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アスレティック・ビルバオ vs エルチェCF

ラ・リーガ / jornada-5 / Estadio de Athletic / 2026年9月13日(日)

アスレティック・ビルバオ 1-1 エルチェCF

試合サマリーと得点経過

1)

サン・マメスの熱狂的な大歓声に後押しされたアスレティック・ビルバオが、立ち上がりから怒涛の攻勢を仕掛けた。前節のアトレティコ・マドリード戦で3-0の快勝を収めた勢いそのままに、ニコ・ウィリアムズの切れ味鋭いドリブル突破やオイハン・サンセトの流暢な展開から次々とエルチェゴールへ迫る。前半7分にはサンセトの精妙なスルーパスからイニャキ・ウィリアムズが絶好の決定機を迎えたもののシュートはわずかに枠を外れ、前半37分にはイニャキのクロスにロベルト・ナバーロが飛び込んで合わせたシュートがGKマティアス・ディトゥロの手をかすめてクロスバーを叩く。さらにユリ・ベルチチェの力強いミドルシュートがサイドネットを揺らすなど、前半だけで15本ものシュートを浴びせかけたが、自陣深くに強固なブロックを築いたエルチェの執念の守備を破れず、無得点のままハーフタイムを迎えた。

試合の均衡が破れたのは、後半開始直後の電撃的な展開だった。

【エルチェの先制点(後半50分)】右サイドでボールを持った右キャリアのブバ・サンガレがエリア前のフェル・ニーニョへ縦パスを供給。こぼれ球を拾ったヘルマン・バレラがペナルティエリア内で切り返しを仕掛けた際、追体したアスレティックの右サイドバックであるヘスス・アレソの足と交錯してヘルマン・バレラが倒れ、主審は即座にペナルティスポットを指さした。キッカーを務めた若き司令塔ファクンド・ブオナノッテは、圧巻の集中力でウナイ・シモンの逆を突き、ゴール右上隅へと鮮やかに決め切ってエルチェが数少ない好機から先制に成功した。

【アスレティックの同点点(後半79分)】追い込まれたアスレティックに救いをもたらしたのは、後半72分に投入されたアレックス・ベレンゲルだった。右サイドから打開を図るベレンゲルが相手守備陣の隙を突いてペナルティエリア右深くまで侵入し、右足で鋭い低いクロス兼シュートを供給。ゴール前へ走り込んだイニャキ・ウィリアムズが必死のカバーに入ったエルチェのセンターバックであるビクトル・チュストと激しく交錯しながら足元で触れると、ビクトル・チュストの解体試みに当たったボールがそのままゴールネットへ吸い込まれ、土壇場で1-1の同点に追いついた。

終盤にかけてアスレティックは猛怒涛の攻めで勝ち越しを狙い、後半アディショナルタイム92分にはニコ・ウィリアムズが右足で美しい弧を描くシュートを放ったが、エルチェの守護神マティアス・ディトゥロが右手一本で弾き出す驚異的なビッグセーブを見せて阻止。劇的な熱戦は1-1の引き分けでタイムアップを迎えた。

戦術・采配のポイント

エディン・テルジッチ監督はウナイ・シモンを守護神に据え、最終ラインは右からヘスス・アレソ、イエライ・アルバレス、アイメリク・ラポルテ、ユリ・ベルチチェ。中盤底にイニゴ・ルイス・デ・ガラレタと急成長中のベニャト・ヘレナバレナを配置し、2列目は右に負傷欠場のゴルカ・グルセタに代わりロベルト・ナバーロ、中央にオイハン・サンセト、左にニコ・ウィリアムズ、1トップにイニャキ・ウィリアムズを起用した。高い位置からのハイプレスと左サイドのニコ・ウィリアムズの個人打開力を軸に主導権を握り、意図通りのビルドアップを展開したものの、前半15本のシュートで無得点に終わった「決定力不足」と「第1ポストへの進入の遅さ」が課題となった。先制を許した後半は焦りから攻撃が縦一本に偏り、中盤の落ち着きを失う時間帯が続いた。

開幕4試合で12失点を喫していたマルティン・アンセルミ監督は、従来のポゼッション重視スタイルから戦略的に舵を切り、サン・マメ対策として自陣深くに人数を割く実利的な低位置ブロックを採用した。GKマティアス・ディトゥロ、DFラインはブバ・サンガレ、フェデリコ・レドンド、ビクトル・チュスト、ロイ・レビボ。中盤は右にヘルマン・バレラ、中央にゴンサロ・ビジャールとハビ・モルシージョ、左にテテ・モレンテ、前線にファクンド・ブオナノッテとフェル・ニーニョを配置。前半は攻め込まれ続けたものの、全員守備で耐え抜いたことが後半立ち上がりのPK獲得と先制劇に繋がった。

後半65分、PKを与えて動揺の見えるヘスス・アレソを下げてホハネコを投入し、イニゴ・ルイス・デ・ガラレタに代えてミケル・ハウレギサールを投入して中盤の強度を整えた。そして後半72分、ロベルト・ナバーロに代えてアレックス・ベレンゲルを投入したことが最大の当たり采配となった。ベレンゲルは右サイドの攻撃を即座に活性化させ、79分の同点ゴールを引き寄せる決定的な役割を果たした。後半82分には足を痛めたイニャキ・ウィリアムズに代えてマロアン・サナディを投入して前線の圧力を維持した。

