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レアル・ソシエダ vs ボーンマス

UEFAヨーロッパリーグ / Reale Arena / 2026年9月18日(金)

レアル・ソシエダ 1-2 ボーンマス

試合サマリーと得点経過

UEFAヨーロッパリーグのリーグフェーズ開幕戦。アノエタに詰めかけた3万人を超える観客の前で、アウェイのボーンマスがクラブ史上初の欧州公式戦という記念すべき夜に鮮烈な勝利を挙げた。前半、不慣れなシステムを採用したレアル・ソシエダに対し、ボーンマスは圧倒的な強度と垂直方向への鋭い攻撃で主導権を掌握。立ち上がりの20分間で連続ゴールを奪い、早々に2点のリードを築いた。後半、システムを修正したレアル・ソシエダが猛反撃に出て1点を返し、終盤にかけて幾度となく相手ゴールを脅かしたものの、ボーンマスの守護神ジョルジェ・ペトロヴィッチの驚異的なビッグセーブ連発の前にあと一歩届かず。レアル・ソシエダにとっては前後半で全く異なる二つの顔を見せる不完全燃焼の黒星スタートとなった。

【各得点シーンの詳細】

ボーンマスの前線の起点となったのはフォワードのエヴァニウソン。中央で縦パスを背中で受けると、素早く反転して左サイドへ鋭い展開を見せる。これに連動してオーバーラップした左サイドバックのアドリアン・トリュフェールが、レアル・ソシエダの右サイドバックであるエクトル・フォルトの裏のスペースへ抜け出し、エリア内へ正確なグラウンダーのクロスを供給。2列目から勢いよく飛び込んだジャスティン・クライファートが右足で合わせ、ゴールネットを揺らした。当初は副審の旗が上がりオフサイドと判定されたが、VARの介入を経て判定が覆り、ボーンマスに欧州カップ戦史上初となる記念すべき先制ゴールが認められた。

レアル・ソシエダの右サイド深くで、エクトル・フォルトがボーンマスの高い位置からのプレスに捕まり痛恨のボールロスト。こぼれ球を拾ったボーンマスのミッドフィルダー、アレックス・スコットがペナルティエリア手前右寄りからインスイングの精度の高いピンポイントクロスをゴール前へ送る。レアル・ソシエダのディフェンダー、セルヒオ・ゴメスが後手に回りマークを外した隙を見逃さず、ファーサイドへ走り込んだラヤンが打点の高いヘディングでゴール右隅へ叩き込み、リードを2点に広げた。

ハーフタイムのシステム修正を経て息を吹き返したレアル・ソシエダが反撃に出る。右サイドのペナルティエリア角付近でボールを受けたセルヒオ・ゴメスが、左足で大きくカーブをかけたシュート気味の高速インスイングクロスを供給。中央へ飛び込んだママドゥ・サールらアタッカー陣には直接触れなかったものの、鋭く伸びたボールはそのままゴールキーパーのジョルジェ・ペトロヴィッチの頭上を越え、逆サイドのサイドネットへと吸い込まれた。

戦術・采配のポイント

レアル・ソシエダのペレグリーノ・マタラッツォ監督は、サイドバックのイニゴ・アランブルが出場停止、イゴール・スベルディアやアルバロ・オドリオソラが負傷離脱という守備陣の緊急事態に対し、5-2-2-1(3センターバック+両ウイングバック)の変形システムを実戦で初導入した。右ウイングバックには今夏加入後初先発となる若手エクトル・フォルトを抜擢。しかし、ジョン・マルティン、ルケン・ベイティア、ママドゥ・サールという経験の浅い若手3センターバックとウイングバック陣の距離感が遠く、マークの受け渡しやライン設定で致命的な混乱が生じた。

対するボーンマスのマルコ・ローゼ監督は、コンパクトな4-4-2を採用し、アレックス・スコットとタイラー・アダムスの中盤コンビを軸とした強烈なハイプレスを徹底。レアル・ソシエダのビルドアップを中央で分断し、奪ってはサイドバックのアドリアン・トリュフェールやアタッカーのマーカス・タヴァニアを活用した縦への超高速トランジションで、不慣れなソシエダの5バックの脇を執拗に攻め立てた。

前半の崩壊を受けたマタラッツォ監督は、ハーフタイムに躊躇なく修正へと動く。失敗に終わった5バックを破棄し、エクトル・フォルトに代えてアタッカーのゴンサロ・ゲデスを投入。ルケン・ベイティアを右サイドバックに回し、アンデル・バレンネチェアを右、ゲデスを左に配する慣れ親しんだ4バックへ回帰させた。この采配により、前半機能不全に陥っていた幅を使った攻撃と中盤の回収力が激変。レアル・ソシエダはセカンドボールを拾って敵陣へ押し込み、ハイラインを維持してボーンマスを自陣へ釘付けにした。

