指揮官が明かした「右サイド4選手2ポジション」併用計画と交代劇の真実

今夏の移籍市場で選手層を大幅に厚くしたレアル・マドリードは、現在7人もの負傷者を抱えているにもかかわらず、その影響をほとんど感じさせない見事なスタートダッシュを決めています。特に右サイドは、ディフェンスラインから前線まで強力なタレントが揃い、ジョゼ・モウリーニョ監督は4人の主要選手を2つのポジションにどう当てはめるかという明確な併用プランを明かしました。

まず右サイドバック(SB)のポジションでは、今夏に13年間在籍したダニ・カルバハルが退団しました。その後釜として、インテルから2000万ユーロで獲得したデンゼル・ダンフリースが加入。そして昨シーズンにリヴァプールから加入したトレント・アレクサンダー=アーノルドが、その座を激しく争っています。アレクサンダー=アーノルドは世界最高峰のキック精度を誇るものの、キャリアを通じて守備での脆さが課題とされており、昨季は完全に信頼を勝ち取るまでには至りませんでした。

右ウイング(前線の右サイド)においては、長年にわたり固定されたスペシャリストがおらず、これまではロドリゴやフェデ・バルベルデが起用されたり、最近ではジュード・ベリンガムアルダ・ギュレルがこの位置から中央に入り込む役割を担ってきました。神童フランコ・マスタントゥオーノがフィオレンティーナにレンタルされる中、今夏レガネスやRBライプツィヒから、クラブ史上最高額となる1億2500万ユーロ(固定+変数)でヤン・ディオマンデを完全移籍で獲得。現在と未来への最大の投資と位置づけています。

モウリーニョ監督の基本プランは、右SBに高い身体能力を持つダンフリースを置き、右サイドハーフにアルダ・ギュレル(またはブラヒム・ディアス)を先発させる構成です。ギュレルが中央のインサイドへ絞ってゲームメイクを行うことで、右サイド全体の広大なスペースをダンフリースに解放して駆け上がらせる戦術です。

そして、ベンチから出場するアレクサンダー=アーノルドとディオマンデには、全く逆の「左右対称」とも言える役割を課しています。アレクサンダー=アーノルドは途中出場から中央へ入り込んで精度の高いパスを配給し、一方でディオマンデはサイドのタッチライン際まで大きく開くことで、ピッチの幅を最大限に使って相手を広げる役割を果たします。

モウリーニョ監督は、直近のベティス戦で先発したギュレルとダンフリースを下げて、ディオマンデとアレクサンダー=アーノルドを同時投入した理由について、このように語りました。

『交代を行ったのは、決してチームのパフォーマンスに不満があったからではない。すでにイエローカードを受けていた選手たちをトラブルから救うためにピッチから下げる必要があった。さらに、ワイドに開いて仕掛ける今のマドリードの構成においては、ダンフリースよりもトレントを起用した方が、よりスムーズで効果的な組み合わせになるからだ』

また、バルベルデに代えて最後から2番目に若手FWのエスピー(Espí)をピッチに送り込んだ意図についても説明しています。

『試合終盤、非常に低い位置でブロックを作って引いて守る相手に対してハイプレスを徹底するため、前線に絶対的な基準点となるターゲットマンが必要だった。それによってキリアン・エムバペをフリーにし、ライン間でのポゼッションを確保したかったのだ』

この明確な交代意図と戦術プランは、第二次モウリーニョ政権が非常に緻密なビジョンのもとで進められていることを物語っています。(via ElDesmarque)