ジョゼ・モウリーニョ監督、13年ぶりのCL帰還!古巣インテルとの16年越し運命の因縁と不名誉なジンクス
今夜21時、サンティアゴ・ベルナベウの地にあの特別なアンセムが帰ってきます。レアル・マドリードはチャンピオンズリーグのオープニングゲームで、現在セリエAで首位タイ(モンツァに4-1大勝、カリアリに1-0勝利、ナポリに3-2で逆転勝利を収め勝ち点9を維持)と好調を維持するイタリアの王者インテル・ミランを本拠地に迎えます。
この一戦は、今季からマドリードの指揮官に復帰したジョゼ・モウリーニョ監督にとって宿命的なリターンマッチとなります。モウリーニョがレアル・マドリードを率いて欧州最高峰の舞台で指揮を執るのは、2013年5月24日のドルトムント戦(2-0で勝利するも、合計スコア4-6で決勝進出を逃し、3年連続準決勝敗退という悲劇に終わった試合)以来、実に13年4ヶ月7日(計4,879日)ぶりとなります。これまでに彼はベルナベウの欧州戦において15勝2分け1敗という抜群のホーム勝率を誇っていますが、唯一の敗戦は2010-11シーズンにバルセロナに喫した苦い思い出(0-2)です。
何よりロマンを掻き立てるのが、対戦相手がインテルであるという事実です。モウリーニョは2010年、まさに今夜の舞台であるサンティアゴ・ベルナベウで行われた決勝戦でバイエルンを破り、インテルに悲願の欧州制覇とイタリア史上初となる歴史的3冠(セリエA、コッパ・イタリア、チャンピオンズリーグ)をもたらしました。その偉業を成し遂げた直後、彼はインテルのミラノ帰還便には乗らず、そのままマドリードに留まってレアル・マドリードへの監督就任を決断したのです。後に彼は、
『あの日、試合が終わってもミラノに戻らなかった理由は、もし戻っていたら情に流されてレアル・マドリードの監督に就任することはできなかっただろうと確信していたからです』
と語っており、スタジアムの裏でディフェンダーのマルコ・マテラッツィと涙を流して抱き合って別れたエピソードは今でも語り草となっています。
そんなエモーショナルな試合を控えつつも、両チームにはおよそ30年間に及ぶ冷酷な数字の歴史が存在します。インテルは1998年11月25日にサン・シーロでマドリードを3-1で下して以来、公式戦において白い巨人に一度も勝てていません。それ以降に行われたCLでの4度の対戦はすべてマドリードが勝利しており、インテルにとってベルナベウへの遠征はジンクスとの戦いでもあります。
今夜の試合を裁くのは、イングランドを代表する国際主審のマイケル・オリバー氏(41歳)です。25歳という若さでプレミアリーグデビューを飾り、ウェンブリーでも史上最年少主審を務めた実績を持つオリバー氏は、今夏の代表大会でもスペイン対ベルギー(2-1)など4試合を指揮。レアル・マドリードの試合を裁くのはこれが6回目となり、これまでのマドリードの戦績は3勝2敗です。過去の2敗はいずれもベルナベウで、昨季のバイエルン戦(1-2、アルベロア前監督時代)と2018年のユベントス戦(クリスティアーノ・ロナウドの後半終了間際の劇的PKで辛くも延長入りを回避した試合)です。
対するインテルは、かつてモウリーニョ監督のもとで3冠メンバーの主力として戦ったクリスティアン・キヴ監督が率いており、ピッチ上の師弟対決に注目が集まっています。攻撃陣にはナポリ戦で2得点を挙げた絶好調のラウタロ・マルティネスやMarcus Thuram、中盤にはニコラ・バレッラを擁していますが、左サイドの要であるフェデリコ・ディマルコが負傷欠場となるほか、ジェド・スペンスやスピナッチェも招集外となっています。
一方、迎え撃つマドリードは極めて深刻な満身創痍状態にあります。アルダ・ギュレル(今季開幕から最も好調だった一人)、エドゥアルド・カマヴィンガ、ベルナルド・シウバの3名が前シーズンの退場処分による累積サスペンションで出場停止。チュアメニは練習に一部合流したものの、試合リズムが完全に不足しているため先発は大きなリスクを伴います。加えてアセンシオ、ミリトン、メンディ、ピタルチ、ロドリゴといった主力たちが長期離脱中で、中盤の選択肢はフェデ・バルベルデのみという窮地です。
モウリーニョはジュード・ベリンガムのポジションを一列下げてバルベルデと並べるか、あるいはトレント・アレクサンダー=アーノルドを中盤に上げ、右サイドバックにインテルOBのダンフリースを起用するか、あるいはカンテラの超新星ホルヘ・チェステロを大抜擢するかという戦術的決断を迫られています。予想されるスタメンは、GKクルトゥワ、DFはダンフリース、コナテ、ハイセン、ククレジャ、中盤にバルベルデとベリンガム、前線には初先発が期待されるヤン・ディオマンデ、ブライム、ヴィニシウス、そして最前線にエムバペを置く布陣です。
ベティス戦で厳しいマークに遭い精彩を欠いたヴィニシウスは、2031年までの契約更新に合意した直後であり、この大会にかける思いを、
『過去2年間はチャンピオンズリーグで良い戦いができていません。最初の目標はベスト8進出。今シーズンはこれまでの2大会とは異なるので、必ず優勝するつもりです』
と力強くクラブメディアで誓いました。前節のベティス戦での今季初黒星により、首位バルセロナに早くも勝ち点3差をつけられている中での欧州開幕戦。ここで敗れるようなことがあれば、9月にして早くもチームが「危機の渦」に飲み込まれかねない、絶対に落とせない極めて重要な一戦です。
(via AS / Mundo Deportivo / MARCA)