Omonia Nicosia vs セルタ
UEFAヨーロッパリーグ / GSP Stadium / 2026年9月17日(木)
試合サマリーと得点経過
試合情報
- 対戦カード: オモニア・ニコシア 1 - 0 RCセルタ
- 大会名: UEFAヨーロッパリーグ 2026-2027 リーグフェーズ第1節
- 日時: 2026年9月16日 18:45キックオフ
- 開催スタジアム: GSPスタジアム(キプロス・ニコシア)
- 主審: バラージュ・ベルケ(ハンガリー)
- 得点者: 【オモニア・ニコシア】ユレ・バルコヴェツ(88分)
UEFAヨーロッパリーグの開幕節、地中海の島国キプロスに乗り込んだRCセルタは、公式戦未勝利が続く重苦しい空気を振り払うべくピッチに立ちました。熱狂的な地元ファンの声援が響き渡るGSPスタジアムで、試合は立ち上がりからセルタがボールポゼッションを高めて主導権を握る展開となりました。しかし、攻撃の絶対的軸であるイアゴ・アスパスを負傷で欠くセルタは、ポゼッション率で大きく上回りながらもアタッキングサードでの縦への鋭さを欠き、決定機を作り出すのに苦戦します。
逆にホームのオモニア・ニコシアは、果敢なミドルシュートと素早いカウンターで脅威を与え続けます。10分、クハイブ・ドリオウエシュのボールロストからエヴァンドロに強烈な枠内シュートを打たれますが、これはセルタのゴールを守るイオヌツ・ラドゥが見事な飛翔でセーブ。前半を通してイオヌツ・ラドゥはジャン=ケヴィン・デュヴェルヌやマテオ・マリッチらの鋭い遠目からのシュートを相次いで防ぎ、決死のセービングでチームを支えました。
後半に入ると、セルタのクラウディオ・ヒラルデス監督は選手交代でギアを上げます。68分にはミゲル・ロマンが起点となり、見事なスルーパスを通すと、途中出場のウィリオット・スウェドベリを経由して最後はパブロ・ドゥランがゴールネットを揺らしました。しかし、VAR介入の結果、起点となったウィリオット・スウェドベリの僅かなオフサイドが判定され、先制ゴールは幻と消えます。
終盤にかけてセルタはボルハ・イグレシアスやマルコス・アロンソを前線に配置して怒涛のラッシュを展開。マルコス・アロンソのヘディングシュートが相手DFの手を直撃したとされるハンドの猛アピールや、ミゲル・ロマンの鋭いボレーシュートが相手GKファビアーノに阻まれるなど、あと一歩でゴールという場面を連発しました。
しかし、悪夢の一瞬は88分に訪れます。セルタの怒涛の攻勢を凌ぎ切ったオモニア・ニコシアが、一瞬の隙を突いて前線へ展開。左サイド深めの位置でボールを回収した左バックのユレ・バルコヴェツが起点となり、ペナルティエリア外左寄りからペナルティエリア手前へと持ち出します。セルタの守備陣の寄せが一瞬甘くなった隙を見逃さず、ユレ・バルコヴェツが左足を一閃。放たれた強烈なミドルシュートは美しい軌道を描いて右上のトップコーナーへと突き刺さり、これまで当たっていたイオヌツ・ラドゥの手を掠めて網を揺らしました。
自陣でのボール奪取から自ら持ち込み、劇的な決勝ゴールを奪ってみせたユレ・バルコヴェツの一撃にスタジアムは大爆発。土壇場でリードを許したセルタはアディショナルタイムにマルコス・アロンソらが猛攻を仕掛けたものの追いつくことはできず、1-0でタイムアップ。セルタにとってあまりにも残酷な欧州黒星スタートとなりました。
戦術・采配のポイント
フォーメーションと戦術的アプローチクラウディオ・ヒラルデス監督率いるセルタは、直前のラ・リーガ・マラガ戦からスタメン6名を大幅に入れ替えるターンオーバーを敢行しました。3-4-2-1の布陣を採用し、3バックにハビ・ロドリゲス、カール・スターフェルト、マルコス・アロンソを配置。両ウイングバックにアルバロ・ヌニェスとセルヒオ・カレイラを置き、中盤中央には初先発のウーゴ・ブルシオとミゲル・ロマンを並べました。前線はフェラン・ジュグラを頂点に、パブロ・ドゥランと初先発のクハイブ・ドリオウエシュがシャドーに入る形をとりました。
