ディオマンデを巡る冷徹な現実
今夏の移籍市場におけるレアル・マドリード最大の投資となったヤン・ディオマンデですが、その高額な移籍金とピッチ上の起用法を巡り、モウリーニョ監督が独特のユーモアを交えて現在の冷徹な現実を語りました。
ディオマンデは変動込みで最大1億4000万ユーロというクラブ史上最高額の移籍金でライプツィヒから加入したものの、開幕から3試合での出場時間はわずか57分に留まっています。すべて途中出場であり、先の4-0で大勝したマラガ戦でも、後半64分にブライム・ディアスとの交代でピッチに入るなど、序列はまだ確立されていません。
マラガ戦後の会見中、モウリーニョ監督は隣にいたファーストチームの広報部長に『ねえ、ディオマンデを連れてくるのにいくら払ったんだっけ?』と真顔で問いかけるパフォーマンスを見せ、会場を沸かせました。
指揮官は彼について『焦らず少しずつ進む必要がある。3試合で20分、15分、30分といった具合にプレーを重ねているが、彼は謙虚で熱心に働き、学びたがっている。私やチームメイトのアドバイスにもよく耳を傾けており、これから間違いなく成長していく』と語り、過剰なプレッシャーから選手を守る姿勢を示しました。
この慎重なアプローチの背景には、フロントとの補強に関する思惑のズレもあります。モウリーニョ監督自身は右ウイングの補強を求めていませんでしたが、フロレンティーノ・ペレス会長が市場のスター獲得を熱望。バイエルンへ移籍したマイケル・オリーズの獲得に失敗した後、1億5000万ユーロを提示したフリアン・アルバレスも逃したことで、粘り強い交渉の末にライプツィヒからディオマンデを確保したという経緯があります。
モウリーニョ監督は『いくら支払ったかではなく、将来有望な若い選手として彼を見つめなければならない。通常、1億4000万ユーロといった巨額の話になると、すぐにでもチームを根底から変えてしまうような大活躍を期待されるが、彼のケースはそうではない。彼はまだ若すぎるが、信じられないポテンシャルを秘めている。落ち着いて、気楽にいこう』と語り、過去に6300万ユーロで獲得しながら期待と現実のズレからデビューに失敗し、現在はフィオレンティーナにレンタルされているフランコ・マスタントゥオーノの二の舞を避ける重要性を強調しました。また、リヨンへのレンタルから復帰したエンドリックも、ディオマンデの加入によって同様の厳しい現実に直面しています。
なお、マラガ戦の84分には、ディオマンデがペナルティエリア内でハンドを宣告され、一度は相手にPKが与えられる緊迫した場面がありました。しかし、ビデオ・アシスタント・レレフェリー(VAR)のダニエル・トゥルヒージョ・スアレス氏から主審のフアン・マルティネス・ムヌエラ氏へ『ペナルティ取り消しの可能性を検証するため、オンフィールドレビューを推奨する』との交信が入りました。
モニターの前に立った主審は映像を確認したのち、『よし、これはリュディガーだ。ディオマンデにヘディングでクリアしたのはリュディガーだ。よし、完璧だ。ペナルティを取り消す、ペナルティを取り消す』と話し、ハンドの判定を撤回しました。
これは今シーズンから導入された新しい審判マニュアルであるCARDルールの『ディフェンダーが体から腕を離していたとしても、味方選手や地面に当たって予期せぬ形でリバウンドしたボールが腕に触れた場合、戦術的影響がない限りハンドの反則とはしない』という基準が完璧に適用された形です。
モウリーニョ監督は今週、オフェンス面での戦術的なトレーニングにおいてディオマンデとマンツーマンで密に働きかけ、夏の難しい適応期を乗り越えるための特別プランを遂行しています。会見場を後にする際、監督は再びニヤリと笑いながら『1400万ユーロだったかな?』とジョークを言い残し、急激にインフレする現代の市場価値に囚われないよう釘を刺しました。(via SPORT / Mundo Deportivo)
バルダーノ氏がムバッペを大絶賛
今シーズン、すでに公式戦3試合で4ゴールをマークし、その驚異的な得点感覚を披露しているキリアン・ムバッペに対し、クラブのレジェンドであるホルヘ・バルダーノ氏が惜しみない称賛を送っています。
バルダーノ氏はテレビ番組内で、ムバッペについて『今が彼にとってこれまでのキャリアで最も素晴らしいスタートを切ったシーズンだ。マドリーでの1年目にヨーロッパ得点王、2年目にラ・リーガ得点王に輝いた彼に対して、これ以上のパフォーマンスを求めるのは酷というものだ』と熱弁を振るいました。
アルゼンチン出身のレジェンドは、自身がムバッペに完全に魅了されていることを告白し、そのプレースタイルを絶賛しました。バルダーノ氏は『今の彼は、年齢、自信、そして格のすべてにおいて、絶対的な全盛期を迎えている純血種のように見える』と語り、その肉体的な充実ぶりと精神的な成熟度を絶賛しています。
さらに、昨シーズンのレアル・マドリードが無冠に終わったことを理由に、ムバッペがバロンドールの受賞にふさわしくないとする世間の批判的な声に対し、バルダーノ氏は独自の鋭い見解で反論しました。
バルダーノ氏は『世間はタイトルを獲得できなかったと言うが、チームとしてのアイデンティティや機能性がまだ確立されていない未完成のチームにおいて、これだけのゴールを積み重ねることの方が、タイトルを掲げるチームで決めるよりもはるかに難しいことだ』と言い切り、ムバッペこそが今年のバロンドールを掲げる最有力候補であるべきだと強く主張しました。(via Mundo Deportivo / MARCA)