2026年11月3日(火) | 朝夕刊エディション
La Liga Journal & Media Analytics EL CLÁSICO DIARIO エル・クラシコ・ディアリオ | スペイン現地報道・定点観測ジャーナル

ラ・リーガ / 第5節 / レアレ・アレーナ / U-NEXT・DAZN / 2026年9月14日(月)

レアル・ソシエダ 対 アトレティコ・マドリード

レアル・ソシエダ 0-3 アトレティコ・マドリード

この試合のコンテンツ(2)タブで切り替えて読めます

試合サマリーと得点経過

試合情報

  • 日時: 2026年9月13日
  • スタジアム: アノエタ(レアレ・アレーナ)
  • スコア: レアル・ソシエダ 0 - 3 アトレティコ・マドリード
  • 得点者:
  • 0-1: アレハンドロ・グリマルド(84分・PK)
  • 0-2: ジョナサン・デイヴィッド(90分)
  • 0-3: フリアン・シメオネ(95分)

ラ・リーガ第5節、アノエタで展開された一戦は、試合の大半で主導権を握り続けたレアル・ソシエダに対し、終盤の劇的な展開からアトレティコ・マドリードが3点をもぎ取るという、スコア以上に交錯したドラマティックな幕切れとなった。

立ち上がりからホームのレアル・ソシエダが積極的なハイプレスとスムーズなポゼッションでペースを掌握。前線のイ・ガンインやアデモラ・ルックマンを狙うアトレティコ・マドリードのロングボールを若手DF陣が跳ね返し、ルカ・スチッチやセルヒオ・ゴメスを中心にアトレティコゴールを脅かし続けた。アトレティコ・マドリードは主砲フリアン・アルバレスとアレクサンダー・セルロートを負傷で欠き、攻撃の糸口を掴めず前半の枠内シュートはゼロ。しかし、ディエゴ・シメオネ監督が後半に切った3枚同時替えが中盤のパワーバランスを徐々に変えていく。

70分を過ぎてレアル・ソシエダの運動量が落ち始めると、試合は後半81分に突如として動いた。物議を醸すPK判定でアトレティコ・マドリードが先制すると、前傾姿勢になったレアル・ソシエダの隙を突き、アトレティコ・マドリードが高速カウンターからアディショナルタイムに電光石火の2ゴールを追加。80分間試合を支配していたホームチームを突き放し、終わってみれば0-3という極めて残酷な結果となった。

得点詳細(起点・経由・決定)

  • 0-1(84分: アレハンドロ・グリマルド)
  • 起点: 81分、左サイド浅い位置で獲得したフリーキックから、アレハンドロ・グリマルドがペナルティエリア内へ鋭い縦のクロスを供給。
  • 経由: レアル・ソシエダのDFママドゥ・サールがヘディングでクリアを試みるも、こぼれ球が途中出場のジョブ・オチエンの足元へ。腿付近に跳ね返ったボールが、高く広がっていた腕に直接接触した。主審のフアン・マルティネス・ムヌエラは迷わずハンドを指示し、VARの確認を経てペナルティキックが確定した。
  • どのように決めたか: キッカーを務めたアレハンドロ・グリマルドが静かな助走からGKアレックス・レミロの逆をつき、中央右寄りの低いコースへ滑らかなキックを流し込んで先制点を挙げた。
  • 0-2(90分: ジョナサン・デイヴィッド)
  • 起点: 自陣中盤でボールを回収した途中出場のコケが素早く前線へ展開し、左サイドへ開いたアレハンドロ・グリマルドへロングパスを通す。
  • 経由: アレハンドロ・グリマルドがペナルティエリア手前の中央スペースへ精度の高いグラウンダーの横パスを供給。
  • どのように決めたか: パスを受けたジョナサン・デイヴィッドが絶妙なファーストタッチでエリア内へ侵入し、対峙したDFルケン・ベイティアをキックフェイントで揺さぶって完全に交わすと、左足の冷静なグラウンダーシュートをゴール右隅へ決めた。
  • 0-3(95分: フリアン・シメオネ)
  • 起点: 同点を狙って前傾姿勢を強めたレアル・ソシエダの攻勢を阻み、自陣右サイド深くでフリアン・シメオネ自らがボールを強奪。
  • 経由: 他の選手を経由することなく、フリアン・シメオネが圧倒的なスプリント力とスタミナでハーフウェイライン付近から一人でペナルティエリアまで一直線に独走。
  • どのように決めたか: 飛び出したGKアレックス・レミロとの一対一の場面で、冷静に足元を抜く右足シュートをゴールネットに突き刺し、試合を完全に決定づけた。

両チームのスタメンと交代

ホーム: レアル・ソシエダ(4-2-3-1)