セルタの狙いは、高いボール保持率(67%)を背景に敵陣へ押し込み、アタッキングサードで細かくボールを動かして崩すことにありました。しかし、絶対的司令塔イアゴ・アスパスの不在が響き、ボールは回るもののペナルティエリア内への侵入経路が限定的で、非常に予測しやすい平坦な攻撃に終始しました。また、バイタルエリアでの寄せの甘さから、相手にミドルシュートの自由を与え続けてしまった点も大きな課題として残りました。
対するヘニング・ベルグ監督率いるオモニア・ニコシアは、4-2-3-1のブロックをコンパクトに形成。ルボミール・シャトカとセヌ・クリバリの両センターバックが中央で圧倒的な強さを見せ、セルタにボールを持たせつつも危険なエリアへの侵入を徹底的に遮断しました。自陣でボールを奪えば、迷わずミドルレンジから枠を狙うシンプルな攻撃スタイルでセルタ守備陣にプレッシャーを与え続けました。
交代策と試合展開の変化試合の流れを変えたいセルタのクラウディオ・ヒラルデス監督は、55分に早々と動き、不発だったフェラン・ジュグラとクハイブ・ドリオウエシュを下げてウィリオット・スウェドベリとウーゴ・ゴンサレスを投入しました。これにより左サイドの突破力が増し、68分にはミゲル・ロマンの縦パスからウィリオット・スウェドベリの抜け出し、そしてパブロ・ドゥランの幻のゴールへと繋がりました。
さらに72分にはアレイシ・フェバスとウーゴ・アルバレス、77分にはボルハ・イグレシアスを投入し、前線のフィジカルとターゲットを強化。終盤にかけて完全にオモニア・ニコシアを自陣に押し込め、ミゲル・ロマンのボレーやマルコス・アロンソのセットプレーから決定機を連続で演出するなど、交代策自体は攻撃の活性化に大きく寄与しました。
一方のオモニア・ニコシアは63分にブロウワーズ、75分にカコウリスを投入して前線の運動量を維持。セルタが全員攻撃で前傾姿勢になった一瞬の隙を突いて左サイドへ展開し、ユレ・バルコヴェツの豪快な一撃を引き出しました。攻め立てながらも決定力を欠いたセルタと、一瞬のチャンスを逃さなかったオモニア・ニコシアの勝負強さが明暗を分ける格好となりました。
現地メディアの選手採点・評価比較
現地メディアは、敵地で屈したセルタのパフォーマンスに対して厳しい評価を下しつつも、個々のパフォーマンスには明暗が分かれたと報じています。
El Desmarqueによる採点では、チーム最高評価を得たのは右ウイングバックのアルバロ・ヌニェスで「8点」の高評価が与えられました。同紙は「攻守にわたり最もコンプリートなパフォーマンスを見せ、右サイドからのクロスや守備での奮闘が光った」と絶賛しています。次いで、数々の決定的なピンチを防いだGKイオヌツ・ラドゥと、中盤でゲームを組み立てたミゲル・ロマンに「7点」、経験豊富な守備を見せたマルコス・アロンソとパブロ・ドゥランに「6点」が付けられました。
一方で、厳しい評価を受けたのがワントップで先発しながらシュート0本に終わったフェラン・ジュグラで、チーム最低となる「3点」の落第点。「8度のボールロストを記録し、まったく見せ場を作れなかった」と辛辣に批判されています。また、途中出場で攻撃に絡んだものの荒いファウルを連発し黄札を受けたウィリオット・スウェドベリにも「3点」が付けられたほか、ウーゴ・ブルシオやウーゴ・ゴンサレス、アレイシ・フェバスらには「4点」と不満の残る採点が並びました。
メディア間の見解の対比においても、いくつかの注目すべきポイントが存在します。
