レアル・ベティス
ビジャレアル戦でセウタ支援Tシャツを着用したことで、SNS上で「明日お前は最悪の時間を過ごすことになる」「命の危険を感じて生きろ」といった凄惨な殺害予告や誹謗中傷に晒されたレアル・ベティスのFWエズ・アブデ。脅迫に対して『誰に対しても謝罪するつもりはない』と毅然とした態度を貫いた彼の強さの裏には、過酷でドラマチックな生い立ちがありました。
アブデはモロッコのアトラス山脈に位置するベニ・メラルで生まれましたが、4歳の時に家族とともにスペインへ渡り、エルチェの多文化・労働者階級が身を寄せるエル・カルス地区に移住しました。
街の公園で遊んでいると、近所の人々から「ここでサッカーをしてはいけない!」と怒鳴られながらも、四六時中ボールを足元から離さず育ちました。自宅の下にあった電話・ネットショップ(ロクトリオ)に通いつめ、インターネットでネイマールのプレー動画を貪るように見漁っては、街頭でそのドリブルを完璧に真似して独自のストリートスタイルを磨き上げました。
地元の小さなクラブからエルクルス、バルセロナ、オサスナを経て現在ベティスで活躍するアブデは、セビージャの街とクラブについて次のように愛を語っています。
『セビージャにやって来て、ここが本当の自分の家だと感じるようになりました。気候も、ベティスのファンも大好きです。僕たちは頭のネジが外れた熱狂的な集団なんです。兄や友達にもよく話すのですが、スペインの中にベティスのようなファンは他に存在しません。少しモロッコ代表のサポーターの狂熱的な愛に似ています』
モロッコの故郷、エルチェの貧しい街頭、そしてセビージャの情熱。この3つのルーツこそが、外からのどんな暴風雨にも屈しないアブデの強固な精神的支柱となっています。 (via Estadio Deportivo)