フェラン・トーレス バルセロナ脱出を決意させた冷遇と契約更新放置の真相
スペイン代表のアタッカーである26歳のフェラン・トーレスが、今夏8月中旬に4850万ユーロの移籍金でFCバルセロナからPSGへと完全移籍を果たした背景には、指示への不満とフロントに対する強い不信感があった。昨シーズン中に芽生えたクラブへの不信感が、最終的にパリへの新天地移籍という決断へと彼を突き動かすことになった。
彼は2022年1月、当時のマテウ・アレマニーフットボール部門代表とチャビ・エルナンデス前監督からの強い後押しを受け、マンチェスター・シティから基本額5500万ユーロに1000万ユーロの変動額を加えた移籍金でバルセロナへ加入した。当初は攻撃の要として先発出場を重ねていたものの、指揮官がハンジ・フリック監督に代わって以降、二人の関係には徐々に溝が広がり始めていた。
不満が決定的となったのは、アトレティコ・マドリード戦での起用法だ。フリック監督はレヴァンドフスキが負傷や不振に苦しんでいた際も彼を起用せず、ミッドフィルダーのダニ・オルモを「偽9番」として配置した。その選択により、自身が監督の構想において優先度の低い位置に置かれている事実を痛感したという。
さらに追い打ちをかけたのが、デコらが仕切るスポーツ機構側の冷淡な対応である。チーム内の他の選手たちが次々とクラブ事務所に呼ばれて契約延長や給料改善の交渉を進める中、2027年まで契約を残す彼には一切の打診が届かなかった。クラブ側がジュリアン・アルバレス獲得の噂をメディアに流し、自身を事実上の売却要員として扱っていると感じた彼は、W杯での活躍を背景に、恩師ルイス・エンリケ監督が率いるPSGからのオファーを受け入れる道を選んだ。
この移籍劇が意味するのは、バルセロナが抱える深刻な給与上限問題と財務改善の必要性が、主力級アタッカーの放出という形で表面化したということだ。バルセロナ側は大きな移籍金収入と給料枠の空きを確保し、選手本人もパリで主力として再出発を切ったことから、結果的には双方にとって有益な決着となった。(via SPORT)