後半69分、先制後に逃げ切りを図るためファクンド・ブオナノッテとフェル・ニーニョに代えてトマ・ルマルとアビエル・オソリオを投入。ルマルの高いキープ力とオソリオの力強い前線での身体張りが貴重な時間を稼いだ。さらに後半75分と82分にルベン・サンチェス、マルティム・ネト、セペダを相次いで投入して最終ラインを5バック化。追いつかれはしたものの、終盤のアスレティックの猛攻を耐え忍び、貴重な勝ち点1を死守した。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地各紙(MARCA, AS, SPORT, Mundo Deportivo, El Desmarque, EstadioDeportivo)の報道や採点・評を集約すると、圧倒的な攻撃力を示しながらも決め手を欠いたアスレティック攻撃陣と、耐え抜いて敵地で価値あるポイントを手にしたエルチェ守備陣のコントラストが浮き彫りになった。

-開幕からの大量失点によりサポーターや現地メディアから起用を疑問視されていたディトゥロだが、この試合の評価は一変した。MARCAは「これまでプレッシャーに晒されていたベテランが重要な場面でチームを救った」と評し、SPORTやEl Desmarqueは後半92分にニコ・ウィリアムズの決定的なシュートを阻止した右手一本の超ビッグセーブを「勝ち点1をもたらした本物の救世主」と絶賛。平均採点でも7.5点から8.0点相当の高評価を獲得した。

-各紙揃って高い評価を与えており(平均採点7.5点相当)、SPORTは「サン・マメスの大威圧のなかでウナイ・シモンの逆を突くPKを沈めた冷静さと度胸」を絶賛。MARCAやASは前半に前線で孤立気味だった点を触れつつも、「少ない決定機で確実に違いを作り出すクラスを見せた」と評価をまとめている。

DeportivoやEl Desmarqueは「前半から左サイドで圧倒的な突破力を誇り、対峙するブバ・サンガレを何度も崩し切った」と攻撃の牽引力(7.0点〜7.5点相当)を称賛。一方でMARCAやASは「後半にエルチェが自陣ブロックを固めると強引な仕掛けが目立ち、ラストパスやシュートの精度を欠いた」と指摘し、突破力への絶賛と決定打を欠いた点への厳しい見解が対比された。

-後半72分からの途中出場ながら、各紙からチームトップクラスの高採点(8.0点相当)が与えられた。SPORTやEstadioDeportivoは「停滞していたチームの攻撃にスピードとひらめきをもたらし、同点弾を直接引き出した最高のジョーカー」と絶賛した。

-PKを獲得した場面について、SPORTは「エリア内でのキレのある仕返しで相手の反則を誘った見事な一破」と高評価を下したのに対し、MARCAは「守備の戻りが遅れてアスレティックの攻め上がりを許す場面があった」と守備面での課題を挙げるなど、見解の違いが見られた。

試合後の監督・選手コメント

-「結果とパフォーマンスは分けて捉えたい。前半のチームの出来は大きな前進であり、相手を自陣に押し込んで試合を支配していた。足りなかったのは最初の1ゴールだけだ。しかし後半最初の相手の攻撃でPKを与えてしまい、自分たちで難しくしてしまった。ホームでの引き分けは非常に悔しいが、アトレティコ戦以上にゲームを支配できており、後退ではなく学びのステップだ」-「(足を痛めて退場したイニャキ・ウィリアムズについて)試合後に話したが、足に強い打撃を受けて激しい痛みを感じていた。ただ、退場した直後よりは落ち着いており、明日の精密検査で大きな問題がないことを願っている」

-「選手たちがサン・マメスで見せた戦いぶりを心から誇りに思う。この特別なスタジアムでは苦しい時間帯を耐え抜くことが不可欠だ。今節は失点を防ぐために全員で泥臭く守るプランを選んだが、選手たちは一ボール一ボール集中して完璧に実行してくれた。勝ち点という目に見える報酬を得られたことは、日々努力を重ねるグループにとって大きな報いになる。このように戦えれば、我々はどんな相手にとっても非常にタフなライバルになれる」-「(かつてビエルサ率いるアスレティックに魅了された逸話について)実は昔、マルセロ・ビエルサが率いていた時代のアスレティックに魅了され、どうしても生で観戦したくて愛車のオートバイを売って渡航費を作り、コパ・デル・レイ決勝(ペップ・グアルディオラ率いるバルセロナとの試合)を見にスペインへ渡った経験がある。私にとってサン・マメスのベンチに立ち、このクラブと戦えることは人生における素晴らしい特権であり誇りだ」

-「とにかく何かを起こそうと決意してシュート気味のクロスを放ち、最終的にゴールに繋がった。だが、ホームのサン・マメスでは常に勝ち点3を目指しているため、引き分けという結果には全く納得していない。相手が後半に引いて守りを固めたことで崩すのが難しくなったが、課題に向き合って前を向くしかない」

-「サン・マメスの大歓声はすさまじいプレッシャーを与えてくるが、PKの場面では自分のキックを100%信用してゴール隅へ蹴り込んだ。ウナイ・シモンという世界最高峰のキーパーからゴールを奪えて嬉しい。前半は苦しんだが後半に持ち直し、この特別なスタジアムから貴重な勝ち点1を持ち帰ることができるのは大きな自信になる」