フリアン・アルバレス去就問題

フリアン・アルバレスの未来は、今夏の移籍市場で最も複雑なドラマとなっています。レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長が、一人の選手に対するオファーとしてはクラブ史上最高額となる1億5000万ユーロを提示しましたが、アトレティコ・マドリードはこれを即座に拒否しました。アトレティコは、同選手の契約解除金である5億ユーロが支払われない限り放出には応じないという強硬な姿勢を示しており、バルセロナから届いた1億ユーロの正式オファーも同様に退けています。クラブ首脳陣には、国内の直接のライバルである二大クラブを強化するつもりは一切ありません。

このクラブの姿勢に対し、現在アルゼンチン代表としてワールドカップに集中しているフリアン・アルバレス本人は、非常に複雑な感情を抱いています。ジャーナリストのJota Jordi氏が明かしたところによると、アルゼンチン代表の合宿所からの情報として、選手はアトレティコの対応に対して非常に落ち込んでおり、深く失望し、さらには怒りさえ覚えているとのことです。クラブが「フリアンとバルサに責任がある」かのようなメッセージを外部に発信していることへの不満が募っており、バルセロナは常に正面から誠実に交渉に臨んでいたと選手側は捉えています。さらに、アトレティコでの日々において、選手は常にプロフェッショナルとして振る舞い、試合で全力を尽くしてきたため、クラブから不当な扱いを受けていると感じています。また、残留した場合に来季のメトロポリターノでファンからどのような厳しい出迎えを受けることになるのか、という点も懸念材料となっています。

一方で、別のジャーナリストであるFabián Godoy氏によれば、フリアン・アルバレスは現在、W杯後の自身の去就よりも、負傷している足首の回復に最も心を砕いている状況です。アルゼンチン代表内には多くの負傷者がおり、彼自身も直近の親善試合でプレーできていないため、まずはコンディションを戻してW杯で活躍することに全力を注いでいます。彼はもともと控えめな性格であり、今回の騒動に関しても公には沈黙を保ち、非常に慎重な姿勢を維持しています。

アーセナルやパリ・サンジェルマン(PSG)といった国外の資金力のあるクラブも、アトレティコが要求する移籍金を支払う能力がありますが、選手自身がスペイン国内、特にバルセロナでのプレーを強く望んでいるため、無理な獲得には動いていません。PSGの首脳陣やルイス・エンリケ監督は彼を高く評価していますが、選手本人にパリへ行く明確な意志がない限り、オファーを出すつもりはないという方針を明確にしています。なお、仮に1億5000万ユーロで移籍が成立した場合、彼が16歳から22歳まで過ごしたリーベル・プレートにはFIFAの連帯貢献金として3%(450万ユーロ)が支払われ、もし5億ユーロの契約解除金が支払われた場合は1500万ユーロという巨額の資金がアルゼンチンの古巣に転がり込む計算になります。(via SPORT / ElDesmarque / MARCA)