ブライアン・ファリニャスの1軍昇格を決定づけたフリックの電撃介入

20歳の若きミッドフィールダー、ブライアン・ファリニャスが今シーズンからファーストチームへの登録を勝ち取り、さらに背番号「4」を継承するという大抜擢の裏には、ハンス=ディーター・フリック監督の強い独断と電撃的な決断がありました。今夏のプレシーズン開始当初、バルサのフロント陣とジローナの間では、ファリニャスの完全移籍に関する交渉が最終段階を迎えていました。移籍金は300万ユーロ(約5億円)でほぼ合意に達しており、選手自身もジローナ行きを受け入れる準備を進めていたほどでした。

しかし、運命が変わったのは7月14日でした。プレシーズンの最初のグラウンド練習に臨んだフリック監督は、ファリニャスの並外れたプレー理解力、テクニック、コミットメントを目の当たりにし、その才能に激しい衝撃を受けました。練習が終了した直後、ドイツ人指揮官はすぐにデコSDに電話をかけ、「何としてもジローナへの売却手続きを今すぐに止めてくれ」と直談判。その後、彼をイングランド合宿へ同行させ、プレシーズンマッチでピボーテだけでなく、インサイドハーフ、トップ下、さらには右サイドバックとしても起用し、その驚異的なポリバレントさを自らテストしたのです。

ファリニャスのパフォーマンスに完全に惚れ込んだフリック監督の要望により、移籍市場の最終日、クラブは彼を正式にファーストチームの選手としてラ・リーガに登録しました。デビュー前に1軍の登録枠に入る選手が現れたのは、2007年のジオバニ・ドス・サントス以来、じつに19年ぶりの異例の出来事です。さらに、彼が背負うことになったのは、かつてヨハン・クライフ監督がピボーテの象徴として位置づけ、ペップ・グアルディオラ、セスク・ファブレガス、イヴァン・ラキティッチらがまとった伝統と栄光の背番号「4」です。昨シーズンまでロナルド・アラウホが着用していたこの番号を受け継ぎ、名実ともにフリック・バルサの秘密兵器として、大きな競争に挑む用意が整いました。(via Esport3 / MARCA)

マルク・カサドのデポル移籍:幻のレバークーゼン完全移籍と3000万ユーロの攻防

移籍期限の最終日、22歳のMFマルク・カサドのデポルティーボ・ラ・コルーニャへの期限付き移籍が成立しましたが、この裏では、巨額の移籍金を巡る完全移籍の破談と、土壇場での買取オプションを巡る凄じい攻防が繰り広げられていました。フリック監督の構想から外れていたカサドは、出場機会を求めて早くから移籍先を模索していました。もし彼がお金を優先していれば、数週間前に届いていたトルコやサウジアラビアのクラブからの高額オファーに合意していたはずでした。クラブにとっても、カンテラ育ちの彼を巨額の移籍金で売却することは、財政バランスを整える意味で非常に魅力的な選択肢でした。

その中で最も実現に近づいていたのが、バイエル・レバークーゼンへの完全移籍でした。レバークーゼンの指揮官には、ラ・マシア時代にカサドを指導したカルレス・マルティネスがおり、指導者と選手の相性は抜群でした。バルサは当初、4000万ユーロ(約64億円)という強気な移籍金を要求し、一度は交渉が難航したものの、最終的に2000万ユーロでの売却を受け入れる姿勢を見せました。両クラブ間の合意は間近に迫っていましたが、レバークーゼン側の主力MFロベルト・アンドリッヒの放出が土壇場で白紙となり、カサドのブンデスリーガ移籍の夢は、ドイツの移籍期限である午後8時の壁に阻まれて完全に消滅しました。

これを受けてリーガの複数クラブが動き、特にエルチェのマルティン・アンセルミ監督はカサド本人に直接電話をかけてラブコールを送るなど熱心でしたが、最終的にバルサのフロント陣がデポルティーボへ彼を逆提案したことで事態が動きました。デポルのアントニオ・イダルゴ監督とカサドは、ともにカタルーニャのヴァリェス・オリエンタル地域出身という同郷の縁があり、イダルゴ監督から「私の戦術において、君のようなピボーテは絶対に欠かせない役割だ」と熱弁されたことで、カサドはデポル入りを決断しました。しかし、交渉の最終局面でデコSDが「3000万ユーロの義務的買い取りオプション」を契約にねじ込もうとしたため、デポルのSDフェルナンド・ソリアーノが「今の我々の規模では、そのような将来的な高額投資を確約することは絶対にできない」と猛反発。交渉が決裂しかける一幕もありましたが、バルサ側が買取義務を外し、購入可能な「非義務的オプション」に引き下げることで、移籍期限ギリギリの状況で書類が間に合いました。慣れ親しんだ顔ぶれが多いリアソールで、カサドの挑戦が始まります。(via SPORT / Mundo Deportivo)