GKイオヌツ・ラドゥの評価について、SPORTは「前半訪れた3度の決定的な失点危機を見事なダイビングセーブで防ぎ、チームを崩壊から救った守護神」と個人のセービング能力を絶賛しました。しかしMARCAは、「ラドゥがチーム最高の選手であったこと自体が、セルタの攻撃の不振と守備の脆さを如実に象徴している」と指摘し、チーム全体の構造的な問題を浮き彫りにしました。
右サイドのアルバロ・ヌニェスに関しても、El Desmarqueが最高点を与えて絶賛したのに対し、MundoDeportivoは「右サイドからのアプローチやクロス供給の回数は多かったものの、前線の崩しと噛み合わず、チームの勝利という結果に直結させることができなかった」と分析し、個人の健闘とチームの不発に対する温度差を示しました。
前線全体に対しては、SPORTやEstadioDeportivoなどの各紙が一致して「ポゼッション率は高いものの攻撃が平坦で深みを欠き、決定力不足という今季の課題を欧州の舞台でも露呈した」と厳しく評価。特にイアゴ・アスパス不在の中で攻撃を牽引すべきだったフェラン・ジュグラに対しては、現地メディア全体が揃って期待外れだったとの見解を示しています。
試合後の監督・選手コメント
クラウディオ・ヒラルデス(RCセルタ監督)「試合の流れは完全に相手ゴールへと傾いていた。シュートがわずか1センチ外れたり、オフサイドでゴールが取り消されたり、ハンドと思われるプレーが見過ごされたり、さらには相手のサイドバックに2度もゴール隅へ素晴らしいシュートを叩き込まれたりと、とにかく全てが裏目に出る時期にある。しかし、自分たちがやってきたことを信頼し続ける以外に道はない。自分たちの決定率と相手の成功率がいつまでもこのままのはずがない。
まだ9月が始まったばかりであり、悲観的になりすぎる必要はない。改善すべき点があることは当然理解しているし、第一に私に結果の責任がある。だが、ここまで自分たちを導いてくれた仕事を信頼して突き進むことが重要だ。次節のラ・リーガ、レーシング・サンタンデール戦がすぐにやってくることは我々にとって幸運であり、ホームでファンの後押しを受けて立ち上がらなければならない」
セルヒオ・カレイラ(RCセルタ選手)「少なく見積もっても引き分け以上の結果を得るに値する内容の試合だっただけに、本当に悔しい。アタッキングサードで僕たちはもっと決定的な仕事をする必要がある。想像していた以上に苦しいシーズンのスタートとなってしまったが、今はファンとチームが全員で固く団結すべき時だ。
ロッカールームは意気消沈しているが、監督の目指すスタイルと隣にいる仲間を固く信じている。僕たちには過去にも似たような苦しい状況を乗り越えてきた経験がある。明日は新しい一日であり、この悪い流れを切り替えて次の試合で必ず最初の勝利を掴み取りたい」
ヘニング・ベルグ(オモニア・ニコシア監督)「セルタは昨季のラ・リーガで6位に入り、ヨーロッパリーグでもベスト8まで進出した実績とクオリティを持つ素晴らしいクラブだ。我々は相手の技術の高さを十分にリスペクトしつつ、規律ある守備ブロックと集中力を90分間保ち続けることを目指した。選手たちは最後まで粘り強く戦い、素晴らしいゴールで報われた」
見どころと対戦背景
UEFAヨーロッパリーグのリーグフェーズ開幕節にて、セルタはキプロスの地に乗り込み、現地時間2026年9月16日18時45分よりGSPスタジアムでオモニア・ニコシアと対戦する。昨季のヨーロッパリーグでベスト8進出を果たしたセルタにとって、2シーズン連続となる欧州の舞台での初戦であり、欧州での躍進を再現するための重要な一戦となる。一方のオモニア・ニコシアはキプロス国内リーグの王者であり、UEFAチャンピオンズリーグ予選を経てこの大会に臨む伝統と格式を備えたクラブだ。