  • GK: アレックス・レミロ
  • DF: ジョン・アランブル、ルケン・ベイティア、ママドゥ・サール、セルヒオ・ゴメス
  • MF: カルロス・ソレール、ヤンヘル・エレーラ、ルカ・スチッチ
  • FW: ゴンサロ・ゲデス、アンデル・バレネチェア、ミケル・オヤルサバル

主な交代:

  • 71分: OUT ゴンサロ・ゲデス、アンデル・バレネチェア / INジョブ・オチエン、タケフサ・クボ(交代手続きのタイミングを巡り主審へ抗議したペジェグリーノ・マタラッツォ監督に警告)
  • 78分: OUT カルロス・ソレール、ミケル・オヤルサバル / INジョン・ゴロチャテギ、オリ・オスカルソン
  • 86分: OUT ヤンヘル・エレーラ / IN アルセン・ザハリアン

アウェイ: アトレティコ・マドリード(4-4-2)

  • GK: ヤン・オブラク
  • DF: マルク・プビル、クリスティアン・ロメロ、ダヴィド・ハンツコ、アレハンドロ・グリマルド
  • MF: フリアン・シメオネ、マルコス・ジョレンテ、モルテン・ヒュルマンド、アレックス・バエナ
  • FW: イ・ガンイン、アデモラ・ルックマン

主な交代:

  • 59分: OUT アレックス・バエナ、イ・ガンイン、マルコス・ジョレンテ / INジョニー・カルドソ、コケ、ジョナサン・デイヴィッド
  • 75分: OUT アデモラ・ルックマン / IN アルナウ・オルティス

戦術・采配のポイント

レアル・ソシエダのペジェグリーノ・マタラッツォ監督は、イゴール・スベルディアとジョン・マルティンの主力CB陣を欠く緊急事態に対し、19歳のルケン・ベイティアと20歳のママドゥ・サールという経験の浅い若手コンビを結成。特にチェルシーからのローン組であるママドゥ・サールは、「前へ守る」姿勢を徹底してアトレティコ・マドリードの攻撃の芽を摘み取り、対人守備と鋭い予測で異彩を放った。中盤ではルカ・スチッチとセルヒオ・ゴメスがテンポを作り、アトレティコ・マドリードの強固なブロックを揺さぶり続けたが、ペナルティエリア付近での決定力を欠き、攻勢の時間帯にゴールを奪いきれなかったことが後の悲劇につながった。

対するアトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督は、本職の最前線フォワードを欠く中でフリアン・シメオネを右ウイングバックのように機能させ、守備時には5バックへと変化する慎重な布陣(チョリスモ)で耐え忍ぶ戦術を選択した。前半はボールを握られて完全に後手に回り、相手ゴールに迫る場面はほとんど作れなかった。

この停滞感を打破したのが、59分にシメオネ監督が見せた勝負感だった。アレックス・バエナ、イ・ガンイン、マルコス・ジョレンテの3人を一気に下げる決断を下し、コケ、ジョニー・カルドソ、ジョナサン・デイヴィッドを投入。コケの精密な配球力とカルドソの物理的な強さが中盤の主導権をアトレティコ・マドリードへ引き寄せ、ジョナサン・デイヴィッドが前線でボールを収める軸となったことで、攻撃の深度が一変した。さらに75分に投入されたアルナウ・オルティスのスピードも相手守備陣の負荷を高めた。

レアル・ソシエダ側は70分を過ぎてウイング陣のスタミナが底をつき、マタラッツォ監督はタケフサ・クボやジョブ・オチエンを投入したものの、チーム全体の疲労と焦りから守備の強度が低下。アトレティコ・マドリードの采配的成功とレアル・ソシエダの交代遅れが、終盤の明暗を分ける決定的な要素となった。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地メディア各紙(MARCA, AS, SPORT, Mundo Deportivo,El Desmarque)の採点と評価は、試合内容と最終スコアのギャップを色濃く反映するものとなった。

アトレティコ・マドリード側で最も高い称賛を浴びたのは、右サイドでハードワークを続けたフリアン・シメオネと、1ゴール1アシストを記録したアレハンドロ・グリマルドである。El Desmarqueはフリアン・シメオネに「8点(10点満点)」の最高評価を与え、「右ウイングバックの位置でボール回収に奔走し、最後は自ら90メートルを走り抜く圧巻のゴールで試合を締めた」と絶賛した。アレハンドロ・グリマルドについても同メディアは「8点」を付け、前半はアンデル・バレネチェアの対応に苦戦したものの、PKの場面で見せた度胸とジョナサン・デイヴィッドへのアシストで完全に挽回したと分析した。

