好条件オファー)やトルコのトラブゾンスポルからの具体的なアプローチを自らすべて拒絶し、『私はセビージャでプレーしたい』とアル・イテハドの役員会に強い直談判を行ってセビージャ側の強力な味方となっていました。

しかし、この交渉のラストマイル(最終段階)において、サウジアラビアの政治的な変革が最大の手枷となっています。

サウジアラビアスポーツ省は水曜日、政府が管理する公共投資ファンド(PIF)が、アル・イテハドを含む国内4大クラブの「100パーセント完全子会社化(完全帰属)」を決定し、これまで稼働していた非営利の役員会・取締役会をすべて解散・更迭したことを公式発表しました。

これにより、アル・イテハドのフットボール運営プロセスは完全に凍結。現在、新しいオーナー側はクラブ価値を約8000万ドルと評価しているのに対し、サウジアラビア政府側は約2億ドルを要求しており、この価格差を巡る交渉は泥沼化が予想されています。

ジェッダのクラブ内には完全な「意思決定の真空状態(パワー・バキューム)」が発生しており、イレニヘナの移籍(ローンに設定する買取りオプションの金額など)を承認する責任者が誰一人として存在しない状況に陥っています。

セビージャ側は、ハル・シティへ移籍したノーベル・メンディらの移籍金(2500万ユーロ)を懐に抱えるハルやプレミアの潤沢な資金力を羨みながらも、自らはアコル・アダムス、フアンル、ジブリル・ソウらの売却益の大部分をコチョラシュヴィリ獲得に充ててしまったため、これ以上イレニヘナの買い取りのために「1000万ユーロ(約10M€)」を超えるようなキャッシュを直接支払うことは不可能です。

ナバロSDは、アグメやバルガスの電撃的な売却が成立しない限り、この1000万ユーロの壁を突破することは極めて困難であると冷静に分析しており、市場閉幕までの残り12日間で、他の現実的なフリーエージェントや代替ローン候補へのシフト(プランBの活性化)を同時進行で探っています。(via Estadio Deportivo / ElDesmarque)