聖地メスタージャ「終焉のカウントダウン」と、19分に響く「30秒の怒り」に引き裂かれたバレンシアの絶望
1923年創設の魔法のような本拠地エスタディオ・デ・メスタージャ。老朽化とオーナーであるピーター・リム(Meriton)の関心のなさに取り壊しが決定したスタジアムでのラストイヤーの開幕戦。地元紙「SUPER」の1面には、クラブの現状を指す冷酷な一言「Estancados(停滞)」が大きく掲げられました。
ファンによるオーナー一族(ピーター、キアット、ロン・グーレイら)への抗議活動は、メスタージャの伝統としてスタジアム創設年にちなんだ「19分」に行われますが、現在その抗議はわずか「30秒間」の短いチャントに縮小してしまっています。さらに、補強方針や戦術に不満を持つ一部のサポーターが「コルベラン監督辞任(Corberán dimisión)」を叫ぶと、別のスタンドからそれをかき消す大音量のブーイング(口笛)が飛ぶなど、スタンド内も引き裂かれています。
中盤のギド・ロドリゲスは、補強が劇的に遅れる現状を憂いながらも、サポーターに対して必死に結束を呼びかけました。
『私は何度でも繰り返し言うよ、まだ第1節が終わったばかりだ。みんなには高い野心と強い連帯(団結)を求めたい。これは私自身、そしてロッカールームの全員がクラブに要求し、自分たち自身にも課していることだ。野心を持ち、団結しなければならない。現在の状況は決して正常なものではない。しかし、私たちはこの現実を受け入れ、クラブ、チーム、ファンの3つが完全に一体となって、このバレンシアという本来あるべき高い場所(欧州の舞台)へ戻るために進んでいかなければならない』
ピッチの上では、わずか400万ユーロで獲得された日本期待の19歳、佐藤龍之介(Ryunosuke Sato)がその才能を爆発させ、『佐藤は他のほとんどの同僚たちよりもまばゆい輝きを放っている』とメディアに絶賛される素晴らしいパフォーマンスを見せました。
しかし、昨シーズンに55ゴールを失点した守備の崩壊を改善するためにコルベランが導入した3バック戦術について、ファンは『毛布が短すぎて足と頭を同時に隠せない(ラ・マンタ・ノ・レ・ダ・パラ・トド)』と、貧弱な補強と戦術の限界を痛烈に皮肉っています。
(via Superdeporte / SPORT)