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ビジャレアルCF vs レアル・ベティス

ラ・リーガ / jornada-5 / Estadio de Villarreal / 2026年9月15日(火)

ビジャレアルCF 1-2 レアル・ベティス

試合サマリーと得点経過

試合日時:2026年9月14日 21:00キックオフスタジアム:スタディオ・デ・ラ・セラミカスコア:ビジャレアルCF 1 - 2 レアル・ベティス得点者:・ビジャレアルCF:ヘラルド・モレノ(29分)・レアル・ベティス:クチョ・エルナンデス(39分)、ナタン(43分)

ラ・リーガ第5節のラストを飾る一戦は、欧州の舞台で戦う実力派同士が真っ向から激突する見応え十分の攻防となった。立ち上がりはホームのビジャレアルCFがアグレッシブなハイプレスで主導権を握り、サンティ・コメサーニャの放ったシュートがポストを叩くなど勢いを見せる。29分にセットプレーからビジャレアルCFが先制に成功したものの、レアル・ベティスは一切動じることなく反撃を開始。エズ・アブデの圧倒的な推進力とイスコの巧みなゲームメイクを軸に、前半のうちに一気に試合をひっくり返した。後半に入るとベティスが相手の焦りを突いて鋭いカウンターを連発し、完全にゲームを支配。ビジャレアルCFの守護神ペテル・グラチの驚異的なセーブ連発に阻まれて追加点こそ奪えなかったものの、アウェイのベティスが1-2の逆転勝利を収め、圧巻の勝負強さを見せつけた。

得点シーンの詳細は以下の通りである。

1-0(ビジャレアルCF /29分):右サイドからのコーナーキックの場面、パペ・ゲイエがファーサイドへ滞空時間の長い正確なクロスを供給。これに合わせたレナト・ヴェイガが頭で折り返すと、相手ディフェンスのラインが下がった隙を見逃さなかったヘラルド・モレノがゴール前へ走り込み、鮮やかな左足ボレーでネットを揺らして先制点を奪った。

1-1(レアル・ベティス /39分):中盤でボールを受けたイスコが相手2人のプレスをいなして左サイドへ鋭いパスを展開。ボールを引き取ったエズ・アブデが圧巻の切れ味を見せるカットインで相手DFをかわし、ペナルティエリア手前から強力なシュートを放つ。これは相手GKペテル・グラチに弾かれたものの、こぼれ球に素早く反応したクチョ・エルナンデスが左足で押し込み、同点に追いついた。

1-2(レアル・ベティス /43分):イスコが左から蹴り込んだコーナーキックに対して、ニアサイドへ飛び込んだエズ・アブデが頭でそらす。GKペテル・グラチが手に当てて弾くもクリアが短くなり、ゴール前へ不規則にこぼれたボールにセンターバックのナタンが素早く反応。右足でゴール隅へ蹴り込み、ベティスがわずか4分間で電光石火の逆転劇を完成させた。

戦術・采配のポイント

両チームの戦術的狙いと課題は非常に対照的であった。ホームのビジャレアルCFを率いるイニゴ・ペレス監督は、不調のルイズ・ジュニオールに代えてペテル・グラチを先発ゴールマウスに起用し、前線にはヘラルド・モレノとジョルジュ・ミカウタゼを配置した4-4-2の布陣を採用。高い位置からのプレッシングでベティスのビルドアップを制限しようと試み、序盤はその狙い通りに試合を進めた。しかし、先制直後に守備の集中力が切れると、ネガティブ・トランジションにおける切り替えの遅さが破綻を招く。特にディフェンスラインと中盤の間隔が間延びし、ベティスのバイタルエリア侵入を容易に許す深刻な問題を抱えた。

一方、レアル・ベティスのマヌエル・ペジェグリーニ監督は4-2-3-1を採用。過密日程の中でアブデを今季初先発に抜擢すると、この采配が見事に的中した。中盤ではマルク・ロカが広大なエリアをカバーして抜群の回収力を発揮し、イスコが自在に動き回って攻撃のタクトを振るった。失点後も冷静さを失わずにプレスの背後へボールを運び、後半はブロックを作って奪ってからの高速カウンターでビジャレアルCFの守備組織を完全に解体してみせた。

指揮官の采配においても明暗が分かれた。イニゴ・ペレス監督は55分にナタン・サリバとアルベルト・モレイロ、62分にタニ・オルワセイ、さらに終盤にはフリーマンやアヨゼ・ペレスをピッチへ送り出して打開を図った。だが、これらの交代策はチームの守備バランスをさらに崩す結果となり、前線と後衛が分断されて相手の格好の標的となった。