また、途中出場で流れを変えたジョナサン・デイヴィッドとコケには、El DesmarqueやAS紙が揃って「7点」の高評価を与えた。SPORT紙は「ジョナサン・デイヴィッドが見せた洗練された切り返しと左足のフィニッシュは、本職のストライカーを渇望していたチームへの救世主的な一撃となった」と評した。一方で、先発したアレックス・バエナ、イ・ガンイン、アデモラ・ルックマンの攻撃ユニットに対しては、El Desmarqueが揃って「4点(落第)」という厳しい採点を下し、攻撃の深みを作れなかった点を敗因候補として挙げている。

レアル・ソシエダ側では、敗戦にもかかわらず若手CBのママドゥ・サールとルケン・ベイティアの健闘が高く評価された。DiarioVasco(DV)の個別採点では、アトレティコ・マドリードのFW陣を相手に果敢な前傾守備を披露したママドゥ・サールに対し「敗戦の中で輝いた最大の収穫」と賞賛が送られた。AS紙も「過酷な任務を堂々とこなした」と評している。不運なハンドでPKを与えてしまったジョブ・オチエンに対しては、MundoDeportivo紙やAS紙が「意欲的な動きを見せていただけに、ルール解釈の犠牲となった悲劇的瞬間」と同情的な論調を展開した。

メディアごとの見解の違いとしては、SPORT紙やMARCA紙が「シメオネ監督の完璧な交代策と勝負強さ」に焦点を当ててアトレティコ・マドリードの完勝劇として報じたのに対し、地元紙であるDiario Vasco紙やMundoDeportivo紙は「80分間はレアル・ソシエダが内容で凌駕していた」と主張。0-3というスコアを「実態にそぐわない過剰な罰(castigoexcesivo)」と表現し、審判のPK判定がゲームを壊したという視点を強調している。

試合後の監督・選手コメント

ペジェグリーノ・マタラッツォ監督(レアル・ソシエダ)「あの判定がPKだとは到底思えない。オチエンは腕を引っ込めようとしており、ボールはまず彼の太ももに当たっていた。セルタ戦でのゴンサロ・ゲデスへのファウル見逃しや、エルチェ戦でのジョン・マルティンへの一発退場など、我々はここ3試合続けて疑問の残る厳しい判定に泣かされており、それらがダイレクトに勝ち点へ影響している。アトレティコ・マドリードのような強豪を相手に70分から80分間にわたって素晴らしいゲームを展開し、試合を支配できていた。ただ、低く引いた相手の守備を前に、ゴール前での決定的な崩しが不足していたことは真摯に受け止めなければならない」

ディエゴ・シメオネ監督(アトレティコ・マドリード)「勝利には当然満足しているが、我々はまだチーム作りのプロセスの途上にあることを忘れてはならない。前半は相手に2回の決定機があり、我々にも2回あった。後半はPKの場面まで相手に危険な形を作らせなかったが、我々もなかなか突破口を開けなかった。後半の3枚替えは狙い通りに行った。コケとジョニー・カルドソで中盤を強化し、ジョナサン・デイヴィッドで攻撃に深みをもたらすことができた。そして、92分にあれほどのスプリントと推進力を発揮できるフリアン・シメオネのような選手は、世界を見渡しても極めて稀だ」

アレックス・レミロ(レアル・ソシエダ)「私にとってあれはPKではない。体に当たった後のこぼれ球(リバウンド)であり、シーズン前の説明では『リバウンドによる手に接触したプレーは原則ペナルティを取らない』と審判団から聞かされていたはずだ。現場で主審が思わず笛を吹いてしまうのは理解できるが、VARがありながら判定が覆らないのは納得がいかない。PKの瞬間まで僕たちは素晴らしい戦いをしており、この0-3という結果は内容に全く見合っていない」

アレハンドロ・グリマルド(アトレティコ・マドリード)「公式戦2連敗の後だっただけに、どうしても勝ち点3が必要な一戦だった。個人としてもプレシーズンや休暇が不十分なまま新チームに合流し、難しいスタートを切っていたが、シメオネ監督からは常に高いレベルを要求されているし、自分自身にも多くを課している。ゴールという結果を残せたこと、そしてチームとして久々にクリーンシート(無失点)で終えられたことは大きな自信になる」

セルヒオ・ゴメス(レアル・ソシエダ)「75分が経過するまでは、僕たちが完全に試合をコントロールしていたし、勝利にふさわしい内容だった。しかし、審判のあの一つのミス判定がすべてを一変させてしまった。ピッチ上で全力を尽くしただけに、本当に悔しさが残る」

レアル・ソシエダ 対 アトレティコ・マドリード の背景データ

順位

順位クラブ試合勝分負得失差点直近
2 アトレティコ・マドリード 11 9 1 1 22 8 +14 28 WWWWW
5 レアル・ソシエダ 11 6 1 4 20 20 0 19 LWWWW
順位表全体を見る
両クラブの前後日程を見る