FCバルセロナ vs Feyenoord
UEFAチャンピオンズリーグ / Estadio de Barcelona / 2026年9月10日(木)
試合サマリーと得点経過
試合概要
- 日時: 2026年9月9日 18:45(CEST)
- 会場: スポティファイ・キャンプ・ノウ(観客数: 45,838人)
- スコア: FCバルセロナ 5 - 1 フェイエノールト(前半 2 - 0 / 後半 3 - 1)
- 得点者:
- FCバルセロナ:
ラフィーニャ(3分、56分)、カリム・アデイェミ(20分)、ラミネ・ヤマル(77分)、ガブリエウ・ジェズス(85分)
- フェイエノールト: セム・スタイン(83分)
バケツをひっくり返したような激しい雨がスポティファイ・キャンプ・ノウのピッチを濡らす中、UEFAチャンピオンズリーグ2026-27シーズンの開幕節でFCバルセロナが圧巻のゴールショーを繰り広げた。ハンジ・フリック監督率いるバルセロナは、ラ・リーガ開幕からの破竹の連勝街道そのままに、オランダの強豪フェイエノールトを5-1で粉砕。大雨をものともしない圧倒的なポゼッションと縦への鋭い攻めで、欧州制覇に向けた最高のスタートを切った。
得点経過の詳細
- 1点目(3分:バルセロナ 1-0):
立ち上がりのわずか3分、右サイド深い位置でボールを持ったラミネ・ヤマルがエリア内のラフィーニャへ鋭いパスを供給。ボールを受けたラフィーニャは、濡れたピッチに滑る相手DF渡辺剛とセント・ジュステの2人をキレ味抜群のダブルタッチと見事な切り返しで一瞬にして置き去りにし、左足で落ち着いてゴール右隅へ流し込んだ。今季公式戦5試合連続ゴールとなるキャプテンの電光石火の一撃で、バルセロナが早々と先制する。
- 2点目(20分:バルセロナ 2-0):
20分、左サイドのタッチライン際でペドリからパスを受けたカリム・アデイェミが中央へとカットイン。相手マークを剥がすと、エリア手前やや左から右足を一閃。放たれた強烈なシュートは綺麗なカーブを描きながらゴール右上隅の死角へと突き刺さった。アデイェミは圧巻のゴラッソを鮮やかなバック転で祝福し、リードを2点に広げた。
- 3点目(56分:バルセロナ 3-0):
後半に入り56分、中盤でボールを保持したペドリが、相手DFラインのギャップを射抜く絶妙なスルーパスを通す。完璧なタイミングで抜け出したラフィーニャがGKエルンストとの1対1を冷静に見極め、左足でゴール右隅へ流し込んで自身この日2点目をマーク。試合の主導権を完全に手中に収めた。
- 4点目(77分:バルセロナ 4-0):
77分、ペナルティエリア手前中央でダニ・オルモが倒されて得たフリーキック。キッカーを務めたラミネ・ヤマルが左足を振り抜くと、壁の隙間を鋭く抜けたグラウンダーのシュートがそのままゴールネットを揺らした。途中交代したラフィーニャからキャプテンマークを引き継いでいた19歳の宝が、主将としての初ゴールを直接FKで飾った。
- 5点目(83分:フェイエノールト 4-1):
83分、フェイエノールトが右サイドから崩し、途中出場のボヒスがグラウンダーのクロスを供給。バルセロナのジュール・クンデがマークを緩めた一瞬の隙を突き、セム・スタインが押し込んでフェイエノールトが1点を返した。
- 6点目(85分:バルセロナ 5-1):
失点直後の85分、右サイドからラミネ・ヤマルが左足アウトフロントで極上のカーブクロスをゴール前へ送り込む。83分に投入されたばかりの新加入ガブリエウ・ジェズスが、ゴールに背を向けた状態から頭で鮮やかに流し込み、加入後初ゴールで5-1とし、「マニータ(5得点)」を完成させた。
戦術・采配のポイント
フォーメーションと戦術的狙いハンジ・フリック監督は今節、直近のリーグ戦(バレンシア戦)からスタメン5人を変更するターンオーバーを敢行した。フォーメーションは基本の4-3-3を採用。前節退場による出場停止のエリック・ガルシアに代わり、中央にはパウ・クバルシとアンドレアス・クリステンセンのセンターバックコンビを配置。左バックには今季初先発となるジョアン・カンセロを抜擢した。中盤はロドリ・エルナンデスをアンカーに据え、ペドリとダニ・オルモがインサイドハーフとして流動的に動いた。
前線では、絶好調のラフィーニャを「偽9番(False9)」として中央に配置し、右にラミネ・ヤマル、左にアデイェミを配置。ラフィーニャが中盤に降りてビルドアップを助けることで相手センターバックを引き出し、生じた広大な背後スペースへアデイェミやヤマル、ペドリが飛び出す攻撃メカニズムが完璧に機能した。また、アンカーのロドリが高い位置でセカンドボールを拾い続けることで、ボール保持率は一時80%近くに達し、相手を自陣に釘付けにした。
対するフェイエノールトのジョバンニ・ファン・ブロンクホルスト監督も4-3-3で挑んだ。バルセロナ下部組織出身のミカ・マルモルを左バック、渡辺剛をセンターバックに起用し、右ウイングにはサウジアラビア移籍騒動で直前に物議を醸したアニス・ハジ・ムーサを先発に並べた。フェイエノールトは自陣に引いて守るような戦術を選択せず、アグレッシブなハイプレスとハジ・ムーサの個人技を活かした高速カウンターを狙った。しかし、開始直後の失点によってプラン崩壊を余儀なくされ、バルセロナの圧倒的なプレス回避と展開力に翻弄される形となった。
監督の交代策と試合への影響フリック監督の交代策はタイミング、意図ともに完璧だった。3-0とリードした63分にペドリとアデイェミを下げ、マルク・ベルナルとアンソニー・ゴードンを投入して中盤の強度とサイドのスピードを維持。71分にはラフィーニャを下げてフェルミン・ロペスを投入し、主力に休息を与えつつ前線の運動量を落とさせなかった。さらに83分にはロドリとダニ・オルモに代えてガビとガブリエウ・ジェズスを送り込むと、直後にジェズスがファーストタッチでチーム5点目を奪うなど、ベンチ層の厚さと交代選手の質の高さを証明してみせた。
ファン・ブロンクホルスト監督もハーフタイムにハビ・ロペスに代えてタルガリン、63分にはナチョ・フェリに代えてシャキール・ファン・ペルシ、71分にはボヒスとセム・スタインを投入して反撃を試みた。71分に投入されたボヒスとスタインのホットラインが83分の得点を生み出した点は交代策の成果と言えるが、チーム全体の守備崩壊を止めるには至らなかった。
現地メディアの選手採点・評価比較
現地メディアは、圧巻のショーを披露したバルセロナの攻撃陣に軒並み高評価を与えている。特にSPORT、MundoDeportivo、ElDesmarqueなどの各紙は、最高評価の採点を並べて絶賛した。
主力選手の採点・評価整理
- ラフィーニャ(平均採点: 9.8 / 10点満点)
- SPORT: 10点 / 10点満点(MVP)
- ElDesmarque: 10点 / 10点満点
- Mundo Deportivo: 最高評価(MVP)
- 各紙の見解:
SPORTは「解き放たれたSpiderman。新時代の世界最高峰の偽9番」と評し、1点目の見事なダブルタッチと圧巻の2ゴール、そして前線からの献身的なプレスを大絶賛した。MundoDeportivoも1958年のルイス・スアレス以来となる開幕5試合連続ゴールの偉業を讃え、文句なしのMVPに選出した。
- ラミネ・ヤマル(平均採点: 9.0 / 10点満点)
- SPORT: 9点 / 10点満点
- ElDesmarque: 9点 / 10点満点
- Mundo Deportivo: 最高評価
- 各紙の見解:
SPORTは「圧倒的なドリブルとヒールでの股抜きで観客を魅了した」と絶賛。1アシストに加え、直接FKでのゴール、そして交代後に巻いたキャプテンマークにふさわしい自覚と輝きを評価した。
- カリム・アデイェミ(平均採点: 8.0 / 10点満点)
- SPORT: 8点 / 10点満点
- ElDesmarque: 8点 / 10点満点
- 各紙の見解:
左サイドで幅をもたらし、右足で放ったスーパーミドルシュートとアクロバティックなバック転パフォーマンスが高く評価された。
- ジュール・クンデ(平均採点: 5.8 / 10点満点)
- SPORT: 6点 / 10点満点
- ElDesmarque: 6点 / 10点満点
- Mundo Deportivo: 苦言混じりの評価
- メディアごとの見解の違い:
攻撃陣が軒並み絶賛される中、クンデの評価にはメディア間で若干の温度差が見られた。ElDesmarqueは「豊富な運動量と高いインターセプト能力で防波堤となった」と一定の評価を与えた一方、SPORTやCadenaSERのラジオ解説者は83分の失点シーンにおいて「クンデがマークを怠り、まるでカタルーニャ広場でカフェを飲んでいるかのように眠っていた」と辛辣に批判。MARCAもクリーンシートを逃した防衛線の緩みを指摘し、攻撃陣のハイスコアに対して守備陣の集中力欠如に厳しい目を向けた。
- ガブリエウ・ジェズス(平均採点: 7.5 / 10点満点)
- ElDesmarque: 7点 / 10点満点
- 各紙の見解:
わずか10分足らずの出場で初ゴールを記録し、直後には頭でバーを叩くシュートを放つなど、破格の決定力とインパクトを残したと好意的に報じられた。
試合後の監督・選手コメント
フェイエノールト:ジョバンニ・ファン・ブロンクホルスト監督「今のバルセロナのプレーを見れば、彼らが現在世界最高のチームであることは疑いようがない。我々は引いてバスを置くような戦い方はせず、自分たちのサッカーで挑もうとしたが、開始早々の失点が痛かった。チャンスはいくつか作れたものの、些細なミスが即座に失点に直結する。チームにはチャンピオンズリーグ初出場の選手が18人もおり、このレベルの差から多くのことを学ばなければならない。フリック率いるバルセロナには、今季のチャンピオンズリーグを制覇する十分な力がある」
「(古巣キャンプ・ノウへの帰還について)このスタジアムには最高の思い出がたくさんある。試合前には旧知の人々と挨拶を交わすことができた。(ラミネ・ヤマルについて)あの年齢で既にすべてを勝ち取っており、メッシやロナウジーニョを彷彿とさせる。バロンドールを獲得できる逸材であり、問題はそれが『いつになるか』だけだ」
FCバルセロナ:ハンジ・フリック監督「日頃のトレーニングから極めて高い質と健全な競争が存在している。選手を入れ替えてもチームのパフォーマンスレベルが落ちないのは、その成果だ。ファンが心からサッカーを楽しみ、我々も主導権を握ってゴールを重ねる。これこそがバルセロナの目指すスタイルだ。しかし、まだシーズンは始まったばかりであり、タイトルが決まる5月までは長い道のりが待っている。現状に満足することなく、さらに改善すべき課題に向き合っていきたい」
「(ラミネ・ヤマルのバロンドール受賞について)私の教え子であり、間違いなくバロンドールに値する特別な選手だ。毎試合その価値を証明してくれている。また、ラフィーニャやペドリもその候補リストに名を連ねるべき素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。バルセロナの監督を務められていることを心から誇りに思い、日々を楽しんでいる」
FCバルセロナ:ラフィーニャ(MVP)「ピッチ上で完璧なフットボールを体現しなければならないと考えているが、ファンの後押しがあればそれも容易になる。個人的なバロンドールの話よりも、今チームとして素晴らしい戦いができていることの方を強調したい。試合中、ラミネが少し集中を欠きそうになった時に声をかけて励ましていたのだが、最終的に彼が素晴らしいFKを決めてくれて本当に嬉しかった。お互いのゴールや成功を自分のことのように喜び合える関係性こそが、真の勝者となるチームの証だ」