対するマヌエル・ペジェグリーニ監督は、57分に運動量の落ちたイスコに代えて9年ぶりの古巣復帰となるダニ・セバジョスを投入し、中盤の保持力とリズムを維持。67分には推進力溢れるアントニーとネルソン・デオッサを投入し、終盤にはジョバニ・ロ・チェルソとファクンド・ベルナルをピッチへ送り込んでゲームを完璧にコントロールした。層の厚さを活かした鮮やかな采配により、アウェイでの見事な勝ち点3を手引きした。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地メディアの選手採点では、対照的な試合内容を反映した評価が並んだ。

レアル・ベティス陣営では、決勝点を挙げたセンターバックのナタンが高評価を獲得。MARCAやAS、El Desmarque、SPORTの各紙でチーム最高レベルの「9点」が与えられた。15回におよぶ守備貢献と10回のクリア、地上戦デュエル勝利数など圧巻のデータを示し、堅守と勝負強さを兼ね備えた存在として絶賛された。また、久々の先発で2ゴールの起点となったエズ・アブデに対しても、SPORTやASが最高評価を与え、ドリブルでの圧倒的な打開力を称賛した。中盤で13回のボール回収を記録したマルク・ロカや、前半に幾度ものピンチを防いだ守護神アルバロ・バジェスにも高い点数がついている。

敗れたビジャレアルCFにおいて、唯一例外的に絶賛されたのが守護神のペテル・グラチである。チームは敗戦を喫したものの、ASやSPORTでは10回におよぶセーブを記録した点が高く評価された。特に後半、カウンターからクチョ・エルナンデスやネルソン・デオッサ、アントニー、エクトル・ベジェリンと迎えた1対1の絶体絶命のピンチをことごとく防ぎ切ったパフォーマンスに対し、各紙は「彼がいなければ大惨劇になっていた」「歴史的大敗を一人で阻止した」と一致した見解を示した。

現地メディアの見解を対比すると、メディアごとの視点・アプローチの違いが浮き彫りになる。SPORTは、エズ・アブデの鋭い個人技とGKグラチの神がかったセーブショーに焦点を当て、個のパフォーマンスがゲームに与えたインパクトを中心に大きく報じた。一方、MARCAはビジャレアルCFの構造的な欠陥に着目。開幕5試合で10失点というクラブワーストタイの守備の脆さや、攻守の切り替えにおける反応の遅さを厳しく糾弾している。また、El Desmarqueはベティス個々のスタッツ詳細を分析し、マヌエル・ペジェグリーニ監督のもとで構築されたチーム全体の強固な組織力と層の厚さを高く評価した。

試合後の監督・選手コメント

試合後の記者会見において、両指揮官の表情は対照的であった。

レアル・ベティスのマヌエル・ペジェグリーニ監督は、「アウェイで直接のライバルから勝ち点3を勝ち取ったことは非常に価値がある『6ポイントマッチ』だった。後半はあと3〜4点差をつけて勝つべき展開だったが、チームが見せたパーソナリティとパフォーマンスには心から満足している」と手応えを口にした。さらに復帰したダニ・セバジョスやジョバニ・ロ・チェルソ、エズ・アブデら控え層の充実に触れ、「質の高い選手たちが揃い、全員がチームのために戦ってくれている。これがターンオーバーを成功させる鍵だ」と自信を覗かせた。また、苦しむ相手指揮官イニゴ・ペレスについて問われると、「新しいプロジェクトには時間がかかるものだ。落ち着いて仕事を続ければ、彼は必ずビジャレアルCFを本来あるべき場所に戻すだろう」と温かいエールを送った。

対するビジャレアルCFのイニゴ・ペレス監督は悲壮感を漂わせ、「先制するまでは意図したゲームプランができていたが、追いつかれてからは前節のデポルティーボ戦と同じ悪夢を繰り返してしまった。特に後半のパフォーマンスは自分にとっても非常に痛烈で、何も庇うことができない」と厳しい表情で語った。続けて「選手たちに勝利への確信や解決策を与えられていない責任は、全面的に私にある。この非常に厳しい現実を正面から受け止め、自分自身の指導力を見つめ直さなければならない」と自責の念を深めた。

選手たちもそれぞれの立場から試合を振り返っている。

決勝ゴールを挙げたベティスのDFナタンは、「昨季はゴールがなかったので、チームの勝利に貢献できて本当に嬉しい。先制された場面でも、ピッチ上で『絶対に逆転できる』と全員で声を掛け合っていた。この素晴らしい勢いを維持し、次の試合に向かいたい」と歓喜を表現した。

同点弾を奪ったFWクチョ・エルナンデスは、「勝利には満足しているが、後半に自分を含めて3〜4回あった決定機を決めきれなかったことは自省しなければならない。勝利を収めた上で反省し、修正できるのは素晴らしいことだ。僕たちはもっと上を目指せる」と貪欲な姿勢を示した。

また、ベティスの中盤を支えたMFマルク・ロカは「難所で素晴らしいゲームができた。自分たちの強さを証明する力強いアピールになったと思う」と語り、チームの充実感を強調した。