19歳シャビ・エスパルトが引き起こした左SBの構造改革とバルデ・カンセロの立場

今季のバルセロナにおいて、最も劇的な戦術的進化を遂げているのが左サイドバックのポジションです。その中心にいるのが、19歳のカンテラーノであるシャビ・エスパルトのセンセーショナルな台頭です。昨季は右サイドバックとしてプレーし、左サイドでの起用経験がキャリアで僅か1試合しかなかった若手に対し、フリック監督は練習で適性を見抜き、エルチェ戦で思い切って先発抜擢しました。

この決断が見事に的中し、シャビ・エスパルトは一躍レギュラーポジションを掴み取りました。彼の最大の特徴は、ビルドアップ時にピッチ中央のインサイドへ入り込み、ミッドフィールドの構成員として振る舞う高い戦術眼にあります。中盤で常に数的優位を形成することで相手の守備ブロックを内側に引き寄せ、外側のレーンを完全に空けてアンソニー・ゴードンの果敢なドリブル突破を引き出す設計が完成しています。

この19歳のブレイクは、ポジションの序列を根本から塗り替えました。昨季まで主力だったアレハンドロ・バルデは出場時間を完全に奪われて第3選択肢へ後退し、この状態が続けば冬の移籍市場での去就問題に発展することが確実視されています。また、今夏に完全移籍で獲得されたジョアン・カンセロも後塵を拝する形となり、先発出場はチャンピオンズリーグのフェイエノールト戦の1試合にとどまっています。

フリック監督は、中盤の安定感とゲームコントロールをもたらすシャビ・エスパルトと、独力で相手エリアを崩せる攻撃性能を持ったジョアン・カンセロという対照的な2つのカードを手に入れたことを高く評価しています。多忙を極める日程のなかで使い分けが図られるものの、現時点でシャビ・エスパルトが見せる成熟したプレーはチームの不可欠なピースとなっています。 (via SPORT)