この一戦における最大のテーマは、セルタが直面している極めて過密な日程と過酷な長距離移動だ。セルタは9月13日(日)14時開催のラ・リーガ第5節マラガ戦から、中2日という強行軍でこの遠征に挑む。クラブ側はラ・リーガを統括するハビエル・テバス会長に対し、国内リーグ戦の金曜または土曜への日程変更を求めたが却下され、厳しい条件でのスタートを余儀なくされた。ビゴのペイナドール空港からラルナカ空港への約5時間に及ぶフライトと、そこからニコシアまでのバス移動を含め、移動の負担は大きい。火曜日の現地到着後はスタジアムでの事前練習を行わず、軽い散歩程度にとどめるスケジュールが組まれている。
国内リーグでは開幕から白星から見放され、前節のマラガ戦も1-1の引き分けに終わるなど苦しい戦いが続くセルタだが、欧州の舞台で勝利を挙げ、一気にチームの勢いを取り戻したいところだ。かつて両チームで指揮を執った経験を持つ元監督のミゲル・アンヘル・ロティーナも「クオリティではセルタが上だが、敵地での一戦には警戒が必要だ」と指摘しており、敵地の熱狂的な雰囲気の中で自らのスタイルを貫けるかが勝敗の分かれ目となる。
予想スタメンと負傷・出場停止情報
セルタを率いるクラウディオ・ヒラルデス監督は、過密日程と長距離移動に伴う疲労を考慮し、積極的なターンオーバーを実施することが見込まれている。チームの負傷者状況としては、ストライカーのボルハ・イグレシアスがヒラメ筋の負傷により離脱が続いており、中盤のアレイシ・フェバスも肋骨打撲から回復途上にある。また、若手のアンタニョンも足首の負傷で離脱中だ。一方で、センターバックのアブドゥライ・ファイエが招集メンバーに復帰しており、守備陣の選択肢は広がっている。
MARCA、AS、SPORT、MundoDeportivo、El Desmarqueなどの各紙が分析するセルタの予想スタメンは以下の通りだ。
ゴールマウスにはイオヌツ・ラドゥが入り、3バックの組み合わせはハビ・ロドリゲス、カール・スターフェルト、マルコス・アロンソが有力視されているが、ヨエル・ラゴや新加入のセバスティアン・カセレスの起用も取り沙汰されている。ウイングバックは右にハビ・ルエダ、左にはセルヒオ・カレイラあるいはハビ・ガランが配置される見込みだ。
中盤の底にはミゲル・ロマンとイライシュ・モリバのコンビが予想され、前線は主将のイアゴ・アスパスを中心に、ウイングの位置にはウィリオット・スウェドベリやウーゴ・ゴンサレス、クハイブ・ドリオウエシュらが候補に挙がる。1トップにはフェラン・ジュグラ、あるいはパブロ・ドゥランが選択される可能性が高い。
対するオモニア・ニコシアは、ホームのGSPスタジアムの大声援を背にベストメンバーで臨むことが予想され、セルタのターンオーバーに対して強力なプレッシャーをかけてくることが想定される。
監督会見・注目選手コメント
クラウディオ・ヒラルデス監督と選手1名による試合前日の公式記者会見は、試合前日となる9月15日(火)の20時30分(現地時間)より、会場となるGSPスタジアムにて開催される予定となっている。セルタ一行は火曜午前にビゴを出発し、現地到着後すぐにスタジアムへ移動して会見に臨むハードな行程となっている。
この決戦を前に、クラウディオ・ヒラルデス監督は移動と日程の厳しさについて懸念を示しつつも、「限られた時間の中で最善の準備を進め、ヨーロッパの舞台で本来のパフォーマンスを発揮しなければならない」とチームの集中力を高めている。
また、過去にセルタとオモニア・ニコシアの両クラブで監督を務めた経験を持つミゲル・アンヘル・ロティーナは、事前のインタビューにおいて「チームのクオリティや戦力の厚みという点では、間違いなくセルタが優位に立っている。実力をストレートに発揮できれば勝てる相手だ。ただし、オモニアはキプロスを代表する伝統ある強豪であり、ホームでの力強さを持っているため、決して油断してはならない」と分析し、古巣セルタに対して敵地での慎重かつ果敢な戦いを促している。