さらにマタラッツォ監督は58分にベニャト・トゥリエンテスに代えてジョン・ゴロチャテギ、73分にはミケル・オヤルサバルに代えてルカ・スチッチを投入して中盤の推進力を維持。84分にはアンデル・バレンネチェアとヤンジェル・エレーラを下げ、アルセン・ザハリアンと久保建英をピッチへ送り込んだ。ザハリアンのラストパスと久保の鋭いドリブル突破によって土壇場まで決定機を量産したが、前半の2失点という大きな代償を埋めるには至らなかった。一方のローゼ監督も、後半の劣勢に対してフィリップ・クリスティやバフォデ・ディアキテらを順次投入し、粘り強いブロック形成で最後まで1点差を守り切った。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地メディアの評価は、破綻した前半と猛反撃を見せた後半でチーム全体の評価が真っ二つに分かれる結果となった。

特に厳しい批判の的に晒されたのが、5バックの右ウイングバックとして先発しながら前半のみで交代となったエクトル・フォルトだ。El Desmarqueは10点満点中の「0点」という衝撃的な採点を下し、「この夜の大戦犯。不慣れなシステムの実験台とされ、右サイドで崩壊した」と酷評。SPORTやMundoDeportivoも「ほろ苦い初先発」「ピッチ上で完全に迷子になっていた」と伝え、失点に直結するプレーを重ねたことに厳しい視線を向けた。

一方で、見解の違いが最も色濃く表れたのが1ゴールを挙げたセルヒオ・ゴメスである。El Desmarqueは、失点に絡んだ前半の守備(0点級)と、追撃弾を決めチャンスを量産した後半の攻撃(8点級)を相殺して「4点」と総合評価した。対照的にMARCAやMundoDeportivoは、後半に見せた圧巻のキック精度と左サイドからの推進力を称賛し、「後半のソシエダで最も輝いた攻撃の牽引車」と高く評価。守備での不完全さと攻撃での決定的な仕事ぶりという、彼の持つ二面性がメディアごとの解釈に反映された。

守備陣の中で唯一高い評価を獲得したのが、若手センターバックのジョン・マルティンである。El Desmarqueでチーム最高点となる「7点」を獲得したほか、MundoDeportivoやASも「崩壊した前線・守備陣の中で唯一冷静さを保ち、出足の早い潰しとカバーリングを見せた」と打たれ強いパフォーマンスを称えた。

攻撃陣では、終盤に決定機を逸し続けたストライカーのオリ・オスカルソンに対し、El Desmarqueが「1点」を付け、各紙とも「ザハリアンからの絶妙なスルーパスを含め、少なくとも3度の決定的な場面がありながら決めきれなかったのはストライカーとして痛恨」と敗戦の要因に挙げた。なお、アウェイで白星を挙げたボーンマス側では、終盤の連続至近距離シュートをことごとく防いだゴールキーパーのジョルジェ・ペトロヴィッチに対し、MARCAやSPORTをはじめ全メディアが「試合の真のヒーロー」と絶賛の嵐を贈っている。

試合後の監督・選手コメント

レアル・ソシエダ:ペレグリーノ・マタラッツォ監督「前半の戦いぶりは明らかに良くなかった。戦術や構造の変更以前に、ヨーロッパリーグという舞台で戦うための意識や態度(アティチュード)が欠如していた。相手をリスペクトしすぎてしまい、試合立ち上がりの強度がまったく足りなかった。ハーフタイムには選手たちを責めるのではなく、後半に私たちが何をすべきかを明確に伝えた。精神的な切り替えと活性化を図ったことで、後半は本来の自分たちらしい素晴らしい戦いを見せ、同点に追いく十分なチャンスを作ることができた。しかし、フットボールにおいて一貫性は命だ。この悔しさを次の試合に変えなければならない」(初先発のエクトル・フォルトについて)「彼は攻撃面で非常に優れたクオリティを練習から示しているが、守備の局面においては引き続き改善していく必要がある」

ボーンマス:マルコ・ローゼ監督「クラブの125年以上の歴史において、そしてサン・セバスティアンまで駆けつけてくれた2,000人以上のファンにとって歴史的な夜になった。ソシエダが中央でボールを保持したいチームであることは分かっていたので、非常に強烈なハイプレスを仕掛けた。前半の出来は素晴らしいものだった。1点返された後にアノエタのスタンドがもの凄い圧力をかけてくることは覚悟していたが、チームは高いメンタルで耐え抜いてくれた。守護神のペトロヴィッチが素晴らしいパフォーマンスでチームを大いに助けてくれた」

レアル・ソシエダ:ジョン・マルティン(DF)「相手はスペースへの飛び出しと強度が売りのプレミアリーグのチームで、自分たちの出だしが遅れてデュエルで後手に回ってしまった。しかし、ハーフタイムに修正して見せた後半の勇気と熱量こそが自分たちの本来の姿だ。トップレベルの相手と戦うには、90分間を通して集中し続けなければならないことを痛感した。後半に見せたポジティブな姿勢を胸に、次の試合へ向けて切り替えたい」