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エルチェCF vs レアル・マドリード

ラ・リーガ / jornada-6 / Estadio de Elche / 2026年9月16日(水)

エルチェCF 2-3 レアル・マドリード

試合サマリーと得点経過

-レアル・マドリード:マティアス・ディトゥロ(25分/オウンゴール)、キリアン・エムバペ(33分)、カルロス・エスピ(90+1分)

ミッドウィーク開催となったラ・リーガ第6節、敵地エスタディオ・マヌエル・マルティネス・バレーロに乗り込んだレアル・マドリードは、前半に2点のリードを奪いながらも後半にエルチェCFの凄まじい反撃に遭い一時同点に追いつかれるという、怒涛の乱打戦を繰り広げた。最後は土壇場で投入された19歳の大命取、カルロス・エスピがアディショナルタイムに決勝点を叩き込み、3-2で劇的な勝利を収めた。

試合の先制点が生まれたのは25分。レアル・マドリードのフェデ・バルベルデがペナルティエリア手前右寄りの位置でファウルを誘発しフリーキックを獲得。キッカーを務めたアルダ・ギュレルが左足で放った鋭い直接シュートは右ポストを直撃し、その跳ね返りがエルチェCFの守護神マティアス・ディトゥロの手に当たってそのままゴールに吸い込まれた。

続く33分には美しく迅速な電撃仕掛けから追加点が生まれる。自陣の中盤でボールを持ったフェデ・バルベルデが右サイドのスペースへ絶妙なスルーパスを供給。これに走り込んだヤン・ディオマンデが高速のグラウンダーのクロスをゴール前に送ると、中央へ勢いよく飛び込んだキリアン・エムバペが右足でダイレクトに合わせ、完璧な崩しからリードを2点に広げた。

しかし、2点ビハインドで折り返したエルチェCFは後半、交代策を交えて怒涛の猛反撃を開始する。71分、左サイドから途中出場のチェペダが中央から仕掛けて深くまで侵入し、右足でアーリークロスを供給。中央で相手ディフェンスの頭上を越える驚異的なジャンプを見せたアビエル・オソリオが打点の高いヘディングシュートをゴール右隅へ叩き込み、反撃の狼煙を上げる。

勢いに乗るエルチェCFは83分、敵陣深くでレアル・マドリードの左サイドバック、マルク・ククレジャのボールコントロールミスを見逃さずに奪取。途中出場のトマ・ルマールから素早くペナルティエリア内へ展開すると、ボールを受けたフェル・ニーニョが素早い振り抜きから対角線上へ強烈な右足シュートを突き刺し、ついに2-2の同点に追いついた。

スタジアムが最高潮の熱気に包まれるなか、最後に試合を決めたのはレアル・マドリードの勝負強さだった。90+1分、前傾姿勢を強めたエルチェCFの隙を逃さず、中盤でボールを受けたジュード・ベリンガムが見事なターンで相手を剥がしてスルーパスを供給。左サイドを打ち破ったキリアン・エムバペがゴール前へラストパスを送り込むと、試合終了間際に投入されていたカルロス・エスピが冷静に押し込み決勝ゴール。レアル・マドリードが劇的な幕切れで勝ち点3を手にした。

戦術・采配のポイント

レアル・マドリードを率いるジョゼ・モウリーニョ監督は、4-2-3-1の布陣を選択。ジュード・ベリンガムをベンチに置き、トップ下にアルダ・ギュレル、右アタッカーにヤン・ディオマンデを抜擢した。前半はアルダ・ギュレルの中盤でのゲームメイクと、ヤン・ディオマンデの縦への圧倒的な推進力が猛威を振るい、エルチェCFのハイラインの背後を執拗に脅かした。しかし、2点リードで迎えた後半は前線の守備意識の低下と運動量の落ち込みからブロックが下がり、レイヨ・バジェカーノ戦でも見られた「後半の失速・試合のコントロール喪失」という構造的課題を再び露呈した。

一方、マルティン・アンセルミ監督率いるエルチェCFは、コンパクトな陣形とアグレッシブなハイプレスで王者に挑んだ。前半こそ相手の個の打開力とカウンターに後手を踏んで2失点を許したが、後半に入ると前線の配置を整理し、空中戦に強いアビエル・オソリオを起点としたアーリークロス主体の攻撃へとシフト。レアル・マドリードの守備陣を心理的・物理的に追い詰めて見事に試合を振り出しに戻した。

勝敗を分けたのは両指揮官の交代策だった。ジョゼ・モウリーニョ監督は68分、アルダ・ギュレルと不調を極めたヴィニシウス・ジュニオールを下げてジュード・ベリンガムとブラヒム・ディアスを投入して逃げ切りを図ったが、逆に中盤の球離れが悪くなり同点弾を許す悪手となった。しかし86分、守備的MFのオーレリアン・チュアメニと右サイドバックのトレント・アレクサンダー=アーノルドを同時に下げ、前線にカルロス・エスピとエンドリッキを投入する超攻撃的陣形へ移行。ブラヒム・ディアスを右サイドバックに回し、前線にアタッカーを5人並べる破れかぶれとも取れる賭けに出た結果、ロスタイムにジュード・ベリンガム、キリアン・エムバペ、カルロス・エスピのタレントラインで見事に決勝ゴールをもぎ取った。

エルチェCFのマルティン・アンセルミ監督も、57分に投入したチェペダのアシスト、67分に投入したフェル・ニーニョの同点ゴールと、交代選手が直接得点に絡む冴え渡る采配を見せたものの、土壇場でのリスク管理と相手の個の質の前にあと一歩及ばなかった。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地メディア(MARCA, AS, SPORT, Mundo Deportivo,El Desmarqueなど)の選手採点では、明暗が極端に分かれる結果となった。

チームを勝利に導いたキリアン・エムバペに対しては、MARCAが「9点」の最高評価を与え、1点目の引き金となった攻撃の起点、2点目のゴール、そして土壇場で見せた3点目の決定的なアシストを絶賛。「チームの絶対的エースとして自らの仕事を完遂した」と称えられた。また、初先発から連続で存在感を示したヤン・ディオマンデにも高評価が集まり、MARCAやEl Desmarqueが「7.5点」、ASが「7点」を付与。爆発的なスピードによるアシストだけでなく、守備時のプレスバックも評価された。ただしSPORTは、前半早い段階で受けた不用意なイエローカードなど若さゆえの軽率さを一部指摘している。

先制FKを放ち攻撃のタクトを振るったアルダ・ギュレルには各紙が「7点」をつけ、彼が途中でベンチに下がった後にチームのゲームコントロールが劇的に悪化した事実から、その戦術的重要性が再確認された。

対照的に、全メディアから辛辣な低採点を突きつけられたのがヴィニシウス・ジュニオールだ。El Desmarqueが最低評価となる「1点」、ASが「4点」をつけ、統計データサイトでも両チーム最低の「5.8点」を記録。絶好の決定機を何度も不意にした決定力の欠如に加え、交代時にエルチェCFの観客と不要な煽り合いを起こした態度も含め、「今季ワーストの惨惨たるパフォーマンス」と厳しく非難された。

そして、最大の話題となったのが19歳の救世主カルロス・エスピである。MARCAが「9点」、SPORTやEl Desmarqueが「7点」をつけ、「モウリーニョ監督の特効薬」「短い時間で再びチームをどん底から救い上げた奇跡の19歳」と賞賛の嵐となった。

エルチェCF側では、前線で奮闘したアビエル・オソリオがMundoDeportivoやMARCAでチーム最高評価を獲得。レアル・マドリードのセンターバック陣をフィジカルで圧倒し、見事な追撃頭でチームを鼓舞したパフォーマンスが高く評価されている。

試合後の監督・選手コメント

ジョゼ・モウリーニョ監督(レアル・マドリード):「前半の段階で3点、4点、5点と決めて試合を殺しておくべきだった。イージーに思える展開から自分たちでコントロールを手放し、熱狂的なスタジアムの雰囲気に呑まれて相手に息を吹き返させてしまった。カルロス・エスピは素晴らしいモチベーションを持って成果を出してくれている。キリアン・エムバペと彼を同時に並べるとサイドのバランスを欠くが、あの場面では引き分けなど意味がなかったので全てのリスクを冒した。ヤン・ディオマンデは着実に成長しており、イエローカードを受けた状態で85分以上プレーしきった知性と体力を評価したい。勝利こそが何より重要であり、マドリードの試合は決して退屈しないはずだ」

マルティン・アンセルミ監督(エルチェCF):「悔しさと誇りが入り交じった感情だ。サン・マメスでの戦いに続き、チームは大きな成熟と強い競い合う姿勢を見せてくれた。自分がエルチェのファンであれば、今日の選手のファイトぶりに胸を張って家に帰るだろう。2-2に追いついた後、試合を締めくくるマネジメントで課題が残ったが、このパフォーマンスを継続すれば結果はついてくる」

アビエル・オソリオ(エルチェCF):「自分たちは王者相手に対等に渡り合ったし、時間帯によっては優位に立っていた。ピッチ上で全てを出し切っただけに最後に逃したのは非常に悔しい。0-2で折り返した際も諦めず、ひっくり返せるという強い信念があった。移籍後初ゴールは嬉しいが、チームの勝ち点につながらなかったことだけが心